
| 「知らなければ危険」、本当に「意図した設計」であったもよう |
予期せぬ加速が話題に:一体何が起きているのか?
2025年モデルのダッジ・チャージャー・デイトナ EVに関してちょっと不思議な現象が報告され、各方面にて大きな話題に。
この件を最初に報告したのは自動車メディア「エドマンズ」で、これによると「アクセルもブレーキも踏んでいないのにクルマがゆっくり加速する」。
しかも、これは一部の個体だけでなく、複数のオーナーが“意図しない加速”を報告していることから問題視されていたわけですね。
NHTSA(米国道路交通安全局)への苦情とStellantisの回答
とあるオーナーがこの現象を米国道路交通安全局(NHTSA)へと報告し、これによって該当の問題が明るみに出たわけですが、その問題について車両メーカーであるStellantis(ステランティス)が以下のように公式に説明を行っています。
- 車両は暴走するわけではなく、毎秒1マイル(約1.6km/h)程度の緩やかな加速
- ブレーキを踏めばすぐに停止できる
- 「緊急用の安全機能」として意図的に設計された動作
Image:Dodge
なぜ加速する?その正体は「ドライブ・バイ・ブレーキ」機能
ステランティスによると、問題の原因は「アクセルペダルが故障した場合でも安全に走行できるようにする、”ドライブ・バイ・ブレーキ”なるフェイルセーフ(安全確保)機構」で、この機構は以下を目的として(おそらくはアクセルバイワイヤー採用の)従来のガソリン車でも採用されてきたものではあるものの、EVだからこそ”暴走”というキーワードとともに注目されてしまったということになりそうです。
- 車を路肩まで移動させる
- 修理工場に“自走”で向かう
なぜドライバーに通知されないのか?
なお、この問題について実際にエドマンズは車両を用いて検証しており、テスト車両では次のようなエラーメッセージが表示されるとともに「意図しない加速」が見られ、その後、車両は低出力モード(リンプモード)に入り、アクセルを離してもゆっくり加速し、しかしブレーキを踏んで停止した後、車両を再始動すると通常状態に戻ったのだそう。
- 横滑り防止装置の異常
- 回生ブレーキの不具合
- 前方衝突警告のエラー
Image:Dodge
結論:便利な安全機能。でも“知らない”と怖い
ここで注目すべきは「この機能に関する警告表示や説明が一切なかったこと」で、たしかに「ドライブ・バイ・ブレーキ」は非常時に役立つ賢い安全機能。
しかし、ドライバーに事前に知らされていないと、不安や混乱を招く可能性があり、今後のアップデートで、ダッシュボードに分かりやすい警告や説明が表示されることが望まれます(状況によってはパニックに陥りそうだ)。
💡まとめ:EVが勝手に加速したら…それは“助けてくれている”のかも?
- ダッジ・チャージャー・デイトナ EVの加速は「バグ」ではなく「フェイルセーフ」
- アクセル異常時でも走行可能な安全設計
- ブレーキ操作で停止可能なので慌てず対処を
- ドライバー向けの情報不足は今後の課題
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参照: Edmunds, CARBUZZ