
| 残クレそのものが問題ではなく、残クレを理解せず飛びつく人々、残クレで購入した身の丈に合わないクルマを自慢する人々を問題視しているのであろう |
さらには「残クレ」を利用する典型的な人々のイメージが「よろしくない」のだと思われる
さて、いまSNSで話題が沸騰しているのが「残クレ(残価設定クレジット / ローン)」で購入したアルファードやレクサス。
この残価設定ローンというのは「そのクルマを数年後に売却すると仮定し、そのときの残価を差し引いた金額をローンとして支払う」というもの。
これはアルファードやレクサスのように「売却金額が高い」車種では非常にお得な支払い方法で、たとえば車両金額が800万円だとして、3年後の残価を80%に設定すると、その80%に相当する640万円を800万円から差し引き、160万円を分割で支払えばOKというものです。
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「残クレ」(残価設定型クレジット・ローン)にはどんなメリットがあるのか
この残クレのメリットとしては、「少ない元手でも高額なクルマを購入できる」「毎月の支払額を抑えつつもクルマを購入できる」というものがあり、実際にぼくはBMW Z3、ポルシェ・ボクスターS(986)、ポルシェ911カレラ(997)、ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4などをこの方法で購入しています。
つまり、この残クレをうまく使えば「大衆車と変わらない毎月の支払金額にて、そうとうな高級車を購入できる」わけですが、これに対してはけっこう否定的な意見があるもよう。
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「残クレ」(残価設定型クレジット・ローン)にはどんなデメリットがあるのか
そこで残クレ否定派が掲げる「デメリット」を挙げてみると、まずは「最終的な支払金額が高くなる」。
「残価」に対しても金利がかかってくるということになりますが、これは「残クレでないローンであっても同じように金利がかかる」ので、残クレならではのデメリットとはいえない、と解釈しています。※正確には、おなじ金額での通常ローンに比較すると、総支払額の減りが遅いため、そのぶんの金利が変わる
ただ、残クレ否定派は、「残クレそのものを否定しているのではなく、残クレをお得だと盲信する人を否定している」可能性が高く、この「残価にも金利がかかることを把握せずに契約している情報弱者(情弱)」を批判しているのかもしれません。
そして「残クレには走行距離制限がある」という否定的見解もありますが、ぼくは距離制限がある残クレにはお目にかかったことがなく(いまは存在するのかもしれない)、よってこれは残クレの問題ではないと認識。
そして「最終的な売却時には残価を下回ってしまう」という否定的見解もありますが、ローン会社やディーラーも「あとでモメる」のは嫌なので、残価は「相場よりも低く」設定することが多く、つまり「最終的に残価負け」しないように設定されています。※ぼくは一度も残価負けしたことはない
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ただ、これについても、「クルマを売りたいがために」無茶な(相場以上の)残価を設定するディーラーもあると聞くので、現在はこういった例が問題視されている可能性もありそうですね。
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そのほか、「残クレで買うと途中で売れない」という意見もありますが、残クレは「ローン」であって「リース」ではないので、いつでも売ろうと思えば売ることが可能です。
さらには「ローン支払い中は改造できない」とも言われ、しかしこれも「リースではなくローン」なので、売却時に原状回復する必要はなく、したがってどれだけ改造してもまったくOK(ただ、残クレをリース形式にて提供しているブランドもあり、改造に制限を設けている場合もあると思われる)。
要は、残クレと通常のローンとでは「最終回の支払い」の金額が変わるだけで、そのほかは変わらないというのがぼくの認識です。
なぜ「残クレ」(残価設定型クレジット・ローン)は嫌われるのか
じゃあなぜ残クレが嫌われるのかというと、ひとつは「残クレに対する理解不足」。
主に残クレを組んだことがない人が「残クレは総支払額が高くなる、途中で売れない、カスタムできない、走行距離などに制限がある、最終的に売却する際には追加の支払いを要求される」という都市伝説を盲信し、かつそういったメーカーやディーラーの「商業主義」に嫌悪をおぼえる場合かと思います。
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そしてもうひとつは、上で述べたような「残クレ」を理解せずに飛びつくような情弱の「姿勢」を非難する場合。
さらには「身の丈に合わない」高級車や高額なクルマを「残クレ」という武器によって手に入れ、あたかも自身がそれに見合う収入を得ているかのように見せる「見栄っ張り」に対する批判も挙げられると考えています。
加えていうならば、残クレを利用して購入されることが多い「レクサス」「アルファード」の客層が「そういった人たち」であることも非難の対象であるとも考えられ、となると「アルファード自体は悪いクルマではないが、アルファードに乗る(一部の)人々がその評判を貶めている」のと同様、「残クレ自体は悪くはなく、しかし残クレを利用する(一部の)人々が残クレを品のないものにしている」のかもしれません。
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