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ブガッティ・リマックは「完全なる自社でのコントロール」を目指しポルシェが持つ同社の株式45%の買い取りを画策?すでにオファーがなされポルシェが応じる可能性も

ブガッティ

| 現在ポルシェおよび親会社のフォルクスワーゲンは「喉から手が出るほど」現金が欲しいはずである |

この「株式買取」が実現すれば今後のブガッティの活動も大きく変わってくることに

さて、リマックが「ポルシェの持つブガッティ・リマックの株式を買い取るのでは」という報道。

これについては説明を要し、まず2021年11月にリマックがブガッティの株式を取得し新会社「ブガッティ・リマック」が誕生していますが、このブガッティ・リマックにはポルシェも出資しており、現在ポルシェが(ブガッティ・リマックのうち)45%の株式を所有しています。

このあたり詳細に関する発表がなく不透明な部分が多いものの、それまでブガッティを所有していたフォルクスワーゲングループがブガッティの株式のほとんどあるいはすべてを売却し、これをリマックとポルシェが買い取ったのだと考えられているわけですね(実際、ブガッティ・リマックはフォルクスワーゲングループとは直接の関係がなくなったので、同グループの所有するテストコースを使用できなくなったとも報じられている)。

リマックはブガッティを完全に支配下に置きたい?

そしてここでなぜポルシェが登場するのかというと、ポルシェはリマックの株式のうち24%を有する(リマックCEO、メイト・リマック氏を除く)最大株主だとされており、よってリマックがブガッティの株式を買い取る際に「一枚噛んだ」ということに。

ただ、フォルクスワーゲングループはブガッティの株式をリマックへと「そのまま売却」したわけではなく、金銭以外のトレードがあったとも報じられており、そのひとつが「ポルシェへブガッティ・リマックの株式を持たせる」という取引だったのかもしれません。

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しかしながら色々とわからないことも多く、というのもブガッティ・リマック体制下で開発された「トゥールビヨン」につき、メイト・リマックCEOは「フォルクスワーゲングループへとプレゼンテーションを行った」と述べていて、ということはブガッティ・リマックは「完全にフォルクスワーゲングループとは切れていない」ということに。

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実際のところは(ブガッティ・リマックは上場企業ではないので)詳細が公表されておらず「よくわからない」ものの、ブガッティ・リマックが「ポルシェが持つブガッティ・リマックの持つ45%の株式を買い取ることで、完全に自身でブガッティ・リマックをコントロールしたいと考えている」と報じられているところを見ると、現在の状態ではメイト・リマックCEOがブガッティ・リマックの運営状況に満足しておらず、それは「外部からの干渉が入る」からなのだとも思われます。

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そしてその干渉がポルシェによるものなのか、あるいはポルシェ経由でのフォルクスワーゲンからのものなのかはわかりかねますが、現在ポルシェ、そしてフォルクスワーゲンは「販売不振」によって現金を欲しているはずで、ポルシェがこの話に対し「部分的に」でも乗ってくる可能性がありそうですね。

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なお、すでにブガッティ・リマックはポルシェに対してオファーを出しているとされ、そしてブガッティ・リマックの企業価値は約11億ドル(現在の為替レートだと約1700億円)だと算出されているので、ポルシェとしてはその「45%」に相当する現金が入るというのは非常に魅力的な話なのかもしれません。

ただしブガッティ・リマックとしてもそれだけの現金を用意することは簡単ではないと考えてよく、実際に「第三者からの出資を募る」という話もあるもよう。

いずれにせよ、ブガッティ・リマックによる支配力が強まり、「思うように」車両の開発ができるようになれば、トゥールビヨンを超える「過激な」クルマが登場することになるのかもしれません。

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参照:Motor1

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