Image:Bugatti
| 現在「究極の技術」を持つ会社は限られている |
そしてそういった会社同士が手を取り合うことで究極のクルマが誕生する
さて、先日「メイト・リマック」「クリスチャン・フォン・ケーニグセグ」「ジョン・ヘネシー」というハイパーカーメーカーのCEOが集まりそれぞれの作ったハイパーカーを乗り比べ意見を交換するという動画が公開されていますが、そこではいくつかの興味深い事実が明かされており、「ブガッティが(トゥールビヨンに)ケーニグセグのトランスミッションを採用する可能性があった」ことについても触れています。
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「ケーニグセグ」「リマック」「ヘネシー」。ハイパーカーメーカーのCEOお互いの作ったクルマを乗り比べる。「もっと常識外れでもいい」「まるでハイパーゴーカート」【動画】
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ブガッティ・トゥールビヨンは意外なことに「コラボレーション」の集合体である
なお、ブガッティというと「究極の性能と芸術性を誇る孤高の存在」といった印象があるものの、実際には他社との協業も少なくはなく、トゥールビヨンのフロントサスペンションは米ダイバージェントとの共同開発、V16エンジンは英コスワースとの共同開発、そしてメーターはスイスの時計職人とのコラボレーションによるものです。
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新型ブガッティ「トゥールビヨン」は限定250台、その価格は6.5億円。「我々は次の世紀にも芸術品として評価されるためにあえて困難な道を選びました」。そこに採用される技術とは
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そしてくだんの動画では、メイト・リマックCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグCEOが同乗しそれぞれの作品について語り合っているのですが、この後のグループディスカッションでは「ブガッティが、トゥールビヨンにケーニグセグのトランスミッションを採用する可能性があった」ことについて言及することに。
一方のケーニグセグはエンジンやトランスミッション、はてはカーボン製ホイールまでを自社開発することで知られていて、しかし「どうしても自社開発したい」わけではなく、様々なサプライヤーとの協業を模索したものの、自社の要件に見合うものがないから自社で作ることになった、というスタンスです。
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メイト・リマックCEOは「ケーニグセグのどのトランスミッション」の使用を検討したかについて触れていないものの、おそらくはジェメラに積まれる9速ライトスピードトランスミッション(LST)、あるいはCC850で初めて登場したエンゲージ・シフト・システム(レバーを動かすだけで自動、パドルシフト自動、シミュレートされたマニュアルのトランスミッションを切り替えることができる)だと思われます。
ただし最終的にブガッティはコンベンショナルな8速デュアルクラッチを採用していて、しかしその理由については明かされず。
おそらくその理由としては「ケーニグセグのトランスミッションはV8ツインターボ用に設計されており、トゥールビヨンの自然吸気V16エンジンにはマッチしない(一般にターボエンジンはワイドレシオ、自然吸気エンジンはクロスレシオと組み合わせられることが多い)、あるいはトゥールビヨンが採用するハイブリッドシステムとマッチしなかったのかもしれません。
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「トゥールビヨンの開発を始めたとき、クリスチャン・フォン・ケーニグセグのところに行ってLSTのギアボックスを使うことを検討しました。私たちはつねに自分たちのハイパーカーに対してオープンです。私たち(リマック)はレジェーラに搭載するバッテリーを作りましたし、ケーニグセグのユニットやコンポーネントを使うことにも抵抗はありません。だから、いつかケーニグセグのギアボックスをどこかで使う可能性も否定できません。」
ブガッティ・リマック創業者 メイト・リマック
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