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賛否両論のあったポルシェのIPO(新規株式上場)。1年経過してポルシェ自身が今までを振り返り「大成功であった」とコメント

2023/10/01

ポルシェ

| ポルシェのIPOは「フォルクスワーゲン、ポルシェの観点からすると」大成功であったのは間違いない |

ただし投資家目線だと「ちょっと異なる」

約1年前、ポルシェはフランクフルト証券取引所で初の新規株式公開(IPO)を果たし、大きな話題となっていますが、これはドイツでは1996年のドイツテレコム以来の大型上場となり、ポルシェはこの上場を通じて195億ユーロを調達することに成功しています。

ただ、IPOによって調達した195億ユーロのうち、約96億ユーロがフォルクスワーゲンに回され、新規発行株式のうち40%は「カタール投資庁、T.ロウ・プライス、ノルウェーの政府系ファンド、アブダビを含む基軸投資家」の4つで占められており、25%はフォルクスワーゲンの筆頭株主であるポルシェ創業者一族、ポルシェ家とピエヒ家が取得していると報じられているので、基本的に「関係者のみが得をした」上場であると言えるかもしれません。※さらに、一般の投資家が取得したポルシェの株式には議決権がないとされる

参考までにポルシェは昨年のIPO時に9億1100万株を公開し、ティッカーシンボルは「PAG911」ですが、これらはもちろん「911」へと敬意を示したものであるのは言うまでもありません。

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ポルシェはIPOを振り返り「大成功」

そしてそこから1年後、ポルシェは世紀のIPOを振り返り「今日、われわれはIPOが大成功を収めたと言うことができます。お客様、株主、そして従業員にとっても良いことです。起業家としての自由と柔軟性が高まったことで、私たちは優先順位を決めることができます。また、より迅速に、より集中して行動することができます。ダイナミックでチャレンジングなグローバル環境では、それがこれまで以上に重要なのです」とコメント。

ミュンヘンに「巨大なポルシェ911」が登場。内外ではポルシェの過去と現在、未来を結びつける展示がなされ、911S/TやミッションXも

ただしポルシェの上場には「賛否」がある

なお、ドイツ最大の証券取引所に上場した数日後、ポルシェはフォルクスワーゲンを抜き、ヨーロッパで最も価値のある自動車メーカーとなったわけですが、これはポルシェの株価が上昇したことに加えて「フォルクスワーゲンの株価が下がった」ことも関係しており、実際のところ上場時には(フランクフルトに以前から上場していた)「ポルシェSE」の株価は(今回上場したポルシェへの乗り換えによって)10.9%下落していて、フォルクスワーゲンの株価も(やはり乗り換えで)6.9%下落しています。

つまるところ、ポルシェの株価上昇はグループ企業に投資していた人々が「より強い馬に乗り換えた」だけだとも分析されており、ポルシェSE、フォルクスワーゲンに以前から投資していて、そしてポルシェの上場時に「乗り換えなかった」人々はむしろポルシェ上場のおかげで損をしてしまったわけですね。

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一方、ポルシェは「ポルシェに投資した人々は、十分に報われた」ともコメントしていて、というのも2023年上半期、ポルシェは大幅な売上高と利益を計上することになったため。

とくにはアメリカで記録的な販売台数を記録し、2022年中にアメリカで70,000台強を販売することとなっています。

ポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏は「ポルシェのスポーツカーに対する需要は世界中で旺盛です。私たちは、今よりももっと良い、もっとユニークな、もっと魅力的な製品を作りたいと考えています。私たちは、特に限定モデルとゾンダーヴァーシュ・プログラムの拡大に注力しています。サステイナビリティという重要なトピックも含め、私たちは将来に向けて非常に有利な立場にあると信じています」と述べています。

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さらにポルシェは、多くの個人株主がポルシェに投資してくれたことを心強く思っていると語り、ポルシェの副会長であるルッツ・メシュケ氏によれば「ポルシェを所有していなくても、株主としてポルシェファミリーの一員になることができる方はたくさんいます。株式を公開することで、ポルシェをより具体的なものにすることができました」。

ただし今後の懸念がないわけではなく、ポルシェは「ここ数ヶ月、世界経済の様々な要因によって金融市場は大きな圧力を受けており、これがポルシェの株価に影響を与えている」事実にも言及しており、しかし"世界経済と供給状況が著しく悪化しなければ"、ポルシェは健全な状態を維持できる、とも。

加えて今会計年度の予想では、売上高を4,210万~4,420万ドルと想定した場合、2023年度末の売上高利益率は17%~19%となる見込みであることも公表されています。

ポルシェは上場後、ブランドの将来の成長を確保するため、ソフトウェア主導のパートナーシップを構築しており、こういった行動についてルッツ・メシュケ氏は「このような将来を見据えた取り組みは、今後も魅力的な製品と比類ないポルシェ体験によって、お客様の期待を超える存在であり続けるための重要な要素です」と述べています。

このほかにもポルシェは様々な方面へと投資を行っていますが、これは「今後、自動車ビジネスのみでは会社が成り立たない時代がやってくるから」という想定に基づいたものであることも(以前に)発表されており、今後のポルシェにおいては「脱自動車メーカー化」が加速することになるのかもしれませんね。

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