
| クラシックカーが「投機商品」としての性質を持つ以上、相場が「崩壊」することはないであろう |
ただし直近の「経済の先行き不透明感」を考慮するとここから急騰することも考えにくい
さて、コロナ禍に突入した際に見られた自動車業界のトレンドが「クラシック、ネオクラシックカー相場の高騰」「アナログスポーツカーへの回帰」。
前者はフェラーリやメルセデス・ベンツなどクラシックモデルにおける落札価格の度重なる更新、そしてポルシェ・カレラGTやブガッティBE110の記録更新に代表されるかと思います。
そして後者はケータハムやドンカーブートの人気化、そしてMTへの会期にて説明を行うことができるかもしれません。
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現在、クラシックカー相場「狂乱」の反動も
そして現在見られる傾向が「クラシックカー相場の下落」。
そもそもクラシックカー相場が上昇した理由としては、「パンデミック中、人々は旅行や外食に使えなかった可処分所得を、ロレックスなどの高級腕時計やクラシックカーといった”夢のアイテム”へと注ぎ込んだ」ことに端緒があるとされ、これによって相場が上昇したことが「投機的な人気をあおり」継続的な価格上昇につながったのだと分析されています。
そして現在はその狂乱が「落ち着いた」とされるのですが、その動きを端的に表している一台が「世界に8台しか存在しない」フェラーリ250 GT LWB カリフォルニア スパイダー(1959年製)。
2007年にはこのうちの1台が495万ドルにて(RMサザビーズにて)落札されていますが、その後2017年はフルレストアされたこの個体が1799万ドルで落札され、コロナ禍には取引がなされなかったものの、2024年にオークションへと出品された際の落札価格は2017年の47%ダウンとなる946万5000ドル。
なお、直近だと「車両保険の評価額を超えて」売却されたクルマの割合は38.9%だとされ、こういった傾向はフェラーリ250 GT LWB カリフォルニア スパイダーのような「超」高価格帯のクラシックカーだけではなく、25万ドル以下の価格帯でも同様だといい、つまりは「全般的に」その相場が落ち着いてきていると考えることも可能です。
この状況が「クラシックカー相場の崩壊」なのか「相場がコロナ前に戻っただけ」なのかは判断が難しく、しかし「パンデミック中に異常な高騰を見せたクラシックカー相場が”常識的”なレベルに戻ってきている」のは間違いなく、投資目的で高値掴みしたオーナーにとっては痛手ではあるものの、長年欲しかった夢のクルマを手に入れるには今がチャンスかもしれません。
とはいえ、世界的な政治・経済の不安定さが続く中、価格が再び急騰する可能性は低いとの見方が一般的で、このまま市場は「健全なレベルで」推移するのだと思われます。
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