
| 一時は「電動化の波に乗り遅れた」として批判されたトヨタだが |
一転して攻勢を開始、2027年までに北米で7台の新型EVを展開予定
トヨタとレクサスが今後2年間で7台の新型EVを北米市場に投入する計画を発表。
これには日本や欧州からの輸入モデルに加え、アメリカ現地生産の電動SUVも含まれるとのことで、この動きは、同社が現在得意とするハイブリッド戦略をベースに、電気自動車市場においても確実な足場を築こうとするものです。
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北米投入予定のEVにはこんなモデルがある
そこで今回アナウンスされた「北米市場に投入されるレクサスとトヨタのEV」は以下の通り。※いくつかのモデルは発表済み
トヨタ(Toyota)ブランド:
- フェイスリフト版 bZ4X → 新名称「bZ」
- オフロード志向の bZ ウッドランド(Woodland)※ほかモデルのアウトドアグレードにも「ウッドランド」という名称を使用しており、今後トヨタはこの「ウッドランド」をひとつのサブブランとするのかも
- 電動版 C-HR
- 3列シートSUV(米国生産)
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Image:TOYOTA
レクサス(Lexus)ブランド:
- 電動クロスオーバー RZ(フェイスリフト版)
- 新型ESセダンのEV仕様
- 3列シートの大型電動SUV(米国生産)
これらのモデルは2027年までに段階的に市場へと投入される予定で、セダン、クロスオーバー、SUVといった幅広いラインアップを形成します。
米国工場でEV生産、そして“輸出”も視野に
このうち注目すべきは「アメリカ国内でEVの生産を行う」ということで、今後トヨタは同国でのEV生産を本格化することを意味しており、「トヨタ製 3列シートEV SUV」「レクサス製 3列シートEV SUV」の2モデルについてはケンタッキー州ジョージタウンとインディアナ州プリンストンの工場で2026年から生産開始予定。
これら工場では最大15万台規模の生産を想定しており、販売状況に応じてアメリカ以外のグローバル市場(カナダ、欧州各国、アジアのEV需要増加地域など)へ輸出する方針も明かされています。
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米国のEV普及ペースは遅め?それでもトヨタ/レクサスが諦めない理由
現在、米国におけるEVのシェアは8%程度と低迷していますが、トヨタは2030年までにこれが倍増すると予測。
トヨタ北米商品企画担当副社長、クーパー・エリクソン氏はこう語ります。
「今のBEV(バッテリーEV)は新規需要ではなく、既存販売のカニバリゼーション。しかし、今後は競合にシェアを奪われないためにも、この分野は避けて通れない。」
つまり、現在クルマを持っている人が買い替えを検討した際、そしてEVに買い替えようとした場合、トヨタがEVを持っていないとほかのブランドへとトヨタの既存顧客が流れてしまうことを懸念しているのだと思われます。
Image:TOYOTA
ノースカロライナ州にバッテリー工場も建設中
EV拡大に欠かせないバッテリー供給体制についても、トヨタは万全の体制を整えており、ノースカロライナ州にリチウムイオン電池工場を建設中で、稼働後は年間で以下のレベルを満たせるようになるといい、「(今後どうなるかはわからないものの)トランプ関税」発動下でも大きな競争力を維持できるものと思われ、あらゆる事態、あらゆる要望に対応できるようにするという姿勢を見て取れます(資本力のあるトヨタならではの対応で、ほかの自動車メーカーではちょっと真似できない)。
- ハイブリッド車:80万台分
- プラグインハイブリッド(PHEV):15万台分
- バッテリーEV(BEV):30万台分
まとめ:トヨタのEV戦略は「量産力」と「輸出力」がカギ
トヨタとレクサスは、他社がEVで先行する中で独自のアプローチを展開する方針を示しており、EVシフトは一朝一夕ではありませんが、トヨタの戦略は「堅実にして着実」。
そしていずれ、アメリカ市場を超えてグローバルEV戦争の主導権を握る可能性も秘めています。
- 無理にEVへと全振りせず、ハイブリッドとPHEVも並行活用
- 生産数は堅実に設定し、確実に売れる体制を整備
- 米国生産→海外輸出による需要最適化
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