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中国版レクサス?ロータス / ボルボの親会社、吉利汽車が超高級電動ブランド「ギャラクシー(銀河)」を立ち上げ。自社で衛星を打ち上げカーナビ精度は「2.5センチ」

中国版レクサス?ロータス / ボルボの親会社、吉利汽車が超高級電動ブランド「ギャラクシー(銀河)」を立ち上げ。自社で衛星を打ち上げカーナビ精度は「2.5センチ」

| 自動車メーカーであるにもかかわらず自社で衛星を打ち上げるとは |

さすがに吉利汽車はそのスケールがまったく違う

吉利汽車集団(Geely)がハイエンドエレクトリックカーの新フラッグシップブランド「ギャラクシー(Galaxy、中国語表記だと”銀河”)を正式発表。

今回の発表ではまず2つのモデルが発表され、ひとつはPHEV SUVのギャラクシーL7(下の画像での両端)、そしてもうひとつのギャラクシーライト(下の画像の中央)はピュアエレクトリック仕様となるコンセプトモデルです。

なお、吉利汽車は現在多数のブランドを有しており、現在のところボルボ、ロータス、スマート、ポールスター、Lynk & Co、Zeekr、そしてもちろんメインのGeely、そのほかにはロンドンタクシーや空飛ぶクルマの開発や製造を行う会社などが傘下に収まります。

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ギャラクシーは2年で7モデルを発表

吉利汽車は今後2年以内に7台の新型車を導入する予定だといい、そのうち4台は長距離走行が可能なPHEV、残りの3台は純電気自動車となる予定。

ギャラクシーL7とL6(セダン)は今年の第2四半期と第3四半期に出荷を開始するともアナウンスされており、E8は最初のオールエレクトリックモデルでとなり2023年の第4四半期に出荷を開始するという計画が開示されています。※中国は本当にアルファベットと数字との組み合わせが好きである。国によっては携帯電話の商標と競合しそうだ

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つまりは相当に速いペースで展開を行うということになりますが、Geelyの創業者である李書福氏は個人のお金でメルセデス・ベンツの株式の9%ほどを買い集めて筆頭株主となっており、つまりは「とんでもなく資金力がある」経営者(もちろん会社自体もリッチである)。

そしてその資金にモノを言わせて有力ブランドを傘下に収め、「ありとあらゆる需要」を取り込もうとしているのが現在の状況ですが、ボルボ、ポールスター、ロータスの展開を見てもわかるとおり、テーマの一つは「エレクトリック」そして「高いデザイン性」。

さらには各ブランドのヘリテージを理解しつつ適切に未来に向けた舵取りができているようにも思われ、かなり優れた経営を行っているという印象を持っています(Geelyは買収したブランドに資金援助を行うのみで経営について指示を与えていないというが、製造や開発が中国に集中しつつあること、そして上層部が中国人に置き換えられていることから、それなりに関与しているものと思われる)。

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Geely(吉利汽車)
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そしてもうひとつ、Geelyの特徴は、北京汽車や第一汽車、上海汽車などほかの中国の自動車メーカーの大手のように「日米欧の自動車メーカーとの合弁」による展開ではなく、あくまでも自社ブランド(もしくは買収したブランド)による自力拡大を目指していることで、ここは中国の自動車メーカーの中では「かなり」珍しい部類です。

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そして今回、Geelyはさらに利益の高い高級車部門へと活動領域を広げようということになりますが、Geelyはかつて2005年に高級ブランド「エムグランド(Emgrand)」を立ち上げたものの、こちらはまだ時期尚早だったのか、2014年に廃止の憂き目を見ています。

ただし現在では市場、そしてGeelyの実力ともに「機が熟した」とも考えられ、上述のような「一気に攻勢をかける」戦略に出るのかもしれませんね。

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なお、中国の自動車メーカーの傾向として、技術よりもデザインに注力する傾向があり、それは中国で自動車が普及し始めた頃、自動車の技術はすでに一定の段階にまで発展しており、技術による各メーカー間の差を出しにくく、よってアドバンテージを得るには「デザインのほうが有効」という時代だったからだと推測しています。

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そのため中国の自動車メーカーは多数の著名デザイナーを引き抜きデザイン力を強化しているわけですが、「デザインを最大の武器」と捉えているだけあって、エンジニアリングよりもデザインを優先する傾向にあり、つまりデザイナーの地位が非常に高く、日本の自動車メーカーのようにデザイナーがなにか提案したとしても、エンジニアサイドから「あー、それは技術的に難しいですねー」と言われるようなことがないと見え、デザイナーが考え、会社が「いい」と思うデザインであれば、それを実現するためにエンジニアを動かして新しく技術を開発するといった例も見られます。

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よってギャラクシーブランドからは、このコンセプトカーのように「4枚ガルウイング」の市販車が実際に登場するんじゃないかとも考えていますが、Geelyは非常にガルウイング(正確にはディヘドラルドア)を好むブランドであり、これを考慮しても「4枚ガルウイング」の実現があるかもしれません。

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Geely ギャラクシーにはどういった技術が使用される?

現在のところ、このギャラクシーシリーズに用いられる技術の詳細については公開されていないものの、新しいAegis(イージス)バッテリーセーフティシステムを採用することがアナウンスされており、この新システムは、衝突時の直接的な衝撃だけでなく、バッテリーパックの寿命に影響を与えるものに対しても適切に保護がなされ、熱暴走をはじめ、バッテリー寿命に悪影響を与える様々な状況を予測・防止することが可能となり、その結果、バッテリーの寿命が20%延びると言われています。

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PHEVモデルについては吉利汽車のハイブリッド専用エンジン「NordThor」を採用し、NordThor 884と呼ばれるエンジンはピーク熱効率44.26%を誇ること(一般的なガソリンエンジンの熱効率は25%に過ぎない)、NordThor 3速ハイブリッド専用トランスミッションを組み合わせることで最高の性能と燃費を両立させることができることが発表されており、このエンジンとギアボックスによって、ラージサイズSUVであるL7は0-62 mph加速7.5秒を達成することについてもコメント済み。

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そのほかギャラクシーの全モデルには、新しいギャラクシーNオペレーティングシステムが搭載される予定であり、Geelyは、チップ、オペレーティングシステム、インテリジェントクラウドコンピューティング、衛星ネットワークの設計と構築を自社で行っており、クアルコム製の車載用チップSnapdragon 8155を使用することにも言及されています。

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なお、Geelyは独自の衛星ネットワークも持っているため(スゴいな)、ナビゲーションシステムは”2.5センチ”の精度を実現するとされ、これによってカーブが近づくと自動的にサスペンションを設定するような、インテリジェントな運転機能の実現が可能となるそうですが、吉利集団としてはさらに多くの衛星を打ち上げ、合計72基の衛星によってギャラクシーシリーズをグローバルにカバーする予定なのだそう。

もちろん、ゆくゆくはボルボやロータスもこの恩恵を受けるものと思われますが、車体ほか様々な技術においてもGeely内にて共有が行われ、シナジー効果を出してゆくことになりそうですね。

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参照:Geely Auto Group

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