| 「必要に迫られて」EVを購入することが多い欧州の消費者であれば、コストパフォーマンス優先で中国産EVを選んでもおかしくはない |
ルノーやプジョー、シトロエンなど普及価格帯のクルマを扱うブランドはかなり苦戦するだろう
さて、ボルボやロータスの親会社である吉利汽車(Geely)が展開するブランド、Zeekr(ジークル/ジーカー)。
(同門のLynk&Co同様)なかなかにスタイリッシュなクルマを発売することで知られますが、今回発表されるZeekr XはZeekr 011(シューティングブレーク)、Zeekr 009(ミニバン)に続く3番めのZeekrです。
なお、発表のつい数日前にはカモフラージュを身にまとうプロトタイプが目撃されているものの、そこからわずか数日後の正式発表となっており、ここでその詳細を見てみましょう。
Zeekr Xはこんなクルマ
このZeekr Xは同ブランドのデザイン言語「クリプトン(Krypton)」を進化させたもので、北欧ヨーテボリにあるデザインスタジオにて形作られたもの。
さすがはスカンジナビアンデザインだけあってシンプルそしてモダンな雰囲気を持ち、フロントにはスプリットヘッドライト、そして短いボンネットが装備されています。
なお、このZeekr XはピュアEVということもあってAピラーを前に移動させる事が可能となっていて(エンジンを搭載すると、バルクヘッドとの位置関係によって、Aピラーをここまで前に持ってくることが難しい)、そのため広いグラスエリアとキャビン、塊感のあるフォルムを演出できているようですね。
ボディサイズは全長4,450ミリ、全幅1,836ミリ、全高1,572ミリという比較的(現代では)コンパクトな部類となり、ホイールベースは2,750ミリ。
GeelyのSEAモジュラープラットフォームをベースとしているとアナウンスされていますが、これはZeekr 001とZeekr 009、そして新しいスマート#1、そしてボルボEX30とも共有されるもの。
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フェンダーアーチ、ドアミラー、ルーフにはグロスブラックのアクセントが施され、ドアハンドルは「レス(ドアの開閉方法は不明)」、ルーフ後端は下側へ、リアバンパー下部は上に持ち上げられることで「絞り込まれた」感が演出され、これらによって生活臭が排除されているようにも感じられます。
おそらくはパワートレインを新型スマート#1と共有
テールランプはデイタイムランニングランプ同様、いくつかの分割されたエレメントにて構成されますが、ストップランプやウインカーがどのように発光するのかは不明です。
現時点では、このZeekr Xの技術的仕様やスペックについては公表されておらず、わかっているのは0-100km/hまでの加速を4秒以下でこなすことのみ。
スマート#1、スマート#1ブラバスと近い、もしくは同様のパワートレインを持つと考えてよく、となると272馬力のシングルモーター、もしくは428馬力のデュアルモーターを有することになるのかもしれません。
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Zeekr Xは中国市場にて2023年第2四半期発売されると紹介されていて、その後には電動コンパクトクロスオーバー/SUVセグメントが活況を呈している欧州市場にも投入されるそうですが、おそらくその価格は非常に競争力のあるものとなるのは間違いなく、ステランティスCEO、カルロス・タバレス氏が言うように「欧州自動車メーカーの一部EVが駆逐されてしまう」可能性が現実となるのかもしれません。
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