| モデルYは中国におけるテスラの販売における75%を占める最重要モデルである |
そしてテスラはなんとしても中国市場を落とすことはできない
さて、テスラはコードネーム「プロジェクト ハイランド」のもとで刷新されたモデル3を発表していますが、現在は2024年中央に予定されているモデルYの大幅なアップデートに向けて準備を進めている、とのこと。
なお、この新しいモデルYはまず中国つまり上海工場分から出荷されるといい、これはつまり「中国での競争が激化しており、テスラはその対応の必要性に迫られている」ということを意味します。
現在テスラはアメリカ(テキサス/カリフォルニア)、ドイツ(ベルリン)、中国(上海)にて車両を生産していますが、工場の建設や改築の時期によって導入される工作機械が異なり、それぞれの工場で生産される車両には(同じモデルであっても)比較的大きな差がある、と言われています(最大市場は中国であり、よってアップデートは中国を優先的に行うことが多い)。
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モデルYは今年はじめにアップデートが行われたばかりだが
ちなみにテスラ・モデルYは今年のはじめにもアップデートを受けたばかりではあるものの、その際には「新しいホイール」「灯火類のデザイン変更」という比較的軽微な変更に留まっています。
ただ、2024年央に導入される改良は比較的大きなものだとされ、現在すでに上海工場は「準備を行ってる段階」だとも。
上海工場では新しいモデル3生産のために大幅に工作機械類を入れ替えたところですが、今回もやはり大規模な工場設備の入れ替えがなされ、これは中国の旧正月(2月10日)前後に約1週間かけて行われると報じられています。
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参考までにモデルYは中国でのテスラの販売において75%近くを占めており、「これを失うことはできない」文字通りの生命線。
よってテスラは(虎視眈々とテスラの王座を狙う)BYDやNIO、Xpengなどに対抗する必要があるわけですが、現時点ではその変更の内容はわかっておらず、しかし新型モデル3と同様に「シャープなヘッドライトとノーズ」「インテリアのアンビエントランプ」が反映される可能性が高く、ブラインドスポットモニターや歩行者保護用のアクティブフードなどの新たな安全装備が追加され、アコースティックガラスの全面採用や防音材の追加による快適性と静粛性の向上、そして空力性能の向上による若干の航続距離の伸長があるものと思われます。
現在テスラは新型バッテリー(シリコンバッテリー)の導入に向けて動いているとも報じられていますが、これはおそらく「もうちょっと先の話」となるのかもしれませんね。
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参照:Bloomberg