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フェラーリは新型車の開発にテクノロジー業界のテストを取り入れ「より開発を効率的に進め精度を高める」。新CEOの経験がいかんなく発揮されることに

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| 意外ではあるものの、フェラーリは生産や開発、そして車両そのものについてもテクノロジー志向である |

フェラーリはある意味で「自動車メーカーを超越した存在になろうとしている

フェラーリは自動車業界の中では珍しい「自動車業界出身者ではないCEO」を持つ会社ですが、そのCEO、ベネデット・ビーニャ氏の選任は2021年にまで遡ります。

当時のフェラーリCEOはルイス・カミッレーリ氏が努めていたものの、同氏が2020年12月に突如辞任してしまったため、フェラーリは翌年から新しいCEO探しに奔走しなくてはならなくなったわけですね。

フェラーリのエンブレム
フェラーリ社長が電撃退任!あまりに急すぎて次期CEOが決まらず、フィアット創業者一族が暫定CEOに

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フェラーリの新CEO選任に関しては色々な噂があったが

そしてフェラーリの次期CEO選任に関しては様々なウワサが飛び交い、元アップルのジョナサン・アイブ氏が務めるという話が出てきたり(実際のところ、この後にフェラーリとジョナサン・アイブ氏とは提携を発表している)・・・。

今日のフェラーリ・ポルトフィーノ。はじめての洗車、そして「ダクト」「エアカーテン」など洗車時に気になったところを述べてみる
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グッチの重役や前ヴァレンティノCEOが務めるというウワサも。

フェラーリ・ローマ
え?グッチ重役がフェラーリのCEOに?前CEOが電撃辞任、現在後継者選定中のフェラーリはラグジュアリーブランドへの道を突き進む

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参考までに、現在のフェラーリの取締役会にはシャネルやサンローランの重役(兼任)が顔を揃えており、かつフェラーリの顧客管理の方法はルイ・ヴィトンなどのハイブランドが採用する手法と非常によく似ているため、フェラーリの新CEOがこういったハイブランド出身者となったとしても特段の驚きはなかったかもしれません。

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フェラーリ
フェラーリの取締役名簿を見て驚いた・・・。サンローラン、グッチ、シャネルなどハイブランド業界、アップルといったテック業界の大物で占められる

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結果的に新CEOはエレクトロニクス業界から

ただ、紆余曲折を経て最終的に決定したのが現CEO、ベネデット・ビーニャ氏であり、同氏はエレクトロニクス(テクノロジー)業界の出身という、自動車業界のCEOとしては異例のバックボーンを持っています。

フェラーリCEOがビーニャ氏に決定
これまで空席だった「フェラーリCEO」がベネデット・ビーニャに決定!アップルのデザイナーでもグッチCEOでもなくエレクトロニクス業界から

| ついに自動車とは全く関係のない人物が自動車メーカーのCEOを務める時代に | フェラーリがもっとも重視するのはつまり「エレクトロニクス」ということに さて、フェラーリの前CEO、ルイス・カミッレー ...

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そしてフェラーリが同氏に白羽の矢を立てた理由につき詳しくは明かされていないものの、フェラーリがこれから電動化を強く推進すること、自動車におけるエレクトロニクスがますます重要になるであろうこと、設計や生産においてテクノロジー業界の技術が生きてくるであろうことなど様々な思惑があると目されています。

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フェラーリ
フェラーリはなぜ新CEOを自動車業界ではなく電子業界から抜擢したのか?新CEOが「テスラは自動車業界を揺るがし、プロセスや決定を加速させた」と発言、自身の存在意義を語る

| ベネデット・ビーニャCEO「テスラが誕生する以前の自動車業界では、ものごとの進む速度が遅すぎた」 | 加えて「テスラが自動車業界の目を覚まさせたのだ」とも さて、新CEO、ベネデット・ビーニャ氏を ...

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そして今回報じられているのが、フェラーリ初のピュアエレクトリックハイパーカーの開発において、実際にテクノロジー業界の技術が採用されているという事実で、具体的には「ハードウェア イン ザ ループ」という検証手法が用いられているのだそう。

このアプローチは、ベネデット・ビーニャCEOにとって前職(マイクロチップ メーカー であるSTマイクロエレクトロニクス社)時代から馴染みのあるものだとされ、「バーチャル環境にて、可能な限りさまざまな条件下での製品の動作をシミュレートすることができる」というもの。

この技術は通常、スマートフォンやコンピュータに適用されることが多いとのことですが、徐々に様々な業界へと活用の場が広がっており、ピレリも新型タイヤの開発には同様の技術を駆使しているというアナウンスを行っていますね。

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ピレリが最新パフォーマンスタイヤ「Pゼロ トロフェオRS」正式発表。開発にバーチャルモデリングを導入、より車種ごとにマッチしたパフォーマンスを発揮できるように
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そしてベネデット・ビーニャCEOは「自動車業界にてそれを使い始めている企業もありますますし、私たちもそうしています。 これにより、電子システムのデバッグ段階を加速することができるのです。準備を整えるのに時間がかかりましたが、(この技術のおかげで)開発の後半段階で通常発生するいくつかの問題をすでに解決することが可能となりました」とコメントしており、あわせてフェラーリ初のEVの開発が(車両開発とインフラ開発の両方の点で)予定通りに順調に進んでいること、自社でバッテリーパックとエレクトリックモーター、そしてEVやハイブリッドカーを製造するための新しい「e-building」の稼働準備が整いつつあることにも言及していて、フェラーリとしてはまず「ハイブランドのマーケティング手法よりも、先にテクノロジー業界の開発手法を取り入れたく」ベネデット・ビーニャ氏を招き入れたということになりそうです。

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参照:Reuters

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