これまで空席だった「フェラーリCEO」がベネデット・ビーニャに決定！アップルのデザイナーでもグッチCEOでもなくエレクトロニクス業界から

｜　ついに自動車とは全く関係のない人物が自動車メーカーのCEOを務める時代に　｜

フェラーリがもっとも重視するのはつまり「エレクトロニクス」ということに

さて、フェラーリの前CEO、ルイス・カミッレーリ氏が2020年12月に突如退任し、その後ずっと空席であったフェラーリCEOの座。

暫定的にフェラーリ会長、ジョン・エルカーン氏が暫定CEOを兼任していたものの、今回ついに新CEOが「ベネデット・ヴィーニャ氏に決まった」との報道がなされています。

次期CEOは”ブランディング””デザイン重視”というウワサもあったが

なお、フェラーリCEOが空席であった間には（次期CEO候補として）様々なウワサが流れており、中には初代iMacのデザイナーであるジョナサン・アイブ氏の名も挙がっています。

そのほか、グッチCEOがフェラーリに移籍するのではという噂も出ていますが、これは今後のフェラーリについて「デザイン」そして「ブランディング」を重視するのではという予測に基づいたものだったのでしょうね。

たしかにこれも「一理ある」話であり、今後時代が「エレクトリック化」へと向かい、ガソリンエンジン時代と同じようにフェラーリの個性を発揮することが難しい時代へと移ってしまい、そこでいかに競争力を発揮するか、そしてそれはデザインやブランディングによってなされるべきであろうと考えるのは想像に難くないところ。

ベネデット・ヴィーニャ氏はエレクトロニクス業界出身

ただ、そういった周囲のウワサをよそにフェラーリが選んだのは「エレクトロニクス業界」出身のベネデッド・ヴィーニャ氏。

もちろん、実際にフェラーリがジョナサン・アイブ氏、グッチCEOであるマルコ・ビッザリーニ氏とコンタクトを取っていた可能性もあるものの、結果的にはテクノロジーを優先したということになりますね。

ベネディッド・ヴィーニャ氏は過去26年間、STマイクロエレクトロニクス社に在籍しており、最近ではSTマイクロエレクトロニクス社で最大かつ最も収益性の高い部門であるアナログMEMS（Micro-electromechanical Systems）センサーズグループの社長を務めた人物。

フェラーリは今回の選定において、「これからの自動車業界の変化において重要な役割を果たす技術に理解を持つ人物の獲得はフェラーリをさらに強化する」ともコメントしており、つまりは同氏の持つエレクトロニクス分野でのリーダーシップを期待しているということになりそうです。

この「エレクトロニクス」については、もちろんハイブリッド、バッテリーEV、コネクティビティ、インフォテイメントシステム、自動運転など様々な分野に関連してくることになるかと思われるものの、フェラーリは2022年には新車販売の60％を電動車にすると発表しており、今回の人選は「妥当」な線かもしれません。

なお、ベネデッド・ビーニャ氏のCEO就任については9月1日から、とアナウンスされています。