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フェラーリ初のEVの価格は「少なくとも8500万円」との報道。世界中でその価格の高さが指摘されるもボクにとっては「意外と安く設定するんだな」という印象

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| フェラーリはこのエレクトリックハイパーカーの生産を絞るはずで、となるとフェラーリはもっと価格を引き上げてもいいはずである |

フェラーリは絶対に「バーゲン」を行わない

さて、フェラーリの内部関係者がロイター通信に語ったところによると、「フェラーリの新しいEVの価格は少なくとも50万ユーロ」。

この50万ユーロというのは現在の為替レートだと約8500万円に相当し、そしてここにオプション等を追加してゆくと乗り出し価格は1億円を超える可能性が出てきます。

ただ、日本だとEVの場合では「環境性能割」が非課税となるので、ガソリン車(ノンハイブリッド)で同じ価格のフェラーリを購入する場合に比較すると8500万円の3%である255万円分は「お得」ということに(ただしこの価格帯のクルマを購入する人はそれを気にしないであろう)。

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なぜフェラーリ「初」のEVは高額になるのか

ちなみにこの価格についてはワールドワイドで「高い」と指摘されていますが、ぼくとしては「(これが本当であれば)思ったよりも安かったな」とも考えており、というのも並み居るエレクトリックハイパーカーの価格が「数億円」であり、そしてフェラーリははじめてのエレクトリックハイパーカーに対して「ガソリン車を上回るパフォーマンス」を与えるだろうと予想していて、つまりフェラーリのEVはガソリン車の代替ではなく、ガソリン車には踏み込めない領域に達する新時代のスーパースポーツとして提案されるだろうと考えていたため。※さらに、このEVのターゲットは「すぐに動かせるお金を100万ドル以上持っている富裕層」だとも語られている

そしてもちろん、この新型エレクトリックハイパーカーはそのパフォーマンスにふさわしい値付けがなされるべきであり、ガソリン車以上のパフォーマンスを持つのであれば、ガソリン車以上の値付けが行われて然るべきであるとも捉えています。

なお、報道によれば、この新型エレクトリックハイパーカーが「50万ユーロ」となる理由は大きく分けて2つあり、ひとつは「排他性を維持するため」。

そしてもうひとつは「フェラーリにとって初めてのEVなので開発コストが嵩み、かつパーツも専用に設計・製造されるものが大半であるために車両コストそのものも高い」から。

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後者はどこの自動車メーカーでも同じ理由だと思われますが、前者はフェラーリならではのものであり、つまりは「生産量を絞る」「一般向けに大量に販売しないことで高価格帯に設定する(限られた富裕層のみが購入できる)」。

この手法はプロサングエにおいても見て取ることができ、たとえばポルシェ、アストンマーティン、ランボルギーニ、ロータスはSUVラインアップを広く販売することで資金を獲得しているものの(より一般性の高いSUVを大量に販売することで利益を伸ばし、そこで得た資金を持ってスポーツカーを開発する)、フェラーリはプロサングエにつき同様の手法を採用せず、V12エンジンを搭載して特別な、そして非常に高価な、さらには生産台数が限定されたクルマとして発売し、そして購入対象をフェラーリの重要顧客のみに絞っています。

つまりは「より少ない顧客を対象に、より多くの利益を得る方法」を常に考えているのがフェラーリであり、「不特定多数の人々に車両を販売する」という考えは(創業当初から)存在しないのだということですね(ただし、台数が制限されることによってその価値が上がるので、いかに高価であってもフェラーリを購入するメリットは存在する)。

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フェラーリは生産台数拡大に慎重である

なお、フェラーリは自社工場を拡大し「E-ビルディング」なる新しい設備を建設していますが、ここではバッテリーパックやエレクトリックモーターの生産、EVの生産を行うとされ、既存設備とあわせると年間2万台までの生産能力があると言われます。

参考までにフェラーリの2023年における生産台数は13,663台ですが、フェラーリは「2万台を生産できる能力があるからといって」これをすぐに拡大する計画を持っておらず、「徐々に」生産台数を引き上げるという意向を示しています。※中期計画で示された数字から逆算すると年間7%くらいの増加率

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これもやはり「排他性(独占性)を維持する」という戦略の一つであり、欲しい人全てに車両が行き渡るとその価値が下がってしまうので、「欲しい人が列を作る」状態を維持するための行動だと捉えることが可能です。

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そしてフェラーリが生産台数を増加させる場合、それは「1モデルあたりの生産数を増やす」のではなく「バリエーションを増やす」ことで対応しており、バリエーションの増加とともに総生産台数が増えてゆくことになるわけですね。

フェラーリ(テーラーメイド)
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実際のところ、近年だと「クーペ」「オープン」双方のラインアップによってバリエーションを拡大しており(V12フロントエンジン、そしてV8フロントエンジンモデルでは両方が選べるようになった)、さらにはプロサングエの追加によって生産台数が引き上げられ、そして今回報じられるエレクトリックハイパーカーによってさらに年間生産台数が拡大するものと考えられます(ただし実際に数字に寄与するのは2026年以降になるだろう)。

ちなみにフェラーリはモデルあたりの生涯生産台数を厳密に定めているとも報じられ、しかしその台数についてはけして(一部限定モデル以外は)対外的に公表されることはないもよう。

ただし近年の「モデルラインアップと年間生産台数」との関係性を見ると、むしろ1モデルあたりの生産台数は下がっているんじゃないかという印象もあり、フェラーリがこの数年「多くのモデルを追加してきた」理由は1モデルあたりの生産台数を下げることにもあったのでは、と考えたりします。

参考までに、このエレクトリックハイパーカーにつき、メディオバンカのアナリスト、アンドレア バローニ氏によれば「ニッチな製品であり、総生産台数の10%強」。※これはプロサングエの「20%」の半分の数字である

そしてもうひとつ参考までに、フェラーリはすでに「第二のEV」の開発の初期段階にあるとも報じられ、これについてはハイパーカーではなくプロサングエのような「実用的な」ボディ形状を持つと見られており、これはこれで非常に高い需要を獲得することになりそうです。

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参照:Reuters

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