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フェラーリが「テスタロッサ」を復活させる?新たな「849 Testarossa」商標をアイスランドで出願、その真意とは?

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| この数年、フェラーリは「テスタロッサ」の商標に関し新しい動きを見せているが |

ただしフェラーリが市販車向けとして「過去の名称」を復活させるとは考えにくい

長きにわたりフェラーリの象徴であった「テスタロッサ」。

少し前には「8年にも及ぶ法廷闘争の末、フェラーリが「テスタロッサ」の商標を巡る争いに勝利し、その名がマラネロの本社に正式に戻ってきた」と報じられ、今後少なくとも(商標が有効な)10年間はこの伝説の名称を使用する事が可能です。

そして今回新しく報じられているのが「849 Testarossa」という新たな商標出願がなされたということで、「これは一体何なのか」と様々な憶測を呼んでいるわけですね。

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フェラーリ、なぜ「アイスランド」で出願?

今回確認された「849 Testarossa」の商標出願(出願番号V0139247)は、2025年7月21日付でアイスランド知的財産庁に提出されたもので、上述の「Testarossa」(登録番号910752、WIPOで登録)は2026年10月まで有効ではあるものの、今回の出願はそれとは異なるルートで行われた「別の出願」。

アイスランドはヨーロッパに属しながらも地理的・法的に複雑な立場にあるため、世界知的所有権機関(WIPO)での登録が全地域をカバーできるとは限らず、つまり、フェラーリは法的リスクを避けるために、この“抜け道”を塞いだのということになるのですが、気になるのはなぜ「849」という3桁の数字が冠されているのかということです。

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「849」という数字の意味とは?

この気になる「849」という数字の意味ですが、ただの形式上の命名かと思いきや、これは今後登場する可能性がある新型モデルへのさりげない伏線であるとも見られており、現行モデルであっても「12Cilindri(12チリンドリ)」「296GTB」のように、数字を使った車名はフェラーリではおなじみ(その意味合いはモデルによって異なる)。

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となれば、「849 Testarossa」は新たな限定モデル、あるいは849馬力を誇るスペシャルエディションの予告とも取れるのではないか、と話題になっていて、たとえば以下のような展開も考えられる、と見られています。

  • 296 GTBをベースにハイブリッドV6を849馬力にチューン
  • サイドストレーキを復活させたネオ・テスタロッサ
  • 12Cilindriをベースに「Testarossa」スタイルを融合した特別仕様車

テスタロッサの過去と商標争い

この「テスタロッサ」の商標についておさらいしておくと、実はフェラーリは、2017年にドイツの玩具メーカー「Autec AC」により「テスタロッサ」の商標を奪われてしまい(ただし合法)、その理由は「5年以上使用されていない」というもので、EU知的財産庁(EUIPO)はこの訴えを認めてしまっていたたわけですね(使っていない商標につき、第三者がそれを指摘することで、その第三者がその商標を取得できる場合がある)。

つまりAutecは、自社製品に「Testarossa」の名前を無償で使える状態になってしまっていたのですが、フェラーリは2023年に訴訟を起こし、ようやく2025年7月には勝訴することで商標を奪還することに。

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この事件を教訓に、今後は確実に商標を保護する姿勢を強化しているというのが現在の状況で、よって「車両に使用することはなくとも、他社がその名を使用してフェラーリのブランド価値を毀損しないよう」予防的な意味合いをもって商標を取得しているのだとも考えられ、つまりは「実際に市販車には使用されない」可能性も。

ただ、「849」という具体的な数字が含まれることから、今回の商標は「実際に使用することを目的としたものではないか」と見られています。

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今後の展望:新型テスタロッサは登場するのか?

「Testarossa」の名前は、過去にフェラーリが復活させた名車群(599”GTO”、”デイトナ”SP3など)の一部として再登場する可能性もあり、「849」という数字がその伏線であるならば、ぼくらが再び“跳ね馬の赤い頭(Testa Rossa)”を見る日が近いのかもしれません。

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参照:CARBUZZ

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