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ホンダ上層部「いずれタイプRも電動化されるでしょう。ただしその条件は唯一つ、ドライビング・プレジャーという重要な要件において現行モデルを超えることです」

ホンダ上層部「いずれタイプRも電動化されるでしょう。ただしその条件は唯一つ、ドライビング・プレジャーという重要な要件において現行モデルを超えることです」

| ホンダは時代の変化にあわせて様々なタイプRの可能性を追求しており、内燃機関にこだわっているわけではない |

ホンダは「電動化時代には、電動化時代なりの楽しみ方がある」と考えている

さて、先日「創立75周年の折には、なんらかの特別な、もしかすると世界が震撼するような発表があるかもしれない」と報じられたホンダですが、その際に語られたのが「タイプRの電動化」。

これはホンダのテクニカルアドバイザーがカーメディアに対して語ったもので、「電気自動車(EV)時代においても、ホンダのパフォーマンス・バッジであるタイプRが、ドライビング・プレジャーという重要な要件を満たすことができれば生き続けることが可能である」という内容です。

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ただし電動化されたタイプRが登場する条件は「ただひとつ」

ただ、この電動化あるいはピュアエレクトリックバージョンのタイプR登場するには「絶対条件」が存在し、それは「現行シビック・タイプRと同じか、あるいは適切なレベルのドライビングプレジャーを提供できなければならない」。

加えて「タイプRは、走る歓び、操る歓びを最大化するクルマです。その歓びを電気自動車で実現できるのであれば、そのクルマはタイプRと呼んでもいいでしょう」とも。

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なお、ここで重要なのは、タイプRのDNAについて、あくまでも”走る歓び、操る歓び”にフォーカスしていることであり、”タイム”を絶対条件として掲げていないこと。

つまり、電動化されたタイプRは、ニュルブルクリンクで7分44秒881という前輪駆動(FF)車として最速のラップタイムを記録したFL5の数字を超える必要はなく、あくまでも一定の基準での「楽しさ」を満たしていなければならないということですね。

つまりは「楽しささえ実現できれば、パワートレーンに固執しない」ということなのだと思われ、これは「より優れたパフォーマンスを実現できるのであれば内燃機関を搭載する必要はない」として、最新の技術そしてもちろんエレクトリックパワートレーンを採用した「ミッションX」を発表したポルシェとも通じる考え方なのかもしれません(一方、いくつかの自動車メーカー、スポーツカーメーカーでは内燃機関を必須条件として捉えている場合もある)。

現時点だと、未来のハイパフォーマンスカーに関し、「内燃機関を再現する」という考え方、そして「電動化時代には、EVにしかできないことを追求すべきである」と考える2つの考え方が存在し、それぞれのメーカーがそれぞれの信じる道を進んでいるように思います。

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「タイプRはずっと続いてゆくと思います」

さらにホンダのテクニカルアドバイザーは「タイプRはずっと続いてゆくと思います。いつか完全な電動化社会が到来したとしても、タイプRは存在し続けるでしょう」とも。

なお、「電動化されたタイプR」については過去に何度かホンダ上層部からも言及がなされたことがあり、2022年にはホンダの執行役員が「電気自動車版のホンダ・タイプRには固体電池を採用する予定」だと語り、三部敏宏社長も「電動化されたシビック・タイプRにはソリッドステート・バッテリーが最適だ」と述べたことも。

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現在ソリッドステートバッテリーの実用化に際し、もっとも進んでいるのはトヨタ、そして次は日産とBMWだと言われますが、ホンダがどのくらいのポジションにあるのかはちょっと不明。

ただ、バッテリーについては自社開発せずとも「開発済みのものを買ってくることもできる」ので、タイプRにおける問題はバッテリーよりもそのパッケージング、さらにはいかに楽しさを感じさせるかということなのかもしれません。

ちなみにですが、ホンダは「EVにおける楽しさ」について言及したことがあり、それはトヨタやヒョンデのような「フェイクMT」ではなく、もっと本質的なものであるべきだ、とも。

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参考までに、ホンダは合成燃料への取り組みを発表している数少ない日本の自動車メーカーのひとつでもあり、実際に「我々が電子燃料への関心を明確に表明しているように、ある程度の期間、燃焼式エンジンが存続する望みは残っています」とも。

現在の流れを見るに、次世代タイプRが即座に電動化されることはないとも推測しており、「あと一世代は」内燃機関を積んだタイプRが存続するのでは、とも考えています。

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参照:Autocar

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