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ポルシェが新型ハイパーカーコンセプト「ミッションX」正式発表!「ポルシェは常に変化し続けることで、ポルシェであり続けているのです」

ポルシェが新型ハイパーカーコンセプト「ミッションX」正式発表!「ポルシェは常に変化し続けることで、ポルシェであり続けているのです」

| ポルシェは「ハイパーカーとは、速いだけではなく時代を変革するものでなくてはならない」という信念を持っている |

発売そのもの、発売時期は不明だが、フェラーリの「新型ピュアエレクトリックハイパーカー」と真っ向からぶつかる可能性も

さて、ポルシェが発表を予告していた「新型スポーツカー」、ミッションX(Mission X)がついに公開。

これは1948年6月8日、356「No.1」ロードスターがポルシェの名を冠した最初の自動車として一般営業許可を取得し、ポルシェがスポーツカーブランドとして歩みを始めてからの75周年を記念するコンセプトカーであり、しかしポルシェが発行したプレスリリースを見るに、(コンセプトカーにとどまらず)強く市販を意識していることもわかります。

ポルシェによれば、このミッションXは「ハイパーカーを壮大に再解釈したもの」だとされ、市販された暁には下記の要件を満たすことになる、ともコメントしています。

ポルシェ・ミッションXの市販バージョンが実現すればこうなる

  • 公道走行が可能なクルマにおいて、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ最速である
  • 1kgあたり約1PSのパワーウエイトレシオを実現
  • 現行911 GT3 RSをはるかに上回るダウンフォース値を実現
  • 900ボルトのシステムアーキテクチャにより充電性能が大幅に向上し、現在のポルシェのトップランナーであるタイカン・ターボSと比較して約2倍の速さで充電することが可能
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ポルシェ・ミッションXはこんなハイパーカー

デザイン面で言えば、ポルシェ・ミッションXは「未来」を強く意識させるというもので、少し前に報じられた「ポルシェの新型ハイパーカーは、917を意識したレトロなデザインになる」という路線からなんらかの変更があったもよう。

ただ、このミッションXに採用されるディティールはポルシェの過去のレーシングカーを強く意識しており、最大の特徴はこのディヘドラルドア(ポルシェは”ル・マン スタイル”と呼称している)。

これはポルシェで最も成功したレーシングカーのひとつ、917シリーズに採用されていた構造です。

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ヘッドライトは現代のポルシェを象徴する「クワッド」LEDですが、この縦長シェイプは906や908からインスピレーションを得たもので、デイタイムランニングライト、ウインカー、ヘッドライトを内蔵しており、ひとたび電源が入ると、このデイタイムランニングライトは「目を開くように」中心から上の方へ光が伸びてゆくというアニメーションを見せます(同時にリリースされた公式動画で確認できる)。

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ドーム状のルーフもやはりポルシェの過去のレーシングカーにインスパイアされたデザインで、一方テールランプは非常に未来的なデザインを持ち(3Dプリンタで作られたのかもしれない)、これも近年のポルシェの特徴であるバー状のフルレングス、そして新しいのは「フローティングマウント」であること。

構造としては(1本ではなく)4分割となり、充電中には「E」の文字が点滅する、と紹介されています。

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このミッションXのボディサイズは全長4,500ミリ、全幅2,000ミリ、全高1,200ミリ以下、そしてホイールベースは2,730ミリ。

ハイパーカーとしてはコンパクトなサイズを持っており、これはポルシェ創業者であるフェルディナント・ポルシェの(小型で高効率なスポーツカーを好むという)思想をそのまま反映したのかもしれません。

ホイールはフロント20インチ、リア21インチというミックスサイズを採用していて、ポルシェはこれについて「エアロダイナミクス上の観点から」のチョイスだとしており、リアホイールには半透明のカバーが装着され、これはブレーキの冷却性能を高めるためのものである、とアナウンスされています。

ポルシェ「ハイパーカーは、必ずしも攻撃的に見える必要はないのです」

今回、このミッションXが公開されるに際し、オリバー・ブルーメ(ポルシェAG取締役会会長)、ミヒャエル・マウアー(スタイルポルシェ責任者)両氏からもコメントが出されており、オリバー・ブルーメ氏からのコメントは以下の通り。

ミッションXは、クラシックなポルシェとしてのブランドエレメントを再解釈したもので、パフォーマンスとモダンラグジュアリーの最高峰を表現しています。同時に、その彫刻のようなフォルムと筋肉質なラインは、ハイパーカーが攻撃的に見える必要はないことを証明しています。全高1.2メートルに満たない低く構えたボディワークは、このコンセプトカーのために特別にデザインされたエレガントな塗装色であるロケットメタリックで仕上げられています。ベルトラインの下には、カーボン織物で仕上げられたデザインエレメントが配され、これらのパーツはサテン仕上げのため、わずかに色が付いていますが、その素材構造(カーボンファイバーであること)は一目瞭然です。

ポルシェ ミッションXは、未来のスポーツカーのためのテクノロジービーコンです。959、カレラGT、918スパイダーと同様に、ミッションXは未来の車両コンセプトを進化させるための重要な原動力となります。夢への挑戦と夢のあるクルマは、私たちにとって同じコインの裏表のようなものであり、 ポルシェは常に変化し続けることで、ポルシェであり続けているのです。"

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なお、オリバー・ブルーメ氏は過去にポルシェのハイパーカーについて「パワフルで速いだけでは不十分であり、いかにその性能で他を圧倒できたとしても、使用される技術が未来に繋がらないのでは意味がない」と述べたことも。

よって、ポルシェのハイパーカーが登場するならば、そこの使用される技術は「ポルシェの未来を形作るものであり、未来のポルシェのロードカーにも反映されるものでなくてはならない」とし、同じ理由によって「ガソリンエンジン搭載のハイパーカー計画」がボツになったとも報じられていますね。※そして、いかにテクノロジーが新しくとも世界を震撼させるほどの性能を持たねば意味はなく、「ぶっちぎりの世界トップレベルの性能を、これまでにない技術を持って実現する存在」がポルシェのハイパーカーでると考えることができる

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一方、ミヒャエル・マウアー氏からのコメントは以下の通り。

ミッションXは、ブランドの核となる部分への明確なコミットメントです。ブランドとプロダクトのアイデンティティを継続的かつ強化的に表現することは、私たちが量産モデルの開発を進める上で重要な羅針盤となります。このコンセプトスタディは、紛れもないモータースポーツのDNAとラグジュアリーな全体的な印象の共生を象徴しています。

ポルシェ・ミッションXのインテリアはこうなっている

そしてこちらはポルシェ・ミッションXのインテリア。

シートカラーが左右非対称なのは「ドライバーをより重視」しているからだといい、運転席に用いられるカラーはカラハリグレー、その他はアンダルシアブラウン。

その構造材のほとんどはカーボンファイバーであり、CFRP製のシートシェルとモノコックに組み込まれた6点式シートベルト、そしてモードスイッチやシフトパドルを備えたオープントップ・ステアリングホイールはモータースポーツ用車両との類似性を感じさせるところ。

ちなみに車内には複数のカメラが搭載され、ドライバーがマルチパーパスコントローラーの録画ボタン(REC)を押すと、すぐに録画が開始されるのだそう。

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なお、「マルチパーパスコントローラー」はこんな感じ。

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助手席側ダッシュボードには、インストルメントパネルに組み込まれたバヨネットシステムにストップウォッチモジュールを取り付けることができますが、これはかつてのレーシングカーのダッシュボードに「ストップウォッチをはめ込んでいた」という伝統の再解釈だと思われます。

そしてこのモジュールははレーストラック(サーキット)とラリーとの両方で使用できるように設計されており、ラップタイムやドライバーのバイタルデータなどの情報を表示することができる、とのこと。

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ミッションXのパワートレーンは「ピュアエレクトリック(ポルシェによればeパフォーマンス)」で、そのパワーの源となるバッテリーはフロアではなくシート後方に積まれており、ポルシェはこれを”e-coreレイアウト”と呼称しています。

いわゆるチェスト型ということになるかと思いますが、おそらくはピュアエレクトリックモデルへと進化する718ケイマン/ボクスターも同様の構造を採用することになるのかもしれませんね。

そしてミッションXでは、その他の重量物を「車両の中心に」集中させることにより、ミドシップ車同様に優れた俊敏性を実現させることになる、とも述べています。

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これからのハイパーカーはどんどん「ル・マン・レーサー」風に?

上述の通り、ポルシェのフラッグシップモデルは「革新的」でありポルシェの未来を牽引するものでなくてはなりませんが、これまでにもポルシェはそのフラッグシップモデルにおいて「当時最速の量産車(959)、ポルシェ初のカーボンファイバー製量産車(カレラGT)、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで7分切りを記録した初の公道走行可能な車クルマ(918スパイダー)」といったマイルストーンを達成しており、そしてポルシェがミッションXで新たに目指すのは目指すのは「持続可能性」「最高のeパフォーマンス」という2つ。

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この2つはポルシェのモータースポーツにおけるフィロソフィーとも一致しているのだと思われ、さらに今回のミッションXを見て思ったのは「ル・マン24時間レースを走るレーシングカーに近いルックスを持っている」ということ。

実際のところポルシェは今年ル・マンへと復帰することになるので「ル・マンを強く意識する」のは当然のこととは思いますが、ポルシェ以外であってもここ最近のハイパーカーは「乗用車」の域を超えてレーシングカーに近くなっており、それはメルセデスAMG One、アストンマーティン・ヴァルキリーもまた同様。

そしておそらくはフェラーリが発表するラフェラーリ後継モデルもまた「ル・マン・レーサーとの(デザインや構造上の)共通性を持つ」クルマになるものと推測でき、自動車業界全般的にハイパーカーがレーシングカー、とくに耐久レーサーに近づいているのが昨今のトレンドなのかもしれません。

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このミッションXが市販されるかどうか、そして市販されるにしてもその時期は不明ではあるものの、ポルシェからのコメントを見るに「まず市販は間違いないだろう」とも考えられ、となるとフェラーリが2025年に発表を控えているという「ピュアエレクトリックハイパーカー」と前後する時期に登場する可能性もあり、「ポルシェ918スパイダーとラフェラーリ」というハイブリッドハイパーカーの対決が(今度はピュアエレクトリックという形で)ふたたび実現する可能性もありそうですね。

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ポルシェ・ミッションXのコンセプト動画はこちら

参照:Porsche

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