| S2000復活の話はこれまでにも幾度となくあがっているが、ホンダの置かれている現状がそれをなかなか許さない |
今回ばかりは「実現性」が高く、どのように他社のEVと差別化を行うのかに期待したい
さて、どうやらホンダが「S2000をピュアエレクトリックパワートレーンにて復活させる」というウワサ。
これはホンダ関係者の話として報じられているもので、ホンダ創立50周年記念モデルとして発表されたS2000を引き合いに出し、「(9月24日の)創業75周年には特別な発表がある」とのこと。
もちろん現時点ではS2000の復活を明言しているわけではなく、しかしニュアンスとしては「S2000後継モデルを強く連想させる」内容であったと報じられています。
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ホンダは2023年までに30車種のEVを投入
なお、ホンダは2022年4月にEVに関する計画を発表しており、そこでは「2030年までに30車種のEVを発売する」と述べていますが、この中には少なくとも2台のスポーツカーが含まれており、1つは「スペシャリティ」、もう1つは「フラッグシップ」。
後者はもちろんNSX後継モデルだと思われ、そうなると前者がS2000後継モデルとなるのかもしれません。
ただ、S2000はピュアスポーツであり、「スペシャルティ」というイメージではなく、むしろホンダのスペシャルティカーというとプレリュードを連想してしまいます。
そうなると計画の中に含まれていた2台のスポーツカー以外の「サプライズ」として(新型S2000が)登場する可能性も否定できません。
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新型S2000は「e:Nアーキテクチャ」を使用
そして今回、S2000復活に合わせて報じられているのが「新型S2000はホンダの新しいe:Nアーキテクチャを使用する」ということ。
これはまずe:Ny1に採用されることで市場デビューを飾りますが、このモデルにおいて採用されるのは前輪駆動(e:N f)。
ただしこのアーキテクチャは全輪駆動(e:N W)と後輪駆動(e:N R?)にも対応すると報じられており、もちろんS2000後継モデルはこの後輪駆動仕様のe:Nアーキテクチャを採用するものと思われます。
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そして非常に興味深いのは、このS2000と見られる新型スポーツカーが「タイプR」を名乗る可能性があること。
これまでのタイプRは既存モデルのハードコアバージョンという位置づけとして展開されているものの、このウワサが本当であれば、新型S2000は「タイプRのみの展開」「タイプR専用モデル」「ベースモデルはなくイキナリ”Type R”としての展開」という異例づくしに。
そしてもっとも異例なのは「電動モデルにタイプR」ということ。
ホンダは常々タイプRはモータースポーツと直結する存在でなければならないとしてきましたが、やはり時代の移り変わりとともにその役割も変わってくるのかもしれません。
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なお、ホンダのテクニカルコンサルタントによると「タイプRの”R”はレーシングの略です。喜びを運ぶ。電気自動車はこれを実現できますし、タイプRは内燃機関を使うという決まり、義務はありません。完全な電気自動車社会になっても、究極のドライビングプレジャーを提供するタイプRは存在するでしょう」とのことなので、ホンダ自身は「電動化されたタイプR」については否定しておらず、よって今後もタイプRはパワートレーンを変えつつも存続することになるとも考えられます。
この新型スポーツカー、あるいはS2000後継モデルにつき、ホンダはカーメディアの取材に対しても出力、技術仕様、価格について口を閉ざしており、しかし、ホンダUKの自動車部門責任者であるレベッカ・アダムソン氏によれば、「価格では中国メーカーの製品に太刀打ちできないが、我々には75年にわたるエンジニアリングの経験がある」と述べ、つまりは先ごろ発売された「自動車史上、2例目の電動オープンスポーツ」となったMGサイバースターよりも高価になることを示唆しているのかもしれません。
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参照:Car magazine