>中国/香港/台湾の自動車メーカー

日米欧の自動車メーカーが業績を落とす中で中国の自動車メーカーは好調を極める。シャオミは初の月間納車2万台を超え第2工場の建設を急ぎ、BYDは販売新記録を更新、20万人を新規雇用

BYD

| このトレンドはもうどうやっても(当面)変わることはないだろう |

日米欧の多くの自動車メーカーは「中国市場から駆逐されるのみ」である

さて、直近にて日米欧の自動車メーカーによって発表された2024年第3四半期、そして1-9月までの決算発表において明確になっているのが「中国市場での販売減少」。

これは中国市場が減速しているというわけではなく、中国市場において「中国の消費者が中国車を好むようになったため」日米欧のクルマが売れなくなったということがその背景にあるのですが、要は「(世界中の自動車メーカーのクルマを見てゆく中で)中国の消費者の嗜好が明確になった」「その中国の嗜好と海外自動車メーカーの提供する製品との間にギャップがある」「そのギャップを埋めるのが中国の自動車メーカーのクルマである」ということに。

そうやって「中国市場と海外自動車メーカーとの乖離が大きくなっている」という事情を背景に業績を伸ばしているのが中国の自動車メーカーで、とくにBYD、シャオミ、GAC、NIO、SAIC、吉利汽車あたりは好調が報じられています。

中国の自動車メーカーにとっても「厳しい」状況が続く

しかしながら中国の自動車メーカーすべての業績が良いかといえばそうではなく、中国の自動車メーカーはピーク時には「500以上も」存在していたといい、しかしそれが少し前には150社ほどに絞られ(EV専業だと100社くらい)、さらに今後は統廃合を繰り返し10社程度しか残らないと言われています。

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つまり海外の自動車メーカーにとってだけではなく、中国の自動車メーカーにとっても(中国内での)競争が厳しく、よって高い商品力を持つ製品を提供できない自動車メーカーはすぐに潰れてしまうのが現在の環境というわけですね。

そして現在生き残っている自動車メーカーはすなわち「高い商品力を持つ」クルマを提供しているメーカーであるということになりますが、中国ではまず「モノを作れば売れる」、その次は「安くすれば売れる」という時代を経て「安くて品質が良くてデザインと機能に優れないと売れない」時代となっているため、現在の中国のクルマは非常に高い(全方位での)クオリティを持っています。

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生き残った中国の自動車メーカーは「好調」である

そこで今回報じられているのが「生き残り組」の好調。※ただし現段階では「規模の拡大」が最優先であり、BYD以外ではEV事業単体で利益を出している会社はないとも言われる

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たとえばシャオミは10月の単月納車がはじめての2万台を突破し受注も23,000台を超えたと伝えられ(SU7 ウルトラ効果かもしれない)、しかしこのままではシャオミが現在運営する工場の生産能力上限である”年間15万台”を軽く超えることになり、しかもシャオミはこのSU7に負けず劣らず売れるであろう第二弾EV(SUV)の発売を計画しており、よって「新しい工場建設を急いでいる」と報じられているわけですね。

そしてこの工場は「昼夜問わず」工事が進められ、2025年6月には稼働が開始する予定だそうですが、これが完成すれば生産キャパシティは年間30万台まで引き上げられると言われます。

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そして現在「独走」状態にある王者BYDでは10月の新車販売がはじめて50万台を超えており、NEV(EV、PHEV、FCEVにて構成される新エネルギー車の総称)の世界販売記録を更新することとなったほか、年間販売目標を(非公式で)360万台から400万台へと引き上げ、さらにはこれを達成するために20万人を新規に雇用したと伝えられています。

これによってBYDの持つ中国国内工場(5つ)はフル稼働へ、そして従業員数は100万人を超えるとされ、いっそうの生産能力の増強が見込まれることとなり、しばらくこの勢いが衰えることはないかもしれません。

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