Image:Zeekr
| あらゆる意味で日米欧の自動車メーカーが中国の振興EVブランドに対抗することが難しくなっている |
このままでは中国のEVメーカーと日米欧の自動車メーカーとの「格差」が広がる一方である
さて、日本にも導入が決定した中国・吉利汽車(Geely / ジーリー)が展開するEVブランド、ジーカー(Zeekr)。
最新モデル「7X」の発売後25日で1万台の納車が行われたと報じられたのが記憶に新しいところですが、今回「発売50日で2万台の納車を達成した」とアナウンスされており、その受注ペースが発売以降”衰えていない”こと、生産ペースが非常に速いレベルにあることを示しています。
なお、このZeekrは2021年にジーリーが立ち上げた中国の高級NEV(新エネルギー車)ブランドで、今年5月には、ニューヨークでのIPO(新規株式公開)を行うことにより4億4100万ドル(約630億円)の資金調達に成功し、現在は6モデルをラインアップすることに。
2024年1月から10月までの累計販売台数は16万7922台に達しおり、現在のベストセラーは「 001(シューティングブレーク)」ですが、最近発売された「7X」はこれを超えるベストセラーになるのでは、と目されています。
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ジーカー 7Xの受注はハイペース
ジーカー7Xは9月20日に中国市場へと投入されており、ジーカーによると発売24時間後には6000台以上の確定注文を超え、発売10日目の9月30日には最初の5000台を納車したと発表しましたが、さらに1週間後には受注が2万台に達したことを明かしており、つまり”受注・納車ともにハイペース”。
With its strong e-powertrain system, double wishbone and air suspension, #Zeekr7X is ready for users' off-road adventures into the wild. Btw it is the world's first pure electric SUV to conquer Bilutu Peak - the Everest in the desert. pic.twitter.com/pIvM6DkNwF
— Zeekr (@ZeekrGlobal) September 20, 2024
これはまさに印象的な動きであり、というのも日米王の自動車メーカーの場合、「発表から正式受注開始まで」長い時間がかかるのがこれまでの通例で、そこから納車開始までまた「年」という時間を要し、さらには実際に生産が開始されても納車自体が「スローペース」に進み、生産が軌道に乗るまでにも時間がかかります。
しかしジーカー含む中国の自動車メーカーの場合は「すべてが最短の時間で」行われ、開発速度のみではなく、開発が終了したあとまでもがハイペースで進められ、何から何までもが「チャイナスピード」ということに。
The #Zeekr7X is more than a family SUV - the double wishbone and air suspension make it ready for your off-road adventures into the wild. pic.twitter.com/dhETom4hpL
— Zeekr (@ZeekrGlobal) September 4, 2024
実際のところ、ジーカーは納車開始からの10日の間、なんと1日500台を超えるハイペースで納車を続けていますが(直近ではそのペースがやや落ち着いて375台に)、これは中国国内430店舗からのフィードバックを受けてのことかもしれません(さすがにちょっと受注ペースが落ちる兆しが見えているのかも)。
Who says EVs are white goods? Stay tuned for more about the #Zeekr7X. pic.twitter.com/EUMSz2fI8W
— Zeekr (@ZeekrGlobal) September 18, 2024
参考までに、ジーカー 7Xの全長は4,825ミリ、全幅1,930ミリ、全高1,656ミリ、ホイールベースは2,925ミリという立派なサイズを持ち、内装にはミニマリズムを追求したデザインが導入され、15インチのメインスクリーンと13インチのメーターが採用されるほか、765リットルという大きな荷室容量をもセールスポイントとなっています(つまり、中国で”売れる”要素を高い次元で兼ね備えたクルマである)。
搭載されるパワートレーンは「シングルモーター(416馬力)」あるいは「デュアルモーター(637馬力)」の2つで、これらに電力を供給するバッテリーはLFP(リン酸鉄リチウム)75kWh、そしてNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)100kWhの2種類から選択でき、それぞれがCLTC基準で605kmから780kmの航続距離を提供します。
気になる7Xの価格は229,900元から269,900元(現在の為替レートにて約489万円~574万円)に設定されており、つまりボディサイズ、馬力、航続距離等から鑑みるに「かなり」競争力のある値付けです。
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参照:Zeekr