>フェラーリ >ポルシェ(Porsche) >中国/香港/台湾の自動車メーカー

シャオミYU7がフェラーリに「激似」している問題が再燃。フェラーリが公式SNSでYU7に対して「チクリ」、そして中国同法からも批判

シャオミYU7がフェラーリに「激似」している問題が再燃。フェラーリが公式SNSでYU7に対して「チクリ」、そして中国同法からも批判

Image:Xiaomi

| まさかフェラーリが「公式」にこの問題に言及するとは |

そしてこの類似性は「まったくのぐう羽前」ではないだろう

さて、シャオミはEV第二弾として「YU7」を正式に発表していますが、このSUVは発表前から「フェラーリ・プロサングエにそっくり」として話題になっています。

そして今回はその「そっくり」問題が再燃しており、そのきっかけはYU7発表直後になされたNIOのサブブランド「Onvo」の元責任者である艾鉄成氏がWeiboに「起業家と消費者は独創性を支持すべきだ」と投稿したこと。

艾氏は後にこの発言は自動車業界に向けたものではないと主張したものの、多くの人はこれをシャオミのデザイン戦略に対する痛烈な批判と受け止め、「シャオミYU7とフェラーリ・プロサングエとの類似性」に着目したわけですね。

9

Image:Ferrari

【発表】シャオミ初の高性能ラグジュアリー電動SUV「YU7」発表。800V急速充電&0-100km/h加速3.2秒、価格は7月発表へ
【発表】シャオミ初の高性能ラグジュアリー電動SUV「YU7」発表。800V急速充電&0-100km/h加速3.2秒、価格は7月発表へ

Image:Xiaomi | ■ シャオミ、初の電動SUV「YU7」を正式発表。価格は7月に公表予 | シャオミYU7は見れば見るほどフェラーリ・プロサングエ似である 中国の大手テック企業Xiaomi ...

続きを見る

フェラーリもシャオミSU7に反応?

艾氏はつい最近、国産イノベーションの推進者を自称しており、今月初めには「模倣で成り立つ企業は長続きしない」と発言したばかり。

これらの発言と、彼が過去にNIOの(他社の模倣をしないという)デザイン努力を称賛したことなどを含め、彼が言及したのは(自身では否定しているものの)シャオミの電気自動車についてであり、シャオミSU7やYU7と「欧州のプレミアムブランドとの類似性」だと受け止められているわけですね。

2

Image:Xiaomi

そして注目すべきはフェラーリが(おそらく)YU7に反応したこと。

どういうことかというと、フェラーリ・チャイナが公式Weiboアカウントへと「フェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリの息子が、自身の父を偲んでカスタムしたワンオフの”グリーンの”プロサングエ」を投稿しており、このプロサングエ自体は2023年6月に公開されているものの、ここでまた”あえて”投稿したということは、シャオミYU7に対するなんらかの意思表示ではないかと捉えられています。

53004646751_f8df4802ff_o

Image:Ferrari

エンツォ・フェラーリの息子がオーダーしたプロサングエが公開!亡き父が乗っていたフェラーリと同じカラーを再現し、ボディサイドにはあえて「エンブレムなし」
エンツォ・フェラーリの息子がオーダーしたプロサングエが公開!亡き父が乗っていたフェラーリと同じカラーを再現し、ボディサイドにはあえて「エンブレムなし」

| フェラーリのエンブレムをサイドに付けなかったのは「それがなくてもフェラーリはそれとわかる存在だから」 | 一方でカーボンルーフ、ダイヤモンドカットによるホイールなど現代風のディティールも さて、フ ...

続きを見る

シャオミYU7の「グリーン」はフェラーリを意識したものではないというが

なお、シャオミがプロサングエのボディカラーに「グリーン」を選んだのは、フェラーリを意識したというよりも「コロンビア産のエメラルドグリーンにインスピレーションを得たから」だと説明されていますが、ボディ形状だけではなくカラー的な類似性があるコトラネットユーザーたちはすぐにYU7に「フェラーリミ(法拉利米)」というニックネームを付けることに。

7

Image:Xiaomi

これは、以前SU7セダンに付けられていた「ポルシェミ(保時捷米)」というニックネームにちなんだもので、(シャオミ創業者の)雷軍氏に対し「フェラーリの存在を大衆に広めてくれてありがとう」と冗談めかして感謝するネットユーザーも。

実際のところ、この論争が予想外にフェラーリの知名度を高めたことは間違いないようで、現在プロサングエは中国で爆発的な人気を博し、オンラインではシャオミ YU7、ディーパルS09、シャオミ SU7に次ぐ検索ボリュームを誇っているのだそう。

6

Image:Ferrari

更にこの類似性論争は思わぬところにも発展し、一部の中国ネットユーザーはフェラーリ・プロサングエとマツダ CX-4(2016年モデル)のデザインに顕著な類似点があると指摘して議論に新たな一面をもたらしていますが、ぼくとしてはこの両者はあまり似ておらず、また時期的にもマツダがプロサングエを意識したとは思えず、「風評被害」のたぐいだと考えています。

8

Image:Xiaomi

シャオミがフェラーリ、ポルシェを意識したのは間違いないだろう

シャオミは(上述の通り)以前にもデザイン比較論争の対象となっていて、SU7が登場した際にも「ポルシェ・タイカン」との類似性が指摘されていますが、この際にポルシェ・チャイナのCEOは「偉大な人は皆同じことを考えている」とシャオミを指して外交的かつ寛容なコメントを行ったことも。

一方のシャオミCEO、雷軍氏は「シャオミのデザインは完全に独創的であり、一つ一つの要素を綿密に検討して作り上げたものである」と一貫して主張してきましたが、「ウルトラ(Ultra)」のフォントがポルシェのモデルネームに用いられるものと酷似しているなど、ポルシェを模倣したとは言えないまでも「意識した」ことは間違いなく、デザインやマーケティング戦略に「ポルシェの思想」「ポルシェへ対抗」を盛り込んでいることは否めないと考えています。

110

Image:Xiaomi

なお、「シャオミYU7とフェラーリ・プロサングエ」は実際に(価格的、そしてパワートレーンが異なるということで)競合するとは思えず、しかし「シャオミSU7とポルシェ・タイカン」だと現実的な競合となりえるのが「フェラーリの場合とポルシェの場合」との相違点であり、フェラーリはこの状況を「笑って見過ごせる」のかもしれませんが、ポルシェはそうではないのかもしれません。

ポルシェ・タイカン・ターボGTを破ったシャオミSU7 ウルトラが正式に発売、その価格が予定よりも35%引き下げられて1090万円に。タイカン・ターボGTの現地価格に比し1/4、もはやポルシェに「打つ手なし」
ポルシェ・タイカン・ターボGTを破ったシャオミSU7 ウルトラが正式に発売、その価格が予定よりも35%引き下げられて1090万円に。タイカン・ターボGTの現地価格に比し1/4、もはやポルシェに「打つ手なし」

Image:Xiaomi | もう「どうやっても」中国車に対抗するのは無理なような気がしてきた | 日米欧の自動車メーカーはそれぞれの強みを再分析し「生き残る道」を模索せねばならないだろう さて、シャ ...

続きを見る

合わせて読みたい、関連投稿

シャオミはなぜ「アップルが断念した」電気自動車の発売を実行し成功することができたのか?シャオミとアップルとの「相違」とは
シャオミはなぜ「アップルが断念した」電気自動車の発売を実行し成功することができたのか?シャオミとアップルとの「相違」とは

Image:Xiaomi | シャオミはアップルよりも「広く深い」レベルでその製品が人々の生活に根付いていた | さらにシャオミは「地の利」を掌握しサプライチェーンと生産拠点を確保 さて、昨年後半から ...

続きを見る

中国車
【中国EV業界】誹謗中傷に5,000万円の懸賞金も!BYDやNIOが「ブラックPR撲滅」に本気で動き出した理由

| ブラックPRとは?中国の自動車業界に広がる悪質キャンペーン | 近年、中国のEVメーカーを中心に、競合他社に対する悪質な中傷やデマの拡散(ブラックPR)が深刻な問題となっていますが、この「ブラック ...

続きを見る

昨年、シャオミは中国のみで10万台のSU7を販売し、一方ポルシェは全世界でタイカンを21,000台販売したのみ。もはや消費者は「ポルシェを高く、時代遅れ」だと評価?
昨年、シャオミは中国のみで10万台のSU7を販売し、一方ポルシェは全世界でタイカンを21,000台販売したのみ。もはや消費者は「ポルシェを高く、時代遅れ」だと評価?

Image:Porsche / Xiaomi | かつて欧州車は「富のシンボル」であり憧れの対象であったが | しかし現在では中国車が高い魅力を備えるにいたり、ポルシェはその価格の高さを正当化すること ...

続きを見る

参照:CarNewsChina

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->フェラーリ, >ポルシェ(Porsche), >中国/香港/台湾の自動車メーカー
-, , , , ,