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やはりEVにも「アナログなスリル」が必要?レクサスRZには”インタラクティブ・マニュアル・ドライブ”なるフェイクシフトとサンドが搭載

レクサス

| ただしそのサウンドは意図的にガソリン車との”差別化”を図っているようだ |

そしてその結果、やや違和感があるサウンドになっていることは否めない

さて、現在のEVの一つのトレンドが「フェイクシフトにフェイクサウンド」。

かつてEVというと「ガソリン車とは異なるインテリジェントな乗り物で、エコな乗り物」そして「ガソリン車のノイズやフィーリングとは無縁の”無味無臭”な、なんら感動を産まない単なる移動手段」という位置づけであったものの、多くの人がそんなEVに対して興味を示さず、結果として「EVが売れない」という状況に陥っていたわけですね。

しかしそれに一石を投じたのがヒョンデ アイオニック5 Nで、これはガソリン車のマニュアル・トランスミッション、大排気量自然吸気エンジンを模したワイルドなサウンドをもってエンスージアストを魅了してしまい、その効果はBMW M部門のボスやランボルギーニCEOも認めるほど。

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EVにも「感動体験」が求められる時代に

そして今では「EVはガソリン車と同様の楽しみを得られる」という方向性へとシフトしつつあり、これはEV登場当初の方向性とはまったく異なるもの。

さらにハイパフォーマンスEVではアイオニック5 N同様の「フェイクシフト」「フェイクサウンド」を備えることが”必須”となりつつあるほどですが、これは最近フェラーリが出願した特許からもわかるとおりです。

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レクサス RZにはフェイクシフトとドライブトレインノイズのシミュレーション機能が搭載される

そして今回レクサスが発表したのが「最新のレクサスRZには「フェイクシフトとドライブトレインノイズのシミュレーションシステムが搭載される」。

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レクサスはこの機能を「インタラクティブ・マニュアル・ドライブ(IMD)」と呼んでおり、これは「クルマとのより深く、より魅力的な対話を可能にする」ことを目指しています。

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このIMDシステムにより、RZのドライバーはステアリングホイール裏のパドルを使って仮想のギアシフトを行うことができますが、これはアイオニック5Nに搭載されているシステムによく似ていて、シフトチェンジとドライブトレインの音はフェイクだと分かっていても、両方が十分にリアルに再現されていれば、その相乗効果により、運転をよりコントロールし、運転への没入感を高めることが可能となるもの。

レクサスが公開した動画によると、このシステムはセンターコンソールの「Mモード」ボタン(おそらく「M」は「マニュアル」の意味)を押すことで起し、するとシフト操作が前述のパドルシフトに送られスピーカーが起動することとなるのですが、はたして車内にパワートレインノイズが響き渡るという様子を見ることが可能です。

加えてダッシュボードディスプレイ上のシフトガイドメーターはタコメーターのように機能し、シミュレートされたパワーバンドに沿ってシフトポイントを表示しますが、RZは8速トランスミッションを模倣しており、一時的にパワーをカットしてから仮想タコメーター/パワーメーターを再び上昇させることでシフトチェンジ時における「段付き」までをシミュレート。

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なお、ステアリングホイールのパドルで仮想トランスミッションの「ギア」をシフトできるだけでなく、オートマチックモードでもシフトをシミュレートできるようですね。

レクサスのいわゆるインタラクティブ・マニュアル・ドライブ・サウンドは、このレクサスIMDシステムと組み合わせた「専用サウンド」で、動画では、まるで口笛を吹いているかのようなサウンドに対しかすかに機械的なノイズが混ざったようなサウンドが聞こえます(イルカなど海の生き物が泣き叫んでいるような音にも似ている)。

そしてこのレクサスRZに備わるサウンドはヒョンデ アイオニック5 Nの「まんまガソリン車」のサウンドとはやや異なっており、明らかに「合成された、ガソリン車以外の音」であることも注目すべき点。

とはいえ、たとえシミュレーションであっても、EVの運転体験にアナログ要素を戻そうとする企業が増えていることは喜ばしいことで、たとえシミュレーションであっても、ドライブトレインの速度や挙動を中枢神経系に伝える何かがある方が望ましい、とは考えています。

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