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マセラティ、2025年の第1四半期で48%減少 ─ “最悪の高級ブランド”脱却なるか?

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| マセラティの販売が「減少に次ぐ減少」、暗いトンネルから抜け出せない状況に |

現時点でブランド回復の見込みは「非常に薄い」

さて、マセラティが「クルマが売れずに苦戦」しているのは既報の通りではありますが、2025年1月から3月の米国市場での販売台数はわずか1,700台にとどまり、前年同期比で48%の大幅減少となったことが明らかに。

ただ、マセラティはこれまでにも販売減少が長らく続き、そして今回は「減少した販売台数からさらに48%も減少」してしまったため、その下落に歯止めがかからないといった状況です。

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終わらない下落、2024年は年間57%減

マセラティの販売低迷は今に始まったことではなく、2024年通期では前年比57%の落ち込みを記録し、ステランティス傘下でも最も業績不振なブランドとされてきたのは周知の通り。

同じ高級車カテゴリのライバル、フェラーリが平均取引価格がはるかに高いにもかかわらず、それ以上の台数を販売している点は、マセラティのブランド力の低下を如実に物語っています。

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新CEOが描く「2026年黒字化」プランとは?

この苦境に立ち向かうのが、2024年10月にCEOに就任し*サント・フィチリ(Santo Ficili)氏。

同氏は2025年を「立て直しの年」と位置づけており、主に以下の3つの施策に取り組んでいます。

  • 組織の再編と新チームの構築
  • 不信感を抱くディーラーとの関係修復
  • コスト削減と価格調整(値下げの可能性も示唆)

彼はマーケティングの失敗を率直に認めており、「ブランド再構築には時間がかかる」との見解を示していますが、マセラティはプレミアムカーメーカーであり普及価格帯の自動車メーカーであり、価格調整よりもまず「高くても買う」と思わせる魅力的な製品の開発が急務なのかもしれません。

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売却の噂も?マッキンゼー投入で浮上する将来不安

さらに懸念材料となっているのが、マセラティと姉妹ブランドのアルファロメオに関する「売却の可能性」。

ステランティスはこの2ブランドの将来を見据え、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルティングを依頼しており、業界では「不採算ブランドの切り離しが始まるのでは」との憶測も飛び交っていますが、ぼくが思うに「こうなった」のはマセラティというブランドの特色が失われてしまったからだと捉えてていて、つまるところ以前のような「エグいまでのセクシーさ」がなくなってしまったからだと考えているわけですね。

要は「普通のクルマ」になってしまい、モータースポーツ、デザイン、パフォーマンス、品質いずれの面においてもライバルを圧倒するものではなく、一方で価格は「ライバルに比較して高価」となると、消費者にとって「買う理由」を見出すことが難しくなってしまい、これはやはり先代CEOが招いた災害だと考えていいのかもしれません。

2025年は“再起の助走”か、それとも“終焉の序章”か

2025年は(状況を打開できる新型車の登場予定がないため)マセラティにとって「沈む年」として織り込み済みかもしれませんが、しかしそこから2026年の黒字転換を果たせるかどうかは、フィチリCEOの手腕にかかっており、残された時間は少ないものの、マセラティがどう動くのかの「次の一手」には期待したいところでもありますね。

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