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アルファロメオとマセラティが経営再建へ|新CEOの下でイタリアンブランド統合戦略が始動か?

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| 現在、アルファロメオとマセラティは「非常に厳しい」状況下にある |

両ブランドが「事実上統合」されリソースを共有か

大手自動車グループStellantis(ステランティス)傘下のイタリア高級車ブランド、アルファロメオとマセラティは、いずれも厳しい状況に置かれています。

両ブランドともラインアップの老朽化により、メルセデスやBMWなどの競合プレミアムブランドとの競争に後れを取っているのが現状で、たとえばアルファロメオは、2024年の世界販売台数が8,865台と、前年から19%の大幅減少を記録していることも報じられていますね。

統合による再建案、CEOが明かす

現在、アルファロメオとマセラティのCEOであるサント・フィチリ氏は、両ブランドが技術・資源の共有によって生き残りを図る計画があることを認めており、これはステランティス新CEO、アントニオ・フィローザ氏が2025年6月中に就任した後、公式に発表される可能性があると見られています。

「新CEOの就任後、アルファロメオとマセラティの戦略的計画を発表し、可能な限りシナジーを見つけ出していく」
– サント・フィチリ(CEO)

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技術共有とコスト削減を推進

サント・フィチリ氏によると、両ブランドは今後以下の分野で協力体制を強化していくとのことで、これにより、製造コストの削減と市場投入のスピードアップを狙う意図があるもよう。

  • 部品とプラットフォームの共有
  • 車両開発コストの分担
  • 組織構造の統合
  • 販売ネットワークと生産工場の共通化(イタリア国内)
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米国市場の関税対策と外部コンサルの導入

この動きと並行して、ステランティスはコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」を起用。

アメリカ市場での関税回避戦略や、他メーカーとの提携機会の調査を進めていますが、特にマセラティにとって、売上の約35〜40%が米国市場であるため、北米での成功がブランドの命運を握っているといえそうです。

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次世代車の開発にも課題が

アルファロメオは、次世代「ステルヴィオ」および「ジュリア」の開発においても難題を抱えており、当初は完全EV化を計画していたものの、途中で方針転換を行ってハイブリッドや内燃エンジンの採用を再検討。

しかし現時点で、プレ生産車すら製造されていないことが明らかになっており、現時点では、以下の発売時期が目標とされていたものの、CEOの最新発言により不透明な状況も明らかになっています。

  • 新型ステルヴィオ:2026年
  • 新型ジュリア:2027年(クロスオーバー化の可能性も)
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ブランド紹介:アルファロメオとマセラティ

ちなみに両者のCEOは2024年秋までに「それぞれ別」であったものの、現在はサント・フィチリ氏が兼任しており、よって「経営統合」の話が出るのも自然な流れなのかもしれませんね。

ブランドアルファロメオマセラティ
創業1910年6月24日1914年12月1日
創業者ウーゴ・ステッラ/ニコラ・ロメオアルフィエリ・マセラティ
本社所在地イタリア・トリノイタリア・モデナ
所有企業StellantisStellantis
現CEOサント・フィチリサント・フィチリ

まとめ:再建への一歩だが課題山積

アルファロメオとマセラティが抱える問題は深刻であり、新たな提携戦略が成功するには数年単位の時間が必要です。

しかし、両ブランドにとって、ステランティス新CEOのもとでの本格的な再建案の提示は希望の兆しかもしれず、今後も、両ブランドがどのような変革を遂げていくのかに注目が集まります。

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JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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