| 「E-4ORECE】のそのものもR32 GT-RのアテーサE-TSをもとに開発されており、時代を超えた”繋がり”がもたらされることに |
おそらく日産はE-4ORCEのアピールにこのR32EVを使用したいのだろうと思われる
さて、日産が突如として「R32 GT-RをEVにコンバートする」と発表し、そのティーザー動画第一弾を公開。
ただしこれは日産が既存のガソリンエンジン搭載R32 スカイライン GT-RをEV化するサービスを行うわけでも、コンプリートカーを販売するわけでもなく、あくまでもワンオフ車製作プロジェクトにとどまるようですね。
なお、ここ最近では自動車メーカーが公式に自社の車両を(ワンオフにせよ、そうでないにせよ)EV化つまりエレクトロモッドを行う例があり、ジャガー、ミニはすでにこれをビジネスとしてスタートさせ、トヨタはハチロクをEV化するというコンセプトを示しています(現時点ではワンオフにとどまるが、ゆくゆくは事業化したいようだ)。
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R32 スカイライン GT-Rは再び新たな時代を切り開く
日産R32スカイラインGT-Rは「ゴジラ」というニックネームを頂戴し、それが現代のGT-Rにまで受け継がれていますが、1990年にオーストラリアツーリング選手権へと投入された際、レースでの圧倒的強さを表してニュージーランドのメディア「オートマガジン」が”ゴジラ”と呼んだのがはじまりだと言われています。
その圧倒的な支配力については、当時のモータースポーツにおいて無双を誇ったフォード・シエラ・コスワースRS500はじめ多くのレーシングカーを退役に追い込んだほどであり、市販車においても、モータースポーツにおいても「それまでの勢力を一掃し、新しい時代をもたらした」一台でもありますね。
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そして今回のプロジェクトにおいて、日産は公式に、ひとりのエンジニアの発案によって実現したものであると述べています。
R32型 スカイラインGT-R。
デビューから34年経った今もなお
多くのファンを魅了し続ける伝説のクルマ。
私達日産は、このR32 GT-Rを
最新電動化技術でEVコンバージョンした
コンセプトモデルを製作します。
このチャレンジは、
GT-Rに憧れて入社した技術者の
「最高に好きなクルマに、今自分が最高と
思う技術を掛け合わせたら、
世の中の人がもっとワクワクするクルマを
造れるのではないか」という
思いから始まりました。
さあ、新たな伝説が生まれる日を
ご期待ください。
NISSAN
「ゴジラ」が「メカゴジラ」に
現時点でこの「R32EV」の詳細はわからないものの、公開されている情報から判断すると最新かつ最高の技術が組み合わせられる可能性が高く、R32スカイラインGT-R最大の特徴でもあった前輪駆動システム、アテーサE-TS(ATTESA=Advanced Total Traction Engineering System for All-Terrain)がE-4ORCEへと置き換えられるのではないかと考えています。
このE-4ORCEはデュアルモーターを核とした4輪トルクスプリットシステムですが、すでにこれを搭載したコンセプトカーも発表されており、今回のプロジェクトについては、日産がこの技術をアピールするために推進するものだとも解釈でき、となると今後大大的にプロモーションがなされる可能性もありそうですね。
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もういちどR32 スカイライン GT-Rについて触れておくと、このアテーサE-TSは(多板式油圧クラッチシステムではなく)トランスファーケースを介して前輪にパワー(トルク)を送るという点において当時としては非常に先進的なものであり、そのトルク配分を決定するのはABS、Gセンサー、ホイールスピードなど様々な要素から得られた数値を改正する(当時として高度だった)16ビットオンボードコンピューター。
搭載されるエンジンはRB26DETT(直6ツインターボ)で、当時の自主規制によって280馬力に出力が抑えられていたものの、オリフィスを抜いたりすることで簡単に出力が向上したことも思い出されます。
そして今回のエレクトロモッドGT-Rに導入されると思われる「E-4ORCE」は、日産の持てる技術を余すところなく投入した先進的な機構を持っており、日産いわく「『e-4ORCE』は正確なハンドリングと安定性で、ドライバーに今まで以上の安心感とワクワク感をご提案します。この技術により、滑りやすい道でも思い通りのコーナリング性能と高いトラクション性能を実現するほか、乗る人すべてに快適な乗り心地を提供します。」
その姿勢制御技術、そしてトラクション性能についてはすでにいくつかのプロモーションによっても明らかになっており、このエレクトロモッドによって「ゴジラ」が「メカゴジラ」となるのかもしれません。
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参照:日産自動車株式会社