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フェラーリが「レッド・ドット・アワード」で3冠達成。F80、12チリンドリ、12チリンドリ・スパイダーが最高賞を受賞、「自動車メーカー最多」の実績を更新

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| フェラーリが2025年レッド・ドット・アワードで3部門制覇 |

2015年以降は13回もの受賞を記録している

さて、フェラーリはつい先日「12チリンドリと12チリンドリ・スパイダーがiFデザインアワードにて金賞を受賞した」と発表していますが、今回は「レッド・ドット・アワード 2025」にてF80、12チリンドリ、12チリンドリ・スパイダーが最高賞を受賞した、とアナウンス。

レッド・ドット・アワード(Red Dot Design Award)は、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する、国際的に最も権威あるデザイン賞の一つでもあり、世界三大デザイン賞の一つとも言われています。

レッド・ドット・アワードはこんな軸で評価される

このレッド・ドット・アワードは1955年に創設されて以来、毎年、世界中の企業、組織、デザイナーから応募された製品やプロジェクトのデザインを評価し、優れたデザインに贈られるもので、主に以下の3つの異なるジャンルにて賞を授与しています。

  1. プロダクトデザイン (Product Design)
    • 家具、家電、機械、自動車、工具など、実際に販売されている製品のデザインを対象とし、革新性、機能性、品質、人間工学、環境適合性などが審査基準となる
  2. ブランド&コミュニケーションデザイン (Brands & Communication Design)
    • ブランド戦略、広告、パッケージデザイン、ウェブサイト、グラフィックデザインなど、コミュニケーションに関連するデザインを対象とする
  3. デザインコンセプト (Design Concept)
    • まだ製品化されていない、将来性のあるデザインのアイデアやコンセプトを対象とし、若いデザイナーや企業が創造性を発表する場としても重視されている

受賞した製品やプロジェクトは、ドイツのエッセン、シンガポール、中国にあるレッド・ドット・デザイン・ミュージアムに展示されるほか、年鑑やオンラインでも紹介され、これにより、受賞者には国際的な認知度と品質の証が得られるため、デザイン業界や企業にとって非常に重要な賞となっているわけですね。

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フェラーリは歴代最多受賞メーカーに

フェラーリは過去11年間で32回のレッド・ドット・アワードを受賞しており、自動車メーカーとしては異例の実績を誇ります。

特に2015年以降は、13回も「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に輝いており、世界的に見てもトップレベルのデザインブランドであることを証明していますが、これらの功績は、フェラーリ・スタイリング・センターのディレクター、フラヴィオ・マンゾーニ氏が率いるデザインチームの卓越したクリエイティビティの賜物であると言ってよいかと思います。

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フェラーリ12チリンドリ、12チリンドリ・スパイダー:V12フロントエンジンの真髄

クラシックGTの現代解釈

12チリンドリ、12チリンドリ・スパイダーは1950〜60年代のフェラーリGTカーからインスピレーションを得た最新モデルで、エレガンス、パフォーマンス、汎用性を完璧に融合させたデザインを特徴とし、これまでにない解釈がなされたV12フロントエンジンモデルです。

主な特徴

  • 可動エアロダイナミクス:ボディと一体化し、パフォーマンスを最大化。
  • クラムシェル・ボンネット:フロントヒンジ式で剛性を強化。
  • ツイン・テールパイプ:クラシックデザインの現代的解釈。
  • リトラクタブル・ハードトップ(スパイダー):45 km/hまでなら14秒でオープン可能。

このモデルは、スポーティーさと品格、革新性を高次元で融合しており、フェラーリの伝統を次世代に継承する1台として高い評価を獲得しています。

フェラーリ「12チリンドリでは、急進的で破壊的なデザイン手法を採りました。なぜならV12フロントエンジンモデルはいまやパフォーマンス面でのフラッグシップではないからです」
フェラーリ「12チリンドリでは、急進的で破壊的なデザイン手法を採りました。なぜならV12フロントエンジンモデルはいまやパフォーマンス面でのフラッグシップではないからです」

Image:Ferrari | 今やパフォーマンス面だと、V6/V8ミドシップのほうが優れ、パワーにおいてはV8ハイブリッドのほうがV12の上を行く | よってフェラーリはV12フロントエンジンモデル ...

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フェラーリ F80:次世代スーパーカーの象徴

史上最も先進的なフェラーリが登場

F80は、フェラーリのスーパーカー史上6代目となるモデルで、革新的なハイブリッド技術と最先端空力を採用したハイパフォーマンスカーでもあり、ル・マン24時間レースを2連覇した499PのエンジンをベースにしたV6(F163CF型)を搭載し、これに電動フロントアクスルとリアモーターが組み合わされるうえ、最先端のF1マシンからフィードバックを得た技術も投入されています。

スペック概要

項目内容
最高出力1,200 cv(V6 900 cv + 電動システム300 cv)
ハイブリッドシステム800V e-4WD + MGU-K
最高ダウンフォース1,050 kg(250 km/h時)
特徴eターボ(MGU-H)、アクティブ・ウィング、ブースト最適化
生産台数799台(2027年まで)
フェラーリF80
フェラーリF80は「近代のフェラーリの考え方を反映した技術上の頂点」。フェラーリはF430以降大きくそのあり方をシフトし、ロードカーにおいては常にこういった革新を行ってきた

Image:Ferrari | フェラーリは常に変化し続けており、ボクらはその考え方を理解し総合的にラインアップを捉える必要がある | 現時点でF80はフェラーリのロードカーの一つの到達点である さて ...

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驚異のエアロダイナミクス

  • アクティブ・ウィング:リアの空力パーツが速度に応じて自動調整。
  • アクティブ・サスペンション:3Dプリント製アームにより高精度制御。

さらに、走行コースを学習してパワー配分を最適化するブースト・オプティマイゼーション機能も搭載。まさにフェラーリの未来を体現する1台です。

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Image:Ferrari

【驚異の減速力】フェラーリF80が時速200kmからわずか98mで停止。100km/hからでもSF90ストラダーレ比で「1.5m短縮」
【驚異の減速力】フェラーリF80が時速200kmからわずか98mで停止。100km/hからでもSF90ストラダーレ比で「1.5m短縮」

Image:Ferrari | 約1,200馬力のハイブリッドスーパーカーに搭載された“止まる力” | このブレーキ性能は、F1マシンのようなサーキット由来のテクノロジーによって実現される フェラーリ ...

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まとめ:フェラーリのデザインと技術は新たな時代へ

今回のレッド・ドット・アワードでの3冠達成は、フェラーリが世界トップレベルのデザイン力と技術力を同時に追求し続けている証明にほかならず、ピニンファリーナとの決別によって「新しい時代を自ら切り開いた」ことを示しています。

加えて、「GT」「スーパーカー」という異なる分野においてそれぞれ独自のデザイン言語を採用しており、従来に比較するとモデルごとの個性が「より強調された」ラインアップへと進化。

これによって「さらに多くのファン」を獲得するのは間違いなく、これからもフェラーリは、自動車業界における美と速さの象徴であり続けることが期待されています。

  • 12チリンドリ・シリーズは伝統と革新を融合したGTモデル
  • F80は次世代スーパーカーの新基準を提示
フェラーリ
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参照:Ferrari

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  • この記事を書いた人

JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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