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近年のクルマでは一般的となった「車両統合」「スマートフォン統合」インフォテイメントシステムはいまひとつ満足度が低かった。その不満の理由「5つ」とは

近年のクルマでは一般的となった「車両統合」「スマートフォン統合」インフォテイメントシステムはいまひとつ満足度が低かった。その不満の理由「5つ」とは

| インフォテイメントシステムはまだまだ進化途中にあり、今後の使い勝手の向上が期待される |

おそらくインフォテイメントシステムは目的に沿った形で分化してゆくことになるだろう

さて、JDパワーは毎年アピール(Automotive Performance, Execution and Layout =APEAL)調査を実施していますが、年々明確になってきているのが「インフォテインメントシステムのユーザーエクスペリエンスがドライバーにとってフラストレーションの原因となる可能性がある」という事実。

このインフォテイメントシステムを広範囲に捉えると、その歴史は非常に長く、質素なカーラジオから、カーナビゲーションシステム、車載電話、外部機器とのインテグレート、そして現代のタッチスクリーンとワイヤレス接続を備えた統合型インフォテインメントユニットへと続きます。

これらは本来ぼくらの運転体験をより豊かにしてくれるはずのものたちですが、逆にストレスになっている可能性があり、ここでその理由を見てみましょう。

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1.メニューが複雑である

最近の新車に装備されるインフォテイメントシステムは年々複雑になっていて、納車時の車両取扱説明にかかる時間がどんどん長くなり、もちろんその主要な原因は「複雑化したインフォテイメントシステム」。

以前は簡単な機能だけであったものの、最近ではクルマの機能と深く統合され、たとえばエアコンやシート調整などもインフォテイメントシステム経由で行うことが多くなり、よって「使いたい機能」を呼び出すにも一苦労となっています。

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一部ではその階層が5層にも至るといいますが、この複雑さを解決する対策としてショートカット ボタンやカスタマイズ可能なインターフェイスを提供しており、しかしそれでも根本的な解決が難しく、今後の改善が待たれるところ。

ただしこの改善は容易ではないものと思われ、しかし有効だとされるのが「日常的に使用する機能を独立させること」。

たとえば移動中に使用される可能性が高いほとんどの重要な機能 (音楽、空調、ナビゲーション設定)につき、サブメニューを経由せずに1つの画面ビューからアクセスできるようにすべきであるという意見が多く、アップルカープレイとアンドロイドオートでは一部このインターフェースの導入がなされています。

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2.物理コントロールが備わっていない

最新のクルマに装備されるインフォテイメントシステムの多くに共通するのが「(スイッチやノブなど)物理コントロールボタンが消え去りつつあること。

これまでには「オーディオの音量を上げたり下げたり、エアコンの温度を調節したりする単純な操作は、運転中でもノブを回したりボタンを押したりすることで、「簡単に、かつ直感的に」操作できたものの、最近のクルマではこれらが消えつつあり、走行中の直感的な操作が難しくなり、ドライバーの注意を殺ぐことで安全性にも影響を及ぼすと言われています。

そしてこの問題への対応は自動車メーカーによって様々で、ヒョンデやトヨタは主要スイッチを物理的にコントロールできるようにし、しかしいくつかの自動車メーカーは削減の方向へ(製造コストを引き下げることが可能である)、そしてフォードは(機能を割り当てるなど)カスタムが可能なアナログコントローラーを導入するという革新的なソリューションを提供していますね。

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3.オーディオソースの切り替えに問題がある

ここ数十年にわたってオーディオソースは増加し続けており、最初のカーラジオはAMのみだったものの、後にAMとFMに拡大し、カセットプレーヤーとCDプレーヤーが追加され、今日ではBluetooth、インターネットラジオ、Apple CarPlayにAndroid Auto、USBなど、さまざまなオーディオソースが存在します。

JDパワーによると、25%のユーザーが、オーディオエクスペリエンスに不満を持っていて、たとえば携帯電話で音楽を聴いているときにラジオへと切り替えたときに突然音量が上がったり、接続の問題で携帯電話をクルマにリンクするのが思ったほど簡単ではなかったりという問題が指摘されていますが、これらは「高い頻度で」生じる問題でもあり、早急な改善が望まれるところでもありますね。

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4.使わない機能があまりに多い

「1.メニューが複雑である」との関連もあるかと思いますが、現代のインフォテイメントシステムは機能が多すぎ、基本的でよく使う機能へと簡単にアクセスできず、結果としてユーザーエクスペリエンスが低下します。

よって各自動車メーカーは使用頻度の低い機能を削減したり、これらが全面に出てくることで「よく使う機能」を邪魔しないようにするなどの配慮が要求されます。

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5.スマートフォン接続が不安定で一貫性がない

現代のインフォテインメント システムはスタンドアローンデバイスというよりも、スマートフォンの延長ともいうべきシロモノで、アップルカープレイやアンドロイドオート経由にてスマートフォンを接続して使用しますが(ただしリビアンなど一部はこれら経由でのスマートフォンとの統合を拒んでいる)、クルマによっては一部の機能は利用できるものの、他の機能は利用できない場合があり、車内でシームレスなスマートフォン接続を期待するようになったユーザーは(それがうまく行かないと)フラストレーションを感じることがあるという結果が出ており、つまり「インフォテイメントシステムへの期待度が高まったがために、期待に沿わないと必要以上にがっかりさせてしまう」ということに。

そしてぼくの経験上だと、「接続が勝手に切れる(リセットされる)」「再接続が面倒」といったものがあり、クルマによっては接続内容が変わってしまったり(なぜか電話がシンクしなくなったりすることも)といった面倒も感じられ、正直いうと「スマートフォン接続は信用できず、オーディオ、カーナビ、車両設定」はそれぞれ独立していたほうがいいんじゃないかとも考えています。

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