
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| いずれのW16ミストラルも、これまでに納車されたブガッティとは異なる特別なタッチを持っている |
それはまさにブガッティの理念である「美と性能の融合」である
さて、ブガッティが「W16エンジン最後のモデルとなる、W16ミストラルの納車を開始。
もともとブガッティは第2世代のW16エンジン搭載モデルにつきオープンモデルを計画していなかったものの、このW16ミストラルは、メイト・リマック氏がブガッティの主導権を握るようになったのち、「なにかW16エンジン世代のスワンソングとなるようなクルマを」ということで急遽開発された「計画外の、そして特別な」ハイパーカーです。
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ブガッティ W16ミストラルのデザインは「フロントからリアまで」その必然性によって決定されていた。「形態は機能に従う」が徹底して貫かれる
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ブガッティ W16ミストラルのルーツは1934年までに遡ることができる
このW16ミストラルの物語はブガッティの歴史の中でも特に象徴的なロードスターたちにまでさかのぼることができ、1934年の卓越した美しさを誇る「Type 57 ロードスター・グランドレイド・ウジーヌ」や、同様に魅惑的な「Type 57S ロードスター(コルシカ社によるコーチビルドモデル)」がルーツであると説明されています。
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これらのモデルが生み出した美学がW16ミストラルの定義を形作る礎となっていますが、洗練された流麗なボディラインに加え、他に類を見ないオープントップのドライビング体験が融合して「W16ミストラル」という唯一無二の存在が誕生したわけですね。
なお、W16ミストラルという名の由来はフランスに吹く北風にあり、そしてこの「ミストラル」が吹く地域をブガッティ創業者が好んで訪れていたことにちなんでいます。
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そのスタイリングはまさにブガッティのデザイン哲学である「美と性能の融合」を忠実に視覚化したもので、性能面においても「W16エンジンの最後をしめくくる」存在にふさわしく、2024年には最高速度453.91 km/hを記録して「史上最速のロードスター」としてその名を歴史へと刻むこととなり、文字通り「美」そして「性能」の頂点に立つクルマであると考えられます。
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ブガッティ W16ミストラル生産第一号は「アメリカへ」
そして今回ブガッティが紹介するW16ミストラル「生産第一号(二台同時に完成したようだ)」はいずれもアメリカのオーナーへと届けられると説明されており、まず一台はブラックカーボンボディに「ブガッティ・ライトブルー・スポーツ」のアクセント。
これまでのブガッティに用いられていた「ツートンカラー」とは異なる色分けがなされており、「W16エンジンへのオマージュ」としてエンジンカバーが強調されるほか、インテリアでは「ブガッティ・ライトブルー・スポーツ」に「ブラックカーボン」を用いることでエクステリアとの対を成すようにデザインされ、そこに用いられるステッチは「ベルーガブラック」。
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そしてもう一台のW16ミストラルは文字通りの「純白」仕様を持ち、ボディカラーは「ホワイト グレイシャー」、そしてブルーカーボンに加え「アトランティックブルー」「イタリアンレッド」のアクセントが入っていて、アメリカ国旗そしてブガッティのルーツである”フランス”を表現することに。
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インテリアもホワイトをベースとしており、底に用いられるステッチは「レイクブルー」、そしてこちらもやはりエンジンカバーが強調され「ポリッシュ仕上げのアルミニウム」ディテールが加えられているようですね。
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そして特筆すべきは、いずれのモデルのシフトノブにも「踊る象(ダンシング・エレファント)」が用いられていること。
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これはブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティの弟で彫刻家のレンブラント・ブガッティが手掛けた伝説的なType 41ロワイヤルのボンネットオーナメントをオマージュしたもので、この芸術作品はアルミニウムブロックから精密に削り出され、透明なガラスの中に収められています。
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ブラックのW16ミストラルではクリアガラスに「ブガッティ・ライトブルー」レザーで力強く囲まれ、ホワイトモデルでは「イタリアンレッド」のガラスに包まれるなど固有の仕様を持っており、手作業で仕上げられたウッドのフレームに収められた唯一無二の作品へと昇華させられています。
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「ブガッティ W16ミストラルは、単なる自動車技術の革新の象徴ではありません。それは、ブガッティにおけるロードスターデザインの壮麗な遺産を体現し、伝説的なW16時代の美しい最終章を飾る存在です。エレガントでパワフルなこのモデルは、純粋な美の探求と物理法則を極限まで突き詰めた技術の結晶であり、時代を超えて語り継がれるロードスターの奇跡です。」
ブガッティ マネージングディレクター ヘンドリック・マリノフスキー
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参照:Bugatti