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【試乗:マセラティ MCプーラ チェロ】近年、これほどまでに「楽しい」と感じたクルマはほかにない。マセラティ史に残る傑作、PURA=ピュアの名は伊達じゃない

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)の正面

| マセラティ MCプーラは期せずして時代の寵児に |

MC20の遺伝子を継承し、さらなる「純粋さ」を追求した一台

マセラティが放つフラッグシップ、MC20の進化形として登場した「MC Pura(MCプーラ)」。

そのオープンモデルである「Cielo(チェロ)」は、モデル名の「Pura=純粋」をさらに進化させ、ドライバーとマシンの対話を極限まで研ぎ澄ませた「マセラティの情熱の結晶」ともいうべきクルマです。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のリヤセクション

なお、このMC PuraはMC20のリファイン版という位置づけですが、そのMC20はもともと「ガソリン版」と「電動版」にて登場する予定であり、つまりフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンのように「ハイブリッドはなし」。

一足飛びにガソリンからピュアエレクトリックへと向かう予定であったものの「世界的にEVの販売状況が芳しくなくなって」しまい、その流れを受けてEV版の計画がキャンセルされて「ガソリンエンジンのみのラインアップ」となったのですが、これと時を同じくしてガソリンエンジン再評価の機運が高まり、「ハイブリッドではない」MC Puraに注目が集まっているというわけですね。

もちろんマセラティは当初からこの流れを読んで「ハイブリッドを投入しなかった」わけではないと思いますが、結果的に「ハイブリッドではなく純粋なガソリンモデル」のMC20の存在がスーパーカー市場で際立ったことは間違いなく、よってマセラティはこの状況をフル活用すべく「純粋なガソリンエンジン搭載モデル」であることを強調すべく「Pura(プーラ=イタリア語で”純粋”)」という名称を与え再出発させることにしたのだと思われます。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のフロントフェンダー
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この記事の要約(30秒チェック)

  • 深化のV6: 630馬力の「ネットゥーノ」エンジンは、より官能的なサウンドへと進化
  • 軽量カーボンシャシー: クーペ比でわずかな重量増に抑え、鋭いハンドリングを維持
  • 魔法のルーフ: PDLC(ポリマー分散型液晶)技術により、一瞬で透明から不透明へ切り替え可能
  • ライバル比較: フェラーリ296GTSやマクラーレン・アルトゥーラに対し、独自の「GT性能」で差別化
  • 結論: 刺激と快適性が高次元で融合した、現代最高のイタリアン・オープン
マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のヘッドライト
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マセラティ MC Pura Cieloのスペックとパフォーマンス

まずはMC プーラのスペックを見てみたいと思いますが、その心臓部には、F1技術をフィードバックした、プレチャンバーを備える3.0リッターV6ツインターボ「ネットゥーノ」エンジンを搭載し、その数値以上に”吹け上がりの鋭さ”と”ドラマチックな排気音”がドライバーを魅了します。

主要諸元スペック表

項目数値・詳細
エンジン3.0L V型6気筒 ツインターボ「Nettuno」
最高出力630 ps / 7,500 rpm
最大トルク720 Nm / 3,000 - 5,500 rpm
0-100km/h加速2.9 秒
最高速度320 km/h 以上
車両重量1,560 kg
駆動方式ミッドシップ・リアドライブ(MR)
価格(税込)35,450,000円〜

なお、ガソリンモデルなのに「重量が重く」見えるのは、マセラティは日本国内において伝統的に「車両重量」を用いた数値を採用しているためで、よって「乾燥重量」表記が通常となっているフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンのガソリンモデルに比較すると「ちょっと重く」現れています。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のフロント(全景)
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マセラティ MC Pura Cieloのデザイン

次はMC プーラ チェロのデザインについて。

大きくはMC20 チェロと変わらないものの、フロントバンパー先端とサイドの処理が少し変わって「連続性のある」、そして「シャープなラインが入る」デザインに。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のフロントバンパー

全体的には「優雅」というイメージがまず先に感じられる雰囲気を持っており、これはライバルたちとの差別化を考慮した結果なのだと思われますが、この唯一無二の存在感が「マセラティならでは」。

そしてマセラティが強調する「3」はあちこちに様々な形態をとって表され、フロントフェンダー上のブロック、ホイールのスポーク、ヘッドライト内の発行エレメント、そしてCピラーに相当する部分の「くぼみ」にも。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のリヤセクション

なお、細部を見ると「作りの良さが目立ち」、ボディとグリルとの境界、フロントのエンブレムの造形、エアインテーク周辺、ウエザーストリップなど「高級車」に匹敵する造形・フィニッシュを持っていて、これはグラントゥーリズモやグランカブリオ、そしてグレカーレなど新世代の製品群を通じて培った技術の現れなのかもしれません。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のリヤフェンダー(エアインテーク)

ちなみにフロントトランクは「書類くらいしか入らず」、なにかモノを収納するにはリアトランクを使用することになり、この「リアトランクを備える」というのはけっこう稀有な存在です(ミドシップスポーツだとほかにコルベットくらいか)。

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「チェロ」ならではの特等席

ちなみに「オープンモデルにもかかわらず」グラストップを採用していますが、これは電気調光式の「PDLCガラスルーフ」であり、スイッチひとつでその透明度を変化させることが可能です。

ルーフを閉じていればクーペ同等の静粛性を保ち、ボタン一つ(約12秒)でルーフを開け放って空(チェロ)が広がる開放感を得ることができ、しかしこのスマートグラストップによって「雨の日でも車外の光を感じながら走る」という贅沢な体験を可能にしているわけですね。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜ルーフ

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マセラティ MCプーラ チェロ 試乗車は「フオーリ・セリエ」仕様

そして今回の試乗車はマセラティのパーソナリゼーションプログラム「フオーリセリエ」にて仕上げられた特別仕様。

リアフェンダー前にはロゴが入り・・・。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のサイド(フオーリセリエのロゴ)
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リアフード上の「トライデント」はクリアマット仕上げ(ステッカーではなくペイントによって再現されている)。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のリヤフード

ボディカラーも特別色、そしてインテリアも特別仕様。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜シート

シートやドアインナーパネルには独特のグラフィックが入り・・・。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のドアインナーパネル

ブラック仕上げのアルカンターラにボディ色同様のコントラストステッチ(ブラックアルカンターラそのものは標準装備)。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア

インテリアの構成は「必要最小限」、しかしスイッチ類が美しく整然と並べられることで「イタリアンモダン」といった雰囲気も感じられ、スパルタン一辺倒ではないミニマルな機能美すら感じます。

ちなみにですが、ルーフのオープンは物理スイッチではなく、ダッシュボード上にあるモニターを使用し「タッチ」で行うこととなり、ここは今までのマセラティとはまったく違う「テクノロジー」を感じさせるところでもありますね。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜ステアリングホイール

MC プーラに試乗して分かった「純粋さ」の正体

そしてここからがいよいよ試乗ですが、「ディヘドラルドア」を採用しており、開閉に必要な幅は片側約90センチ、高さは180センチ弱。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)の正面(ドアオープン)

サイドシルは(マクラーレン同様)内側にえぐられているので乗降しやすく、車内に足を入れやすい構造です。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア

そして運転席に座ってわかるのは「剛性感の高さ」で、それは各部の建付けの良さ、そして凝縮された操作系がそう感じさせるのかもしれません(走らずとも剛性感を感じさせるクルマはそれほど多くない)。

サベルト製のシートも「座り心地」「ホールド性」ともにすこぶる良好。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜シート

なお、ペダルは中央にオフセットされ、ブレーキペダルとアクセルペダルとの間隔が狭く、そして高さもほぼ同じという「レーシングカーっぽい仕様」。※マクラーレンとよく似ている

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜ペダル

事前にそれを理解していたので細めのスニーカーを履いていったのですが、それでも「もっと細めの」スピードキャットのほうが良かったかも。

プーマのスニーカー(レッド)

そしていざ試乗となりますが、発進するにはエンジンをスタートさせた後(フェラーリやランボルギーニとは異なってパドル操作ではなく)センターコンソールにある「D」ボタンを押してDレンジへと入れる必要があり、そこからアクセルを踏み込むことに。

なお、出だしは非常にマイルドであり、ナーバスさやショックを感じることなく発進できるために「恐怖や緊張を感じずに」走り出すことが可能です。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア

運転に際しては苦労を強いられることはなく、前方の視界は低いダッシュボードのおかげで非常に優良、ドライビングポジションも取りやすく、デジタルミラーのお陰で後方の視界も良好です。

粗を探すならば、ドアミラーが「後ろに向かって伸びているので左右広報を確認するには大きく首を振らねばならないことですが、これは試乗時には「(慣れないクルマなので安全のため)シートを前に移動させていたから」だと思われ、もう少しシートを後方にずらせば解決する問題なのかもしれません。※ランボルギーニはこの問題を解決するため、ドアミラーを「前」に出している

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のリヤサイド

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エキゾーストサウンドは非常に勇ましく、とくに始動時は「オイオイ、マジか」と思わず口に出してしまうほどのバリューム、そしてナイスな音質を披露してくれ、その後触媒が暖まったのちもなかなかの音量です。

なお、そのサウンドは「ビートが効いた」ものであり、つまり「各シリンダーの中で爆発が起きている」ことを耳で感じることができるという印象で、多くのV6エンジン搭載車の排気音が「(抑揚がなく)掃除機のようだ」と表現されるのとはまったく異なるという印象。

ちなみにエキゾーストサウンドを積極的に室内へと取り入れる設計を持っているのですが(もちろんフェイクサウンドは用いていない)、驚かされるのは「吸気音も素晴らしい」という事実。

アクセルをぐっと踏むと「ヒューン」という吸気音が唸り(おそらくはリアフェンダー上のインテークから吸い込んでいるのだと思われる)、そしてその後にウエストゲートから「パシュー」という圧縮空気が放出される音が聞かれることとなり、これによってとんでもなく気分が盛り上がります(よって、これを楽しむためにぜひオープンで走ってほしいものである)。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のフロントセクション

とにかくこのクルマに関しては語るところが非常に多く、しかし要点に絞って述べるならば「エンジンのレスポンス」は絶対に外せない点。

ここ最近のターボエンジンを積むスポーツカーそしてスーパーカーは環境規制に対応するため「非常に低い回転数」「より高いギア」で走行するという設定を持っており、とくに街なかを法定速度で走行する時はその味付けが顕著に現れます。

そしてその「弊害」がエンジンレスポンスであり、ちょっと加速しようとしてアクセルペダルを踏み込んだとしても(ターボエンジンの場合はたいてい小排気量なので)ぐっとクルマが出ることはなく、エンジン回転数が上がって加給が開始されるまでは「あれれ」という状態に。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のホイール

ただしMCプーラの場合はたとえ低速からでもアクセルをちょっと踏めば「ぐっと」車体が押し出され、これもまた非常に盛り上がる部分だという印象。

参考までに、フェラーリのV8ツインターボエンジン搭載車であってもここまでのレスポンスは持っておらず、(法定速度内から高いギアで)加速に移るまでには一呼吸あるのですが(そのためフェラーリは「そう感じさせないよう」排気音を加速よりも先に大きく聞かせるという手法を取っているようだ)、このMCプーラの反応は「まるで大排気量自然吸気エンジンを積んでいるかのようで」、ぼくとしては非常に高く評価したいところです。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のサイド

そのほか、ハンドリングの「素直さ」も特筆すべきレベルにあり、過度に曲がりすぎたり、あるいは曲がらないこともなく、ステアリングホイールを切ったら「切った分だけ」そのまま曲がるという感じ。

さらに足回りのしなやかさについても触れておかねばならず、これは「カーボンモノコックシャシーを採用するミドシップスーパーカー」としては特筆すべき快適さ。

なお、ドライブモードは以下のものがあり・・・。

  • WET(ウェット)・・・雨天や低μ路向け。出力を抑え、トラクション制御を強めて安全性重視。
  • GT(グランツーリスモ)・・・デフォルトモード。快適性重視で日常走行向け(サスペンション柔らかめ、変速も穏やか)
  • SPORT(スポーツ)・・・スポーティな走行向け。ステアリング / エンジンレスポンス向上、シフト高速化、足回りも引き締まる
  • CORSA(コルサ)・・・サーキット志向の最強モード。最大出力、超高速シフト、トラクション制御も最小化
  • ESC OFF(ESCオフ)・・・電子制御(横滑り防止など)をほぼ解除。完全にドライバー主体の挙動
マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のホイールとブレーキ

今回はGTに加え「スポーツ」「コルサ」で走ってみたものの、たとえコルサでも不快感はまったくなく、しかしとんでもなくシャープなフィーリングとなり、「恐怖や緊張感の少なさはGTモードのまま」、「操る楽しみだけが強調される」というイメージです(GTモードでもピッチ、ロールが極めて小さく、車体制御技術は相当なものである)。

サスペンションに関しては「衝撃(スプリング)」「突き上げ(ダンピング)」という存在を意識する場面はほとんどなく、とにかくあらゆる路面の衝撃を吸収しつつ姿勢を安定させながらも「必要なインフォーメーションをドライバーに伝える」という非常に優れたセッティングを持っていて、違和感が全く無いのでその凄さすら感じないという次元にあり、極限すれば「サスペンションの存在を忘れてしまうほど」。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のインテリア〜サイドシル

MC 20では「恐怖」しか感じなかったが

今回の試乗を一言で言うならば「とても楽しい」。

MCプーラに乗った後、その日一日をハッピーな気分で過ごせるようになる類のクルマであり、ありきたりな表現だと「降りるのがいやになる」スポーツカー。

なお、以前MC20に試乗した時は「恐怖」しか感じなかったものの(ダラーラが作ったレーシングカーそのものといった印象だった)、そこからおよそ4年が経過していて、おそらくマセラティは改良に改良を重ねることで「乗りやすく」したのがこのMCプーラだと思われます。

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実際のところ、MC20でもっとも恐怖を感じた「ブレーキのタッチ」はまったく違和感を感じないレベルとなっており、相当に熟成が進んだことも間違いなく、「不安を取り除いて純粋に楽しく乗れるように」進化したのがこのMCプーラ(PURA=ピュアの名前は伊達ではない)。

マセラティ MC PURA Cielo(プーラ・チェロ)のフロントサイド

そして今回はMCシリーズ「2回目の」試乗ということでぼく自身もリラックスして乗ることができたことも間違いなく、よって「安心してMCプーラの良いところを探すことができた」のが今回のテストドライブであったと思います。

このMCプーラはここしばらくの間にて、ぼくの記憶に残る範囲ではもっとも楽しいクルマであり、もっと大きく期待を超えるスポーツカー。

よって購入を真剣に考える必要があるクルマであるとも認識しており、さらには「ガソリンエンジンオンリー」のミドシップスポーツという稀有な存在ということもこのクルマの魅力を押し上げていることも疑いようのない事実。

ただし「新車」はちょっとハードルが高く、よってしばらくの間「中古車検索」を繰り返すこととなりそうです。※このサウンドを楽しむためにはオープンモデル(チェロ)を選びたい

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ライバル比較:市場での立ち位置

マセラティMC プーラ チェロが戦う舞台には強力なライバルがひしめいており・・・。

  • フェラーリ 296 GTS: ハイブリッド化による圧倒的なパワー(830ps)とモーターアシストによる異次元の加速が武器。ただし、メカニカルな「純粋さ」ではMC Puraに軍配が上がる
  • マクラーレン アルトゥーラ スパイダー: 徹底した軽量化と最新の電子制御が魅力。MC Puraは、それらよりも「エレガンス」と「GT性能の高さ」で優位に立つことに
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結論

マセラティ MC Pura Cieloは、数値を競い合うためのスーパーカーではなく、もちろん0-100km/h加速2.9秒という一級品の性能を持っているものの、その本質は「いかにドラマチックに、いかに美しく目的地へとたどり着くか」というグランドツーリングの理想にあるように思われます。

究極のパフォーマンスと、イタリアン・エレガンス。この二律背反を「純粋」という言葉で見事に統合したこの一台は、今の時代に最も贅沢な選択肢なのかもしれません。

なお、試乗させていただいたのはマセラティ大阪北さんにて。

いつもお世話になり、ありがとうございます。

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