
| 「買わねば」と思いながらなかなか踏み切れない、それがレクサスである |
ボクにとっての「初レクサス」としてもっとも可能性が高いのがLBXであるが
さて、レクサスLBX MORIZO RRに試乗。
かねてよりお伝えの通り、ぼくはレクサスLBXの購入を検討しており、しかしLBXのハードコアバージョンである「MORIZO RR」は最も有力な購入候補グレードではないものの、たまたま試乗車が配備されたので「参考がてら」乗せていただくことに。
なお、買う気がなくとも「ふとしたきっかけで試乗し」購入に至った例も少なくはなく、「乗らなければわからない」のがクルマでもある、と考えています。
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レクサスLBX MORIZO RRとは?
レクサス LBX MORIZO RR は、レクサスのコンパクトSUV「LBX」をベースに、マスタードライバーである豊田章男氏(モリゾウ)が開発に携わり、「運転する楽しさ」を追求したハイパフォーマンスモデル。
レクサスのブランドイメージとは一線を画す、走りを楽しむための本格的なスポーツモデルとして位置づけられており、レクサスでは唯一「モリゾウ」の名が与えられたクルマです。
ちなみにこの「モリゾウ」は、豊田章男氏がモータースポーツ活動を行う際、「豊田章男」名義で参戦すると「トヨタの重役という立場としての豊田章男」をスポイルするという理由から”世間の目をしのんで”使用するようになった愛称。
2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)で人気を博していたマスコットキャラクター「モリゾーとキッコロ」にちなんだものですが、その後豊田章男氏の”クルマ好き”キャラクターが認知されるようになると、むしろ「豊田章男=モリゾウ」だと認知されることがプラスに働くようになって広くカミングアウトされ、現在では、「モリゾウ」という名前は、単なるドライバーズネームを超え、豊田章男氏の「クルマ好き」「運転を楽しむことへのこだわり」「クルマづくりへの情熱」を象徴するひとつのブランドのような存在になっています。
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レクサスLBX MORIZO RRの主な特徴
- エンジン・パワートレイン:
- トヨタGRヤリスにも搭載されている1.6L 直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTSを採用
- 最高出力304PS、最大トルク400N・mを発揮し、LBXのベースモデルの約2倍以上の出力を確保
- トランスミッションは「Direct Shift-8AT」と、レクサス初の6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)の2種類が設定される
- 電子制御フルタイムAWD(四輪駆動)を採用し、高い走行性能を誇る
- 走行性能:
- 専用プラットフォームと、フロントロアアームに世界初のレスポンス向上減衰構造「REDS(Response-Enhancing Damping Structure)」を採用したサスペンションを用いることにより、高いコントロール性を実現
- スポーツ走行に適したブレーキフィーリングを追求し、フロントにベンチレーテッドの2ピースディスク、リアにベンチレーテッドのディスクを採用(MT車はフロントとリアにスリットローター)
- スポーツ走行時には身体をしっかりとサポートする表皮一体発泡構造の専用スポーツシートを装備
- アルミペダル(アクセル・ブレーキ・クラッチ)を採用し、スポーツ走行時のスムーズかつ正確なペダルワークに貢献
- エクステリア:
- LBXのデザインコンセプト「Premium Casual」をベースに、高いパフォーマンスを裏付けるスポーティなデザインが追求される
- 専用フロントバンパー、19インチ鍛造ホイール、カラードアーチモール・カラードロッカーモールなどにより、低重心でワイドスタンスを強調
- リアには専用バンパーとデュアルマフラーバッフルを組み合わせ、ダイナミックな走りを想起させるデザインを実現
- インテリア:
- スポーティなドライバビリティを追求したコックピット
- 専用スポーツシート、アルミペダル、インテリア加飾などにより、クルマとの一体感を楽しみ、走る喜びを堪能できる室内空間
- MORIZO RR本革を用いたシート表皮にレッドステッチを施し、スポーティさを強調
- ディンプル本革ステアリングホイール/パドルシフトも装備
- 価格と納期
- メーカー希望小売価格は650万円(税込)から
- 現時点での納期は6-8ヶ月くらい
- 車体サイズと重量
- 全長: 4,190 mm
- 全幅: 1,840 mm
- 全高: 1,535 mm
- ホイールベース: 2,580 mm
- 車両重量
- 6速iMT(マニュアルトランスミッション)搭載車: 1,440 kg
- Direct Shift-8AT(オートマチックトランスミッション)搭載車: 1,470 kg
- Bespoke Build (AT車): 1,480kg
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試乗で感じた圧倒的な走りの質感
実際に試乗してまず感じたのは、「いかにも自動車らしい」フィーリング。
近年のクルマには珍しい「音と振動がダイレクトに伝わってくる」仕様を持っており(振動に関していえば、最新のフェラーリやランボルギーニのほうがよっぽど小さい)、これはもちろん意図的なものだとも思われ、まさに豊田章男会長が「うるさくてガソリン臭いクルマが好き」と語っていた嗜好を反映させたものだと思われます。
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そして実際に走り出すと「自動車らしさ」の演出がさらに感じられるようになり、エンジンの回転数とともに上昇するサウンド(室内にアクティブサウンドを流しているそうだ)や振動がますます強くなることで「クルマを運転している」感がいっそう濃く感じられることに。
そして回転数とともにエンジンサウンドが高まるものの「無理してる感」がないのもまたLBX MORIZO RRの一つの特徴で、つまり1.6リッター3気筒とは思えないほどのトルクを絞り出し、それはちょっと曲がりくねった上り坂、かつそれほどスピードが乗らない場所では顕著です。
こういった場では(いかにターボといえど)小排気量エンジンのトルク不足が露呈するものですが、さすがにG16E-GTSはトヨタが誇る高性能エンジンだけあって非常にフレキシブルといった印象です(新開発の8速ATとの組み合わせによってさらにこのエンジンの良さが生きているようだ)。
そのほか印象に残ったのは「車体の安定性」。
加速や減速、そしてコーナリング時の姿勢変化が非常に小さく、これはSUVとして異例のことだとも捉えており、さすがこのあたりは「MORIZO」を名乗るだけのことはあるといった感じです。
加えてブレーキの効きも申し分なく、締め上げられた足回りによってステアリング操作に対しリニアに反応するといった特性を持ち、「サーキット対応」という謳い文句には嘘偽りはないのかもしれません(さすがに公道ではそこまで踏めない)。
全般的に見て「え?これがレクサス?」というほどいままでのレクサスとは乖離があるクルマですが、レクサスの新境地を開くクルマであることも間違いはなく、既存レクサスオーナーが「セカンドカー」として買い求めることも少なくはないのかもしれません。
そしてどんどんガソリン車の生産が終了へと追い込まれる中、このレクサスLBX MORIZO RRは「純然たるガソリンエンジン、そしてその存在を主張する味付け」を持つ稀有な存在でもあり、おそらくは高い価値を維持するものと思われ、「いま買っておいて間違いはないクルマ」なんじゃないかとも考えています。
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