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オーデマ ピゲ 150th スペシャルエクスペリエンスへ。オーデマ ピゲの歴史を学びつつ実際の腕時計に使用される技法を用いてアクセサリーを作ってみる

オーデマ ピゲ 150th スペシャルエクスペリエンスへ。オーデマ ピゲの歴史を学びつつ実際の腕時計に使用される技法を用いてアクセサリーを作ってみる

| 正直、オーデマピゲ関連イベントで「ここまで濃い」内容ははじめてである |

もちろん腕時計そのものの展示内容も「今までにないほど」の充実度

さて、神戸にて開催の「オーデマ ピゲ 150th スペシャルエクスペリエンス」へ。

今年はオーデマピゲの創立150周年に相当し、よって世界的に様々なイベントが開催されているのですが、今回のイベントもそのひとつというわけですね。

ここではオーデマピゲの歴史を学びつつ、その腕時計に使用される技術を学ぶことができるという貴重な場となっています。

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三大雲上ブランドのひとつ、オーデマ ピゲとは

そこでオーデマピゲを簡単に振り返ってみると、スイスの高級時計ブランドとして非常に長い歴史と革新的な技術を持つメゾンであり、御存知の通り「世界三大時計ブランド」の一つに数えられ、その歴史はざっと以下の通り。

  • 1875年: ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲによって、スイスのジュウ渓谷にあるル・ブラッシュで創業
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  • 役割分担: 創業者の二人は、ジュール=ルイ・オーデマがムーブメントの開発・製造を、エドワール=オーギュスト・ピゲが営業・販売を担当し、それぞれの才能を発揮する
  • 複雑時計の専門: 創業当初からクロノグラフやミニッツリピーターなどの複雑機構(コンプリカシオン)を搭載した時計の製造に特化し、高い評価を得る
  • 1892年: 時計製造の歴史上世界初となるミニッツリピーターを搭載した腕時計を製作(ルイ・ブラン&フレールと共同)。
  • 家族経営: 創業以来、一度も他社の傘下に入ることなく、創業者一族による独立経営を現在まで続けている稀有なマニュファクチュール(自社一貫製造)体制を継続
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ちなみにこちらは創業時から今まで続く「本社」ですが、今回のイベントではこの「本社」が強く押し出されています。※150周年イベント向けに制作された「飛び出す絵本」仕様

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技術革新と転機

そしてオーデマピゲは様々な技術革新を行い、様々な画期的な技術を標準化してきたことでも知られていて、会場内にはそれらをわかり易く解説したコンテンツも。

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  • 1946年: 世界最薄の手巻き腕時計(ムーブメント厚1.64mm)を開発するなど、薄型化の技術にも力を注ぐ
  • 1955年: 閏年表示を備えた初のパーペチュアルカレンダー搭載の腕時計を製造
  • 1972年:「ロイヤル オーク」の誕生:
    • クォーツショックという時計業界の危機的状況の中、ジェラルド・ジェンタのデザインによる革新的なモデル「ロイヤル オーク」を発表
    • 高級時計では常識外れとされたステンレススチールケースを使用し、八角形のベゼル、タペストリー模様の文字盤、ブレスレット一体型のデザインという常識を打ち破るもので、ラグジュアリースポーツウォッチという新しいジャンルを確立
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なお、実際に多数の腕時計が展示され(ここまで多くのオーデマピゲ製品を見たのははじめてである)、ロイヤルオーク(コンプリケーション)、CODE 11.59各ラインアップなどを実際に手にとって見ることも可能です(しかもそれらの多くは驚くべきことに購入可能である)。

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ロイヤル オーク以降の革新

  • 1978年: 世界初の自動巻きパーペチュアルカレンダー搭載腕時計を発表
  • 1986年: 世界最薄の自動巻きトゥールビヨン腕時計を開発
  • 1993年:「ロイヤル オーク オフショア」の誕生: ロイヤル オークをベースにより大型で堅牢なデザインのモデルを発表し、エクストリームスポーツに対応する時計として人気を博すことに
  • 2006年: 潤滑油が不要な独自の脱進機「APエスケープメント」を発表するなど、現在も技術革新を続ける
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こういった流れを見てもわかるとおり、オーデマ ピゲは「複雑」「薄型」「ロイヤル オーク」に代表される革新的なデザインと、創業から変わらない伝統的なクラフツマンシップを融合させ、世界の時計史において重要な役割を果たし続けているわけですね。

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会場ではその「技術」が惜しみもなく展示される

そしてこの「オーデマ ピゲ 150th スペシャルエクスペリエンス」の会場ではオーデマピゲが腕時計に用いる技術が惜しみもなく展示され・・・。

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こちらはレジンに埋め込まれたムーブメントのパーツたち。

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こんなふうに美しく埋め込まれ・・・。

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針やダイヤルも。

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こちらは完成済みムーブメントが「球状のレジンに」埋め込まれたもので、この状態でもちゃんと動作します(ちょっと欲しい)。

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そしてこちらは今回のイベントのために新たに製作したというレジンのブロック。

やはりムーブメントに使用されるパーツを並べたものですが・・・。

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こうやって見るとそれぞれのパーツの「薄さ」がわかり、オーデマピゲの「薄さへのこだわり」が理解できる展示でもありますね。

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実際に腕時計に使用される技術を体験してみよう

そこで今回のイベントの目玉が「技術体験」。

これは実際にオーデマピゲが使用する機械を用いて、そしてオーデマピゲの技師の指導のもと、腕時計に使用されている技術を自分で再現してみようという内容です。

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これは「ペルラージュ」を再現するためのツールで、ここにリング状のパーツ(実際にムーブメントの一部に使用されるものと同じ素材とのこと)をセットし、自分でペルラージュを刻んでゆくわけですね。

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そしてぼくが加工したペルラージュがこう。

ペルラージュとは真珠(ペルル)に語源を持つ、円状の文様が重なり合うように連続する装飾加工を指しており、腕時計のムーブメントのほか、昔の自動車のダッシュボードなどに見ることができますね。

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なお、この「重なり具合」「円の再現性」は加工する人の力のかけ方、間隔の調整などによって全く異なるものが出来上がることとなり、つまり今回加工したリングは「ぼくの個性が反映された、ぼくだけの固有の文様」ということに。

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そしてこちらは「ヘアライン(ブラシ)」仕上げを行うための”ヤスリ”で、これは今回のイベントのために用意されたものなのだそう。

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これを使用してリングに「ヘアライン」を入れるわけですが、これもまたその人の力の入れ方などによって「個性」が出ることとなり、ぼくの場合はこう。

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こんな感じで「片側はペルラージュ」「片側はヘアライン」という凄まじくレアな逸品が仕上がるわけですね。

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参考までに、実際の腕時計(ロイヤルオーク オフショアクロノグラフ)に施されるヘアライン仕上げはこう。

実際に自分で作業してみると、腕時計の「ベゼル」「ケース」「(ケースとブレスレットとの)ジョイントパーツ」へと均等な深さにてヘアライン仕上げを行うことの難しさがよくわかり、あらためて技師の技術力の高さには驚かされます。

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ちなみに「ストラップ」は様々なカラーや仕様が用意されており、好きなものを選ぶことが可能です。

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こういった感じで非常に貴重な体験をさせていただき、さらにはその「成果物」までいただけるという満足度の高いイベントでもあり、関係者の方々には深くお礼申し上げます。

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