
Image:PANERAI
| パネライはあくまでも「実用腕時計メーカー」であって機能や見やすさが最優先される |
他の腕時計メーカーのように「技術の視覚化」で戦うのはパネライのやり方ではない
さて、パネライがウォッチ・アンド・ワンダーズにて「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック(PAM 01575)」を発表。
素材は新たに開発されたプラチナベースの合金「パネライ プラチナテック」ですが、その価格は1120万9000円に設定されており、「一見して普通のルミノール」のように見えるものの、あまりに高価な設定であるようにも思えます。
「高価に見えない」のはパネライの流儀でもある
ただ、よくよくその内容を掘り下げてみると、「高価に見えない」のはパネライが意図した”狙い”でもあるようで、このあたりは「実用腕時計にルーツを持つ」パネライならではなのかもしれません。
そこでこの「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック」を詳しく見てみると、ケース素材は上述の通りのプラチナベース、ケース径は44ミリ。
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見た目で変わったところといえば「ブルークリスタル」サファイアを使用した文字盤ですが(サファイアによるスケルトン文字盤はパネライでは”はじめて”かもしれない)、そのほかだと「デイト」「曜日(これもパネライでは珍しい)」「GMT」が目を引くところ。
ただしこれらも1120万円という価格を納得させるに十分ではなく、しかしその最大の特徴は「パーペチュアルカレンダー」内蔵ということ。
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一見すると「そう見えない」のもパネライの意図したところだと思いますが、(先にオーデマピゲが発表した新作同様に)曜日、デイト、月、年(閏年)すべてをリュウズのみで操作できるという機構を採用しており、これによって「通常のルミノール」とほぼ同じ外観を再現しているわけですね。
サファイアクリスタル文字盤はその下にある「曜日」「デイト」をほのかに見せることで精緻さを表現しているように思いますが、その反面パネライの得意とする「サンドイッチ文字盤」を再現できず、代わりにパネライは(エッジを明確にするため)インデックスの外周に「縁」を設けることでこれに対応。
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ムーブメントは開発に10年を要した「3日間のパワーリザーブ」「GMT表示」を有するP.4100で、オフセットされた22Kゴールドのマイクロローターを持ち、「月」「年」「パワーリザーブ」を裏面に表示するという予想外のレイアウトを採用。
通常、ほかの腕時計メーカーだと「その技術を示すため」これらは文字盤上へと示されるものですが、パネライでは裏面にて表示することで「通常のルミノールと同じ外観」を再現し、ある意味では「オーナーにしかわからない」密かな楽しみを裏面に用意している、ということになりそうです。
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そしてこれらはゴールドのローターとともに視覚的なアクセントとしても有効で、「機能を優先する」という、他には見られない「パネライらしい」考え方なのかもしれません。※他の腕時計メーカーであれば、その「加工技術」の高さを視覚的にアピールするため、コート・ド・ジュネーブ、サーキュラーグレイン、スネイリングなどの仕上げが押し出される事が多い
パネライ「ルミノール パーペチュアルカレンダー GMT プラチナテック」を紹介する動画はこちら
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