アウディは次期A1を開発中と伝えられますが、そこで「次期A1は現行に比べて大幅な進化をとげることになる」というウワサ。
次期アウディA1はあらゆる面でミニ(ハッチバック)に勝ることが目的で、セグメントリーダーになることが使命として掲げられていると伝えられており、新型プラットフォームが採用される、としています。
このプラットフォームはアダプティブ・ダンピング・コントロールに対応したサスペンションを持つとしていますが、これによってハンドリングや快適性が大きく向上する可能性が大。
なお、ミニのサスペンション形式はフロントが「ストラット」、リアが「マルチリンク」。
対して現行A1はフロントが「ストラット」、リアが「トーションビーム」。
サスペンション形式のみが走行性能を決めるわけではないものの、ミニとA1とのリアサスペンション形式のはけっこう「大きな差」といえます。
どういうことかと、まずミニのサスペンションはこんな感じ(R56ですが)。
リアのみだとこんな感じ。
車体中央付近から「アーム」が伸びていて、これがホイールへと「ハブ」を介して取り付けられているのがわかります。
この形状だと左右の車輪が独立して動き、接地性が高まることに。
この「マルチリンク」は1980年代に開発されたものですが、けっこう複雑かつ高価な形式で、これがミニのようなコンパクトカーに採用されているのは極めて異例。
この「マルチリンク式サスペンション」の採用を見ても、ミニがいかにコストのかかっている車であるか、そして走り(乗り心地も)を意識しているか、がわかりますね。
そしてこういったところば、ぼくがミニを高く評価している部分でもあります(ハッチバックに4WDがあり、電気式パーキングブレーキが採用されていれば間違いなく購入していた)。
アウディA1はこちら。
リアサスペンション形式は「トーションビーム」で、これは「車軸式」とも。
要はリアタイヤ左右が「一本の棒で」つながっていて、その棒とタイヤが一緒に動くということになります。
よって片側が上がれば片側が下がると言った具合に「もう片方のタイヤも」必ず片側の影響を受ける構造ですね。
ただ、A1の名誉のために言っておくと「これが普通」で、けしてA1がコストをケチっているわけではなく、やはりミニのほうが特殊だと考えたほうがよさそう。
なお、先代シビック(もちろんタイプR含む)のリアサスペンションはこのトーションビームで、これがぼく的に「どうしても引っかかった」部分ではあります。※新型シビックのリアサスペンションはマルチリンク
上述のようにサスペンション形式が走りを決めるわけではなく、現代ではトーションビームのデメリットを解決するセッティングも出てきているため「トーションビームが劣る」わけではないものの、いかに最近のトルコン式ATの性能が優れようとも「スポーツカーにトルコン式ATはちょっと」と考えるのと同じで、これはぼくの偏見と言える部分かもしれません。
改めてサスペンション形式についてはそれぞれ説明を行いたいと思いますが、下記にざっと(主なサスペンション形式のみ)ウィキペディアへのリンクを貼っておきます。
マルチリンク式サスペンション(マルチリンクしきサスペンション、英: Multi-link suspension)は、サスペンション形式の一つで、基本的な上下に並んだアームによるダブルウィッシュボーン式サスペンションのリンク構造に加えて、より多くのリンクによりジオメトリ変化を制御する構造である。
ストラット式サスペンション
ストラット式サスペンションとは、サスペンション方式の一種で、テレスコピックショックアブソーバー自体を懸架装置とし、それにばねと車輪を取り付けた構造のもの。考案者のアール・マクファーソンにちなんでマクファーソン・ストラット (MacPherson Strut) 式とも呼ばれる。
ダブルウィッシュボーン式サスペンション
ダブルウィシュボーン式サスペンション (Double wishbone suspension) とは、自動車の懸架の方式のひとつで、独立懸架に分類される。
上下一対のアームでタイヤを支持するもので、レーシングカーではほとんどがこれを採用している。スポーツカーにも多い。一般の乗用車では前輪独立懸架の主流方式として1930年代から1980年代まで広く採用されたが、1970年代以降は小型車を中心に広まったストラット式サスペンションなどに主流を譲っている。
トーションビーム式サスペンション
トーションビーム式サスペンション(Torsion beam suspension)とは、自動車のサスペンション形式のひとつ。カタログには「車軸式」などと表記されることもあるが、左右の車輪が車軸で連結された車軸懸架とは異なる。英名でTwist-beamとも呼ばれる。