| 多くのライバルが「少しづつ」シェアを伸ばすことでテスラはその販売をジリジリと侵食されている |
EV市場が拡大する一方、テスラは今ひとつ「波に乗れない」
長年にわたり、テスラは(米国ではもっとも環境意識の高い)カリフォルニア州の電気自動車市場で圧倒的な存在感を誇ってきたものの、2024年の販売データを見るとその支配力に変化の兆しが見られ、市場シェアが60.1%から52.5%へと低下していることがわかります。
実際のところ、テスラ以外のほとんどの自動車メーカーは電気自動車市場においてシェアを拡大しており、つまりテスラは「電気自動車市場が拡大する中、シェアを維持できずに失うのみ」となっているわけですね。
ただしテスラはそれでも「今なお強い存在感を誇る」
今回の統計を受け、カリフォルニア州新車ディーラー協会(CNCDA)は次のように指摘しています。
「カリフォルニア州のEVメーカーであるテスラにとって、状況はそれほど『ゴールデン(黄金)』ではなくなってきています。テスラのEV市場での支配力は衰え続けており、5四半期連続で登録台数が減少しています。」
ただし、そうは言うもののテスラの支配力は未だ強く、昨年「(すべてのパワートレイン含め)もっとも売れた」自動車となったモデルYは当然ながらEV市場でも圧倒的なトップであり、2位のモデル3には倍以上、3位のヒョンデ・アイオニック5には7.6倍もの差をつけています。
なお、以下はカリフォルニア州でのBEV(バッテリーEV)・PHEV(プラグインハイブリッド)販売ランキング(2024年)。
順位 | 車種 | タイプ | 登録台数 |
1 | テスラ モデルY | BEV | 128,923 |
2 | テスラ モデル3 | BEV | 53,056 |
3 | ヒョンデ アイオニック5 | BEV | 16,879 |
4 | フォード マスタング Mach-E | BEV | 10,874 |
5 | トヨタ RAV4 | PHEV | 9,474 |
6 | テスラ サイバートラック | BEV | 9,019 |
7 | リヴィアン R1S | BEV | 8,721 |
8 | テスラ モデルX | BEV | 8,585 |
9 | BMW i4 | BEV | 8,396 |
10 | ジープ ラングラー | PHEV | 7,978 |
これを見ても、(販売台数は減少したものの)テスラが依然としてマーケットリーダーであることがわかりますが、テスラに次ぐEVメーカーでとなったヒョンデ(現代)は市場シェアを4.4%から5.9%に拡大し22,718台を販売することに。
そのほかだとキアとキャデラックの成長が目立ち、特にキャデラックは「リリック」の成功により前年比296.9%増という驚異的な伸びを記録していますが、その一方でフォルクスワーゲンは55.6%減少して販売台数が半減、シボレー(GM)も5.0%から3.8%にシェアを落とし、販売台数も19,145台から14,553台へと減少しています。
その他の主要メーカーの動向(2024年の販売と前年比)は以下の通りで、これを見るに、「各メーカーのちょっとの伸び」が重なってテスラのシェアを削っているといった印象ですね。
- BMW:14,465台 → 18,664台(+29.0%)
- メルセデス・ベンツ:15,724台 → 17,369台(+10.5%)
- フォード:16,070台 → 17,317台(+7.8%)
- リヴィアン:10,277台 → 12,020台(+17.0%)
- キア:8,008台 → 13,943台(+74.1%)
- キャデラック:1,319台 → 5,235台(+296.9%)
- フォルクスワーゲン(VW):12,259台 → 5,440台(-55.6%)
そしてもうひとつ、2024年のカリフォルニア州でもっとも売れたクルマ(すべてのパワートレイン含む)は以下のとおりですが、ここでもやはりテスラ・モデルYの強さが際立っています。
順位 | 車種 | 登録台数 |
1 | テスラ モデルY | 128,923 |
2 | トヨタ RAV4 | 65,041 |
3 | トヨタ カムリ | 55,027 |
4 | ホンダ シビック | 53,049 |
5 | テスラ モデル3 | 53,056 |
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参照:Carscoops