香港ではこれまでテスラに対して税制優遇措置が与えられていましたが、それが終了した4月以降に登録されたテスラ車はなんと「ゼロ」。
中国本土での登録は5台あったそうですが、香港内では「まったくのゼロ」とウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
ただ、この「税制優遇措置終了」は2月に発表されており、そのため「駆け込み需要」として3月に2,939台が登録されるなど相当の台数が直前に売れたようではあります。
この2,939台がどんなものかというと、テスラの「2017年1-4月の全世界での販売」が約25,000台。
これを4で割ると「1月あたり6,250台」となり、いかに「香港で、一ヶ月だけで2,939台」が多いかがわかりますね。
香港はもともと排ガス規制の厳しい地域だと聞いており、かつては(規制をクリアできない)輸入車に規制を満たすための装置を取り付けることがあり、これによって相当なパワーダウンが余儀なくされたとも言われています。
そのためEVに対する取り組みにも熱心で、テスラを販売開始した次期もかなり早く(その頃はテスラ・ロードスターしか無い)、そしてファンクラブも発足したほど。
よってEV普及のためにインセンティブを出すのはごく自然な流れだとは思いますが、今回なぜ「税制優遇廃止」になったのかは謎。
予想より多くのテスラが登録されたからなのか、そのせいで「売れなくなった」メーカーからの圧力があったのかはわかりませんが、テスラ・モデルSの最終価格が優遇されていた時代の「倍くらい」になってしまっており、駆け込み需要の多さ、また優遇撤廃後の「ゼロ」についても頷けます。
なお、こうなると「中古市場」での価格も上昇しそうですが、そうなった場合は「優遇のあった時代」に購入したオーナーには色々とメリットが、ということになりそうですね。
テスラが来年(2017年)1月からイギリスにおいて値上げを行う模様。
これはおよそ5%の値上げとなり、公式と考えて良さそうです。
加えてテスラは来年以降に購入するとその充電設備「スーパーチャージャー」の使用について、現在の「無料」から「有料」となり、購入するなら年内が絶対的に有利と言えますね。
現在テスラはEVのみならず「サルーン」というカテゴリにおいて非常に強力な存在となっており、単月では「サルーン」というカテゴリにおいて「メルセデス・ベンツSクラス、アウディA8、BMW7シリーズを足した」数よりも多くの台数を販売(北米)するなど、その存在感は日に日に増している状態。
そのため「強気」の値上げとも受け取ることができますが、今後はルシード・モータース、ファラデー・フューチャーなどテスラを明確にターゲットとしている後発も登場しそうであり、実際に発売できればという但し書き付ですが、どこまで競争力を発揮できるのか、消費者がどういった選択をするのかは成り行きに注目したいところです。
テスラがモデルSのエントリーグレード、モデルS 60を発売。
これはバッテリー容量を小さく(60kWh)設定して価格を抑えたもので、モデルS P90の90,700ドルに比較して67,200ドルと25%ほど価格を下げた設定となっています。
もちろんそのぶん走行距離も短くなっており、210マイル(340キロ)に短縮。
なおバッテリー自体は75kWhまでに対応し、購入者は有償(9000ドル)にてアップグレード可能、とのこと。
もっともベーシックな後輪駆動バージョンは315馬力で0-100キロ加速が5.5秒。
4WDバージョンのモデルS 60D(70,200ドル)になると328馬力、0-100キロ加速は5.2秒に短縮されます。
なおモデル3ではテスラのスーパーチャージャー(充電器)の利用が有償になりますが、このモデルS 60/60Dはスーパーチャージャーを無償で使用できる、とテスラは発表しています。