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同じ「自動駐車」でもメーカーによってこれだけ違う。その作動原理、作動可不可な状況を見てみよう

2018/02/09

| 同じ自動駐車でもその作動ロジックは全然違う |

さて、現在各自動車メーカーが力を入れている「自動運転」。
その機能の一つに「自動駐車」がありますが、このロジックは各社で異なり、それぞれ「使える場面」と「使えない場面」が出てきます。
こういったメーカー間の差は「技術の差」というよりは「保有している特許の差」と言えるかもしれません。

各社が協力すれば技術革新はもっと速そう

つまりは他社が先に特許を取ってしまうと、その技術は(使用料を払ったりクロスライセンス契約を結ばないと)使えないことになり、しかたなくその特許を回避する(別の方法を用いた)作動原理を持たせる必要が出てくるわけですが、ここでその端的な例を見て見ましょう。

日産の自動駐車はカメラがメイン

まずは日産の「自動駐車(プロパイロット=ProPilot)」。
日産の場合、その車がどこに駐車するかを(車が)判断する場合、白線をカメラが認識することによって駐車スペースを探します。
そして「白線と白線との間」に駐車可能だと判断した場合のみに自動での駐車が行われることに。

ただ、ここでいくつか問題があり、最大の問題は「白線がない場所には自動駐車できない」こと。
車に備え付けられたカメラが白線を確認できないと、「何を基準に」駐車したらいいのか(車が)判断できない、ということですね。

そして他に考えられる問題は、横にある車との距離ではなく「白線を」駐車の基準にするので、横にある車がその車の「枠」にちゃんと収まらず、こちら側に寄っていたら駐車したのちにドアを開けるスペースが十分に確保できない場合もあること(パーキングセンサーとの併用で、一定の距離を保って駐車するとは思われる)。

メルセデス・ベンツの自動駐車は「センサー」メイン

次はメルセデス・ベンツの採用するロジック。
こちらは「白線」は関係なく、「車と車との中間」に駐車するように設計されています。
日産が「カメラ」中心であるのに対し、メルセデス・ベンツは「センサー」で車両両脇にあるものを測定し、その間に車を収めるということですね。

これについても問題があり、まず「両脇に何もないと駐車できない」。
つまりセンサーが「自車との位置関係を把握する基準がないために」駐車位置を決めることができないということですね。
これは「両脇」に車があることが必須で、「片側だけ」に車が停まっていても作動不可。

なお、センサーが「自車との位置関係」を計測できれば、周囲にあるものは「車」でなくともOK。
つまり「壁」でもそれは構わないということですが、よって車と車との間にある「スペース1」、もしくは車と壁との間の「スペース2」にしかメルセデス・ベンツは自動で駐車できない、ということに。

これについても、車A、車Bが正しい位置に駐車していることが前提で、このどちらかが白線(駐車枠)を跨いでいたりすると、自分の車も変な位置に停まってしまうことに。



これらはおそらく「特許」の差だと思われるものの、ダイムラーと日産は提携関係にあるので、手を組めばもっと完璧に近い自動駐車システムができるのに、と思ったりします。

なおテスラの自動駐車は日産とメルセデス・ベンツ両者をミックス(センサー+カメラ)したような感じで、降車時には自動でドアまで開けてくれるのですが、そのドアを開ける幅もセンサーにて「隣の車に当たらないよう」調整してくれる、という優れモノ。

ぼくは車の運動性能に加え、こういった次世代テクノロジーにも強い関心を持っていて、試乗の際には新しい技術そして作動する状況、実用に足るかどうかを判断するようにしています(へえこんな機能があるんだ、おおスゲー、では終わらない。なぜそのように動作するのか、を考えるようにしている)。

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