| 様々な紆余曲折を経て、このポルシェ911RSRは当初の姿へとレストアされることに |
さて、1974年製のポルシェ911RSR IROCが中古市場に登場。
この911RSR IROCはインターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズ(International Race of Champions=IROC)のために15台のみが生産されたうちの1台だそうですが、エマーソン・フィッティパルディのドライブにてポールポジションを獲得したこともある個体だと紹介されています(該当レースにおいて、エマーソン・フィッティパルディはドライバーズミーティングに遅れてやってきたため、10グリッド降格のペナルティを課された)。
一時は麻薬王の手に渡ったことも
その後この911RSRは別のチームに販売されるも同じくインターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズ、セブリング12時間、デイトナ24時間を(1978年まで)戦ったとされています。
さらにその後、このクルマはコロンビアの麻薬王、パブロ・エスコバルの手に渡り、935のボディに換装されてレースを走ったこともあるとされ、しかし1993年にパブロ・エスコバルが殺害されたのちはずっと倉庫に保管されており、その後ロジャー・ペンスキー(レーシングドライバーで、レーシングチームも運営する自動車業界の大御所)の手によってアメリカへと戻されることに。
ロジャー・ペンスキー氏はこの911RSRをレストアするとともに、エマーソン・フィッティパルディがドライブした際のスペックへと戻していますが、それが今回売りに出されている仕様ということになりますね。
その販売価格は220万ドル(約2億4000万円)
なお、この911RSRの販売価格はなんと驚愕の2億4000万円。
ただしこの価格が「異常」なわけではなく、15台のうちの1台はポルシェコレクターであるジェリー・サインフェルドに2億5000万円で売却されたこともある模様。
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911RSRには様々なバリエーションが存在する
搭載されるエンジンは3リッター・フラットシックス(自然吸気)。
1975年にも911カレラRS3.0を改造したカレラRSRが52台製造されており、カレラRS2.7を改造したバージョン、さらにターボエンジンを搭載したバージョンも存在するようですが、生産台数の少なされでは、この「IROC」911RSRが群を抜いている模様。
なお、「911RSR」は競技専用車として、今日に至るまでその名が受け継がれています。
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参照:DuPont Registry