| 当時、いったいどれくらいのケーニッヒ製フェラーリが作られたのかはちょっと気になる |
今見ても、(そのデザイン的賛否はさておいて)けっこう細部にいたるまでよく作り込まれているようだ
さて、1980~1990年代にメルセデス・ベンツやポルシェ、フェラーリのチューニングで名を馳せたケーニッヒ。
今回、そのケーニッヒが1990年にカスタムしたフェラーリ348TSが英国にて売りに出されることとなっています。
出品者の情報によると、このフェラーリ348TSは、フェラーリの工場から出荷されてずぐにドイツのケーニッヒへと送られることになり、そこで「ケーニッヒ・スペシャルF48」と呼ばれるコンプリートカーへと改造されることに。
なお、見ての通りフェラーリのアイコンのひとつでもあるF40からデザイン上のインスピレーションを受け、ボディワークの完全なるオーバーホールとメカニカルな改造が施されています。
ケーニッヒスペシャルF48のエンジンは「ターボ」化
そしてこのケーニッヒ・スペシャルズF48ですが、フロントにはF40を連想させるバンパーが装着されてフェンダーがワイド化されることに。
このフロントフェンダーはドアパネルと「段差」がつけられ、ここもまさに「F40」っぽいところ。
そして再度だとドアパネル、リアフェンダーも変更されています。
リアもF40っぽいウイングに、やはりF40を意識したと思われるエンジンフード(スリット入りのクリアパーツ)やリアグリルが装着されており、しかしウイングは経年劣化のためか変形しているようにも見えますね。
ホイールはOZ製の3ピースが装着され、ディスク部はボディカラー同色にペイントされ、リアホイールのリムの深さが「90年代のチューンドカー」っぽい雰囲気を出している、と思います。
エンジンにはターボチャージャーがプラスされ、これによってノーマルの320馬力から一気に520馬力へとパワーアップ。
これにあわせてECU、インタークーラー、サスペンション、ブレーキディスク(フロントにはカーボンセラミック、リアにはスチール)が投入されており、全般的にアップグレードが施されているもよう。
なお、エアクリーナー(2つの丸い物体)とインタークーラーの配置がある意味で芸術的だと思います。
フェラーリ348TS ケーニッヒ・スペシャルF48のインテリアはこうなっている
そしてこちらはケーニッヒ・スペシャルF48の内装。
外装に比較するとけっこう地味で、いったいどこにケーニッヒの手が入ったのかわからないほどです。
マットのイエローレザーパイピングはケーニッヒによるものかと思いますが、そのほかはノーマルのまま残されている部分が多いのかもしれません。
ただしセンターコンソールには大きなブースト計が追加されており、意外と自然に溶け込んでいますね(ただ、このクルマはかなりのドッカンターボだと思われ、運転中にはとてもこれを見ている余裕はないと思う)。
全体的に見て、意外と高いレベルでチューン/カスタムされているという印象ですが、1980-1990年代にあれだけ人気があったのも、それに見合ったクオリティのカスタムを行うだけの実力があったからなのでしょうね。
この個体については「2台しか製造されなかった右ハンドルのフェラーリ348TS ケーニッヒ・スペシャルズF48のうちの一台」だとされ、サービスブック、348のテクニカルマニュアル、インボイス(修理明細)その他の付属品が揃うとのことで、けっこう大切に乗られてきたのかもしれません。※ニューカッスル・ユナイテッドFCの副会長であったダグラス・ホール氏が所有していたらしい
なお、走行距離は40,666マイル(65,445km)を数えており、つまりは「深刻なトラブルもなく、走行距離を伸ばしてきた」ということを意味するのかもしれません。
参考までに、ケーニッヒのカスタムについてエンツォ・フェラーリは(存命中)否定的であったといい、「即刻、そのクルマからフェラーリのエンブレムを外せ」という通告を公式に送ったとも言われています。
あわせて読みたい、ケーニッヒ関連投稿
-
バブルの象徴「ケーニッヒ」!その超ワイドボディを身にまとう「ポルシェ928ケーニッヒスペシャル」が競売に登場
| ケーニッヒスペシャルは最近になり再評価の動き | ケーニッヒによるチューンが施されたポルシェ928がRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。ケーニッヒ(KOENIG SPECIALS)は198 ...
続きを見る
-
エンツォを激怒させたいわくつきのケーニッヒ・テスタロッサがオークションに登場
| バブル期の日本ではテスタロッサが大人気 | 1988年製のフェラーリ・テスタロッサをケーニッヒがカスタムしたコンプリートカーがオークションに登場予定。ケーニッヒとF40/F50をかけあわせたような ...
続きを見る