よく問い合わせをいただく、スーパーカーの購入について。
「どうやったら買えるのか?」「何をしたらいいのか?」というものが多いのですが、ぼくがいつも考えるのは「お金の計算ができれば買える」ということです。
「お金をたんまり持っていないと買えない」と考えがちですが、現在は過去まれに見る「低金利時代」なので、借金をして買うという気合さえあれば十分に買える、と考えているのですね。
これは単に考え方の差で、「投資」に対する考え方だとも言え、しかし日本は一般的に借金を嫌い、かつ「純血主義」的傾向があります。
どういうことかというと、たとえば「飲食店を開きたい」と考えた時に、「自分が一流の料理人でなければならない」と日本では一般に考えられている、ということです。
よって調理専門学校に行ったり、有名料理店に弟子入りしたりして腕を磨きながらお金を貯めて機を見計らい「独立」する、という流れが一般的。
一方で欧米、とくに米国だと、料理ができなくても「こんなコンセプトの面白いレストランを思いついた」と考えた時、そして経験もお金もない時に、「銀行で金を借りてこよう」「料理人はどこかから連れてこよう」と考えるわけですね。
つまり経験やスキル、お金がなくとも「アイデア」だけで勝負してしまうという風土があり、ここが日本の「料理店を開くなら自分が一流の料理人でなければ」という考え方と違う、ということです。
「純血主義」についても同様で、たとえばルイ・ヴィトンは業容を拡大するのにロエベ、セリーヌ、フェンディなどのブランドを買収。
さらに腕時計事業を拡大しようと考えるとゼニスやホイヤー、ウブロを傘下に収めたり、さらに客層を拡大しようと考えると先日騒動になった「シュプリーム」とコラボ、と言った具合に「ルイ・ヴィトン本体のみにこだわらない」という性質が見られます。
自動車だとフォルクスワーゲン・アウディグループが典型的で、ベントレーやランボルギーニ、そしてポルシェを傘下に収めて「グループとしての」利益を拡大しているわけですが(自分たちにないマーケットや技術をお金で買う)、一方トヨタやホンダなど日本の自動車メーカーは「買収」を嫌う傾向にあり、成長しようと考えた時に「トヨタ本体」「ホンダ本体」でなんとかしよう、とする傾向があります。
簡単に言うと、日本的な方法だと「手持ちの資金と経験で何とかする。ない場合は蓄積するまで待つ」、欧米的手法だと「前に進むために、無いものはどこかから引っ張ってくる」ということに。
日本的手法は確実に自分にスキルが身につきますが、それがほかに対抗しうるレベルになるかは不明。
欧米的手法では自分にスキルがなくとも、一流のスキルを(お金で)手に入れることができる。
ということになりますが、ものを買うときの考え方だと「日本は貯めてから買う、欧米は買ってから払う」ということになるのかもしれません。
かつ、欧米は「スペシャリスト」を有効に使う、という考え方があり、銀行はお金を用意してくれる「スペシャリスト」、料理人は「料理のスペシャリスト」、自分は「ビジネスのスペシャリスト」というわけで、自分がなにかビジネスを始める際に、必ずしも専門技術を有する必要はない、ということですね。
もうひとつ脱線すると平均価格帯1900万円という腕時計「リシャール・ミル」の創業者であるリシャール・ミルは自らは腕時計制作はできず、しかし優れたコンセプトを持っていたので、そのコンセプトを製品にできる「職人」を使ってコンセプトを製品という「視覚化」に成功。
そのコンセプトとは「腕時計のF1」で、コスト度外視で、少数のお金持ちだけが買ってくれればそれでOKというもので、ただ単に「いい時計が作りたかった」というだけの人ですね。
これが「腕時計メーカーを興すには、自分が腕時計を作れなくては」と考えていたら今の成功はなかったかも、ということです。
これはスティーブ・ジョブズも同じで、自分ではプログラムは書けなくても完成した製品をイメージできる、つまり「自分はオーケストラの指揮者」であって、楽器を演奏するのは専門家の行うこと、と捉えていたのにも似ていますね。
加えて欧米にはこういった「優れたコンセプト」に投資する投資家という職業すらあるのも特徴ですが、これは現在日本でも「クラウドファンディング」という形で利用が可能。
かなり本題からそれたものの、要は「スーパーカーを買う」と考えた時に「お金が貯まるのを待っていては」(リッチな人々を除くと)いつまで経っても買えないので、思い切って借金して買ってみて、そこからお金を返したほうが良い、ということです。
日本的に「貯まるまで待つ」のでは限界がありますし、であれば欧米的に「お金を借りて自らの可能性を広げる」ほうが人生楽しいんじゃないか、ということですね。
モノが無いのにお金を貯めるのは辛いけれど、モノがあればそのために頑張れる、ということもあると思うのです。
つまり「スーパーカーを買えない」理由は金銭ではなく、最初から「自分には無理」「お金が無い」と諦めている自分の心であって、その心さえ解き放てば無限の可能性がある、ということに(スーパーカー購入については金銭的障壁よりも心理的障壁のほうが高い)。
ただ、無謀にお金を借りると待っているのは「破滅」の二文字なのでお金の計算はしっかりと。
頭金を貯めるにしても毎月どれくらい貯める、借りるお金はいくらか、返すお金はいくらか、など。
そしてちゃんと計算して「ヤバいとなったときに車がいくらで売れるか」も計算しておいたほうがいいかもしれません。
ぼくの経験上ですが、「買いやすい」スーパーカー筆頭は「マクラーレン」。
これは毎月の支払いを自由に調整できるので、収入に合わせた支払いプランを作成可能。
ただし最終回には「まとめて」支払う必要があるので、そのときに「車両を売却して追金が出ないよう」にプランを調整したり、ある程度の期間保有する(払い続ける)ことは念頭においておく必要があります。
次いで買いやすいのは「フェラーリ」。
これは圧倒的にリセールが良いためで、3年後でもその残価がなんと75%。
さらに維持においても消耗品などが7年間無料であり、ランニングコストもスーパーカー中「最も」安価に抑えることができます。
逆に「買いづらい」スーパーカーはホンダNSX。
これは残価設定ローンが使えないので、ある程度の資金がある、もしくは毎月相当額を支払える場合でないとキツい、と考えています。
以下はぼくがスーパーカー購入にあたり考えたこと、取得した見積もりや支払いプランなど。
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