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VWが初の量産ピュアEV「ID.3」発表!「思想的にはビートルの再来だ。価格については340万円以下にできるよう頑張る」

2019/09/10

| 航続可能距離は最大500キロ。11月から生産開始 |

フォルクスワーゲンがついにそのEVシリーズ「ID」の第一弾、ID.3を発表。
フォルクスワーゲンによると、1938年に発売したビートル(安価に大量生産したことで、自動車の普及に貢献した)の役割と同じく、EVを大量に普及させて環境を変えることを目的としており、ID.3は”イデオロギー的なビートルの後継”。

プラットフォームはEV専用の「MEB」を採用し、ID.3はちょうどゴルフのような5ドアハッチバックスタイルを持ち、一回の満充電あたり航続可能距離は最大で550キロ(オプション内容による)。

フォルクスワーゲンID.3は世界を変えるか

フォルクスワーゲンID.3はもちろんピュアEVですが、多くのメーカーが「EVを発表だけしてなかなか生産しない」のとは対象的に、11月から生産を行うと宣言。
すでに3万件以上のバックオーダーを抱えている、とも発表されています。

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デザイン的には「強烈なインパクト」はなく、適度な未来感を持ったコンパクトカー、という印象。
これはフォルクスワーゲンが「誰にでも受け入れられるように」と考えた結果で、あえて「アク」を抜いたのかも。
なお、フロントバンパーやCピラーにはメッシュ風、そして粗密なグラフィックを持ったデザインが与えられていますが、これは最近のフォルクスワーゲン、そしてアウディが好んで用いるモチーフ(発表されたばかりのアウディRS7スポーツバックにも同様のデザインが見られる)。

もっとスマートフォンのような、「ツルリ」としたデザインを採用してくると考えていたのですが、以外にも「up!」よりも普通だという印象です(とくにテールランプはかなり普通だという印象)。

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今回発表されたID.3はシングルモーター仕様、そして重量はもっとも軽い仕様で1,719kg。
バッテリーは3種類から選択でき、ベースモデルは45kWhで航続可能距離は330km、その上は58kWh(420km走行可能)、最も容量が大きいもので77kWh(550km走れる)。
充電については、急速充電器を使用すれば290km走行分を30分でチャージできるようですね。

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モーターのレイアウトは「リア」、駆動輪ももちろん後輪。これによって室内空間を最大にできるほか、フォルクスワーゲンによれば「俊敏な加速が可能」。※このあたりも、室内を最大限とするためにRRを採用した初代ビートルと似ている

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エレクトリックモーターの最高出力は204馬力だそうですが、加速タイムについて公表はなく、しかし最高速は160km/hに制限される、とのこと。
この「160km/h」については、車両の性能ではなく、「バッテリー保護」という側面から設けられていると思われ、発熱や消耗を防ぐためなのでしょうね。

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なお、今回ID.3の発売に際し、注文できるのは「ID.3 1ST(オフィシャルフォトで公開されたもの)」なる、初回生産モデルのみ。※グレードは3つある
おそらく、新しい工場で、まったく新しいクルマを生産するため、フォルクスワーゲンとしては「仕様を絞って、混乱を避けたい」のかもしれません。

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装備としてはカーナビゲーションシステム、フロントシートヒーター、ステアリングホイールヒーター、18インチホイール等。
標準装備としての「シートとステアリングホイールにヒーター」というのは珍しいと思いますが、これは「バッテリー用のヒーター(寒いとバッテリー性能が下がる)を内蔵しているので、ついでに」ということかもしれません。
うがった見方をすれば「バッテリーの消耗を避けるため、(空調の方の)ヒーターの温度を高く設定できないようにしており、そのためにシートヒーターとステアリングホイールヒーターがないと耐えることができない」からなんじゃないかと思ったり。

ぼくはしばらくBMW i3に乗っていたことがありますが、i3ではヒーターの温度上限を設定しているようで、ヒーターをMAXにしても冬場の寒い日は車内の温度が上がらず、寒い思いをしたことも(これはもちろん、バッテリー保護のために意図的に設定しているだと考えている)。

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このID.3 1STには「ベースモデル」のほかに「プラスローンチ」なる装備充実グレードがあり、これはパーキングカメラ、アダプティブクルーズコントロール、スマートキー、マトリクスLEDヘッドライト、プライバシーガラス、19インチホイールが装備される、とのこと。

そしてもうひとつ、最上級グレードとして「MAX」も用意され、これにはヘッドアップディスプレイ、ビーツ製プレミアムオーディオ、パノラミックルーフ、20インチホイールが装着されています。

気になる価格については、正確な数字は出されていないものの、フォルクスワーゲンによると「ベースモデルで3万ユーロ(邦貨換算で約355万円)以下になるように頑張る」。
かつてフォルクスワーゲンは、IDシリーズについて、「同クラスのガソリンエンジンモデルと同等の価格を実現する」という発言を行っていましたが、やはりそれはちょっと難しそう。

フォルクスワーゲンID.3のインテリアはこうなっている

こちらはID.3のインテリア。
かなりシンプルといった印象ですが、これはひとえに価格を抑えるためだと思われます。
つまりID.3は「プレミアム」セグメントに属するEVではなく、普及を目指した「実用的な」EVということを意味し、これもやはり「ビートル」っぽい部分ですね。

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参考までに、コンパクトクラスながらもこれと対極にあるのは「ホンダe」。
ホンダeはドアミラーの代わりに採用したカメラ、インテリアでは「ダッシュボードが全部液晶パネル」といった仕様を持っており、どうしても高くなってしまうEVに対してプレミアムな装備を付与し、さらに価格を上げた(450万円くらいだと言われている)うえで「高くなる理由」を正当化したクルマだと言えます。

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なお、ペダルはなかなかに面白いデザイン。
デジタルネイティブには直感的に操作がわかる表示ですね。

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フォルクスワーゲンID.3のシャシー構造はこうなっている

ID.3に採用されるシャシーはこんな感じ。
典型的なEV専用プラットフォームで、テスラやポルシェ(タイカン)、ジャガー(I-PACE)、BMW(i3)同様に、フロアにバッテリーを敷き詰め、それに前後のモジュールを組み合わせたというもの。
そしてこの上にボディを載せる、ということになりますね。

なお、IDシリーズはこれから様々なバリエーションが投入されることになりますが、それらにあわせ、またオプション内容によってバッテリー容量を拡大したり、2モーターに発展させたり、と様々な形態に変更できるようです。

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