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【動画】なぜレッドブルはタイの地元ドリンクから世界で知られるようになり、創業からわずか17年でF1チームを手に入れたのか?はじまりは歯磨き粉販売員のアイデアだった

【動画】なぜレッドブルはタイの地元ドリンクから世界で知られるようになり、創業からわずか17年でF1チームを手に入れたのか?はじまりは歯磨き粉販売員のアイデアだった

| レッドブルは「速く走ること」だけを考えて名声を築いてきたF1チームとは異なり、「ビジネス」としてF1を走っている |

もともとは歯磨き粉のセールスマンの「思いつき」からはじまった

さて、レッドブルというと今やその名を見ない日はないというほど幅広い分野のスポーツそしてカルチャーに関与しており、そしてなんといっても最強のF1チームを所有していることでも知られます。

レッドブルという会社そのものは1978年に設立された飲料メーカーに端を発しますが、その飲料メーカーが短い期間で成長を遂げ、フェラーリやマクラーレン、メルセデスを打ち負かすほどのF1チームを所有するに至っているわけですね。

もともとレッドブルはタイの低所得層向けのエナジードリンクだった

そして今回ドーナツメディアが「レッドブルはどうやってF1チームを所有するに至ったのか」という動画を公開していて、ここで簡単にその内容を紹介したいと思いますが、まず飲料としてのレッドブルの前身は、タイにて販売されていた「Krating Deang(クラティン・デーン)」なるエナジードリンク。

このKrating Deangはタイの起業家、チャリアオ・ユーウィッタヤーが開発し販売を行ったもので、もともと同氏は「タイで人気だったリポビタンDのシェアを獲得しようと」これを開発したとされ、砂糖やカフェイン、タウリン、ビタミン等を配合してエナジードリンクを作り、ここに混ぜたのがKrating Deang(クラティン・デーン)なる成分。

ちなみにこのKrating Deangとは(赤いガウル※ガウルは牛の一種)という意味で、この英語訳がそのまま「レッドブル」ということになります。

なんでも当時タイは急速に発展し、労働者が過労死する案件が多発したそうで、ここでもともと製薬会社を営んでいたチャリアオ・ユーウィッタヤーが自身の経験を活かし、そして新しいビジネスチャンスを求めてこのクラティン・デーンを混入したドリンク、その名もズバリ「クラティン・デーン」を製造販売することに。

果たしてその戦略は大きくヒットし、たちまちクラティン・デーンはタイの労働階級に受け入れられることになるのですが、ここで登場するのがオーストリアのビジネスマン、ディートリッヒ・マテシッツ。

同氏は1984年にタイを仕事で訪れ、その際の仕事は「歯磨き粉のセールスマン」。

飛行機にて(欧州から)タイを訪れたために時差ボケがひどく、しかしすぐに会議に参加する必要があり、そこで現地の人に言われるままに飲んでみたのがクラティン・デーンで、そしてこれを飲むと時差ボケが一瞬で吹っ飛んだといい、直感的に「これは売れる」と踏んだのだそう。

エナジードリンクはアジア圏でこそ人気が高かったものの、当時の欧州ではまだエナジードリンクという概念がほとんどなく、よっていち早くこれを持ち込めば売れると考えたようですね。

はたしてディートリッヒ・マテシッツはチャリアオ・ユーウィッタヤーと一緒に数年掛けてその味を「欧州の味覚に合うように」炭酸を加え糖分を増加させ、1987年に「レッドブル社」が設立されます。※今やレッドブルは世界中で販売されているが、その国ごとに許可される成分が異なるために構成物が異なる。なお中国の一部で販売されるレッドブル”強化版”は炭酸が入っておらず、経験上、飲んだ中では他の国のどのレッドブルよりも効く

レッドブルは「プロモーション」を重視

そしてディートリッヒ・マテシッツはレッドブルの顧客層を「若いプロフェッショナル」「学生」に定め、レッドブル仕様のバンで大学に乗り付けてはレッドブルを配ることで知名度を上げたそうですが、これは日本でも展開されている「サンプリングカー」にも引き継がれている手法でもありますね。

その後さらにレッドブルはプロモーション領域を拡大し様々なスポーツのスポンサー活動を行うことになり、最初にF1との関係性をもったのは1989年にゲルハルト・ベルガーの個人スポンサーについたとき(ゲルハルト・ベルガーはディートリッヒ・マテシッツと同じオーストリア人)。

その後はザウバー(1995年~2004年)、アロウズ(2001年~2002年)のスポンサーを努め、2004年にはF1を撤退するジャガーチームを買収することでついに自身のチームを手に入れます。(同年にはミナルディ=現アルファタウリも買い取っているので、この時点ですでに相当にお金を持っていたのだと思われる)。

1987年の創業からわずか17年でF1チームを手に入れ、今や最強チームの一つとして君臨するに至っているというのは驚きでしかありませんが、やはりもともと「セールスマンであった」ディートリッヒ・マテシッツのビジネスセンスが生かされたということなのかもしれません。

そして、他のF1チームとは全く異なるバックグラウンドを持つことも特筆に値すべき点であり、非常にユニークなチームということになりますね(常にチャンスを求め、他との差別化を追求し、常に他者に抜きん出ようとする姿勢は現在のレッドブルF1チームの動きとも符合する)

ちなみにクラティン・デーン時代からムエタイのスポンサーを務めるなど積極的にプロモーションを行っていたそうなので、レッドブルがプロモーションを重視する姿勢、そしてエクストリームなスポーツへ傾倒するのはそのDNAだと言えるのかもしれません。

「レッドブルがいかにして飲料メーカーからF1チームを所有するまでに成長したか」を解説する動画はこちら

参照:Donut Media

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