| 現時点でのテスラの優先順位において、モータースポーツは高い位置を占めていないだろう |
モータースポーツの参戦を考えるとすれば、それは「積極的に注文を取りにゆかねばならない」ときだと思われる
さて、Jeroen Claus氏含む複数のデザイナーによって共同制作されたテスラLMPE(TESLA LMPE)なるレンダリングが公開。
これは「もしテスラが2030年にル・マン24時間レース(に創立されているはずのエレクトリックカークラスに)に参戦したら」という想定のもと制作された2016年のレンダリングを現代風に再調整した作品だと紹介されており、当時から細かいところが変更されているようですね(2016年から2022年までの電気自動車を取り巻く環境の変化は大きい)。
テスラがモータースポーツに参戦する可能性は「ナントモ」だが
なお、テスラがモータースポーツに参戦する可能性については「アリ」とも「ナシ」とも考えられます。
「アリ」な理由としてはやはりプロモーションという観点からで、というのも現在電気自動車業界は競争が厳しくなっていて、デザイン的にテスラよりも優れる(と思える)ものや、価格やバッテリー性能面で有利なEVが多数登場しているため。
ただ、実際の信頼性や走行性能においてテスラのほうが優れている可能性が高く、テスラは(販売を有利にするために)モータースポーツにてそれを証明しようとする可能性があるんじゃないかとも考えているわけですね。
しかしながら現在はそういった「EVのみで戦う」メジャーなカテゴリがなく(フォーミュラEが存在するが、同一コンディションで争うというシステム上、テスラがここに参入する意義は薄い)、よって実際にテスラがモータースポーツに参戦するには、そういったカテゴリが誕生することを待つ必要があるのかもしれません。
もしくはロボレースが主流になったりすれば「自動運転」のアピールのためにテスラがモータースポーツに挑戦する可能性もありますが、それもまた先のことになるのは間違いなさそう。
テスラは最優先事項を決めると、それ以外は「二の次」とすることができる
逆に「ナシ」の理由としては、テスラは他社との直接の競合を意識していないため。
要は天上天下唯我独尊なので、他社と競うモータースポーツという場に身を置くとは考えにくく、テスラがそこに価値を見出す可能性はかなり低いとも考えられます。
そして今のところテスラは「広報」を必要としておらず(ただし先のことはわからない)、さらにいえば最優先事項は「納期短縮(生産効率向上)」「品質向上」「サービス体制の拡充」であり、モータースポーツに投じるリソースは無いものと思われます。
実際のところ、テスラはサイバートラックやセミ、そしてロードスターの開発を後回しにしてまでモデルYやモデル3の生産を優先しており、つまり「何かのために何かを犠牲にすることができる」「限られたリソースを最優先事項に集中させる」会社でもありますが、そういった会社がモータースポーツに価値を見出すことはないかもしれません(最優先事項以外はすべて後回しにできる潔さを持っている)。
ただ、今後はテスラの需要がどんどん減少するであろうことは間違いなく、「積極的に受注を促す活動を行わねばならない」事態に陥れば”プロモーションが最優先”となる可能性も否定できず、ここからの数年、ましてや2030年というのは非常に予想が難しい環境になりそうですね。
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参照:Behance