Image:Rolls-Royce
| ロールスロイスのアップデートは「不特定多数の人」のためではなく「限られた顧客のため」に行われる |
実際に「アップデートされるのはオーナーしかわからないような」細かい部分である
さて、ロールス・ロイスが「ゴーストシリーズII」を発表。
これは「フェイスリフト」に相当しますが、その変更内容は非常に細かく、これはそれだけ「ロールスロイスが細かいところにまで気を配っているから」だと思われます。
外観だとヘッドライトやテールランプ(スペクターに近くなった)、そして内装だとその変化はオーナーでないとわからないほどではあるものの、「さらに高級になり、カスタマイズの選択肢が拡大した」ようですね。
新型ロールスロイス・ゴースト シリーズIIはこう変わった
そこでこの新しいゴースト・シリーズIIを見てみると、フロントでは新しいフェイスが採用され、角が丸くなり、わずかに大きな(しかし薄くなった)グリルが装着されています。
ヘッドライトは少しスリムになり、今までとはLED要素が内部に採用されることが特徴ですが、「丸さを廃してシャープな雰囲気になった」という印象。
リアだと(スペクターの影響を受けた)新しいテールライトが採用され、ホイールも新デザインの9スポークに。
ボディカラーは44,000以上から選択できるようになり、新たに「マスティークブルー(たぶん公式画像での個体に使用されている色)」が追加されています。
パフォーマンス面に関してはこれまでと変わらず、プラナーサスペンションや6.75リットルのツインターボV12エンジン、8速自動変速機といったお馴染みの装備を継続することがアナウンスされています。
さらにパワーを求める人には、”ブラックバッジ”ゴーストシリーズIIを選択でき(画像は公開されていない)、内外装にはブラックバッジ特有の変更が施され、つまりダーククロムやカーボンファイバーを多用し、贅沢の中に少しの”アティテュード”が加えられることに。
このブラックバッジには新しい7スポーク22インチホイールがオプションとして提供され、V12エンジンは(563馬力から向上して)591馬力を発揮し、変速スピードも少し早くなっているのだそう。
新型ロールスロイス・ゴースト シリーズIIのインテリアはこうなっている
ゴースト シリーズIIの内装はほぼ変わらず、その中での大きな変化はピラーからピラーまで(つまりダッシュボードの幅いっぱい)に組み込まれたインフォテインメントスクリーンとデジタルパネル。
なお、これらの表示は購入者の希望に合わせて色をカスタマイズ可能だそうですが、多くの自動車メーカーのように自由に選べるわけではなく、特定の色を選ぶとソフトウェアチームがその色をコードに組み込むため、”他の誰とも被らない”カスタマイズが可能なのだそう。
そのほかのテクノロジー面だと、このゴースト シリーズIIは”スピリットソフトウェアスイート”を使用しており、ロールス・ロイスのアプリ「ウィスパーズ」によるリモート操作が可能となり、これによってオーナーはドアのロック・アンロックやナビ情報の送信、車両位置の追跡などが可能となっています。
さらに「オーナーが後部座席に乗ることが多いであろう」ロールスロイスの性格を反映し、後部座席の乗客はそれぞれのリアスクリーンに最大2台のデバイスをストリーミングでき、そのサウンドは18スピーカー構成を持つ1,400ワットのシステムによって駆動されることについてもアナウンス済み。
さらには新しいラグジュアリー素材として、グレー ステインド アッシュという新しい木材が採用され、2025年モデルの新しい特徴として、バンブー製の特別な生地「デュアリティツイール(開発に1年を要している)」を選択できるそうですが、この生地を選択すると製造プロセスに20時間追加され、220万針のステッチが施されます。
ロールス・ロイスの外装デザイン責任者、ジュリアン・ブラジ氏によると「ゴースト シリーズIIは、ロールス・ロイスの基本的な理念である”静けさ、安心、優雅さ”を表現した一体的な形です。クライアントは、静かで控えめなデザインでも、目立つ表現でも、ビスポークの色や素材選びの舞台を提供するデザインを求めてきました。ゴースト シリーズIIは、クリエイティビティのための強力なキャンバスとしての地位をさらに強化する意義のあるリファインメントが可能となります」と述べており、今回のゴーストのアップデートはその顧客に向けたロールスロイスのメッセージということになりそうですね。
合わせて読みたい、ロールス・ロイス関連投稿
-
ロールス・ロイスが「プライベートマンション」をオープンさせ「顧客と密接な関わりを持ちながらオーダーメイド車両を作れるように」。今後同様の流れが加速しそう
Image:Rolls-Royce | すべてのラグジュアリーメーカーは現在「量よりも利益率の向上」へと動いている | 自動車メーカーの場合、それは「1台あたりの売上単価、ひいては利益単価の向上」を意 ...
続きを見る
-
ロールス・ロイス「ハイブリッドには何の魅力も感じません。なぜならHVは我々と顧客が求める静かさ、無限のパワーを実現できない」。よって”V12とBEV”という極端な構成を継続するもよう
| さすがにロールス・ロイス、言うことも顧客の性質も全く異なる | ロールス・ロイスが提供するもの、顧客が求めるものは創業当初からブレてない さて、ベントレーは「もはや富裕層はEVに興味を示さず、内燃 ...
続きを見る
-
ロールス・ロイスが最新ワンオフ「スペクター・ルナフレア」を公開。内外装は月をイメージした仕上げに、そしてスーパームーンの夜に幻想的な撮影会が行われる
| このロールス・ロイス・スペクターは「ドアまでも」がスターライト仕様に | 今後、スペクターのワンオフ仕様が相次ぎ公開されることとなりそうだ さて、現在ロールス・ロイスの多くは「オーダーメイド」にて ...
続きを見る