
車体デザインはマーティン・ブランドルの娘「チャーリー・ブランドル」が担当
車体デザインは父が走らせたF1マシン、そして当時のヘルメットからインスピレーションを受ける
F1のパドックでドライバーやチーム代表に鋭いインタビューを重ねる名物解説者として、若いファンにも親しまれているマーティン・ブランドル氏。
しかし、コアなモータースポーツファンにとって、彼の真の姿はいつであってもF1の表彰台に立ち、ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースを制した凄腕のレーシングドライバーです。
そんなレース界のレジェンドたる父の輝かしいキャリアを祝福するため、自動車デザイナーである娘のチャーリー・ブランドル氏が立ち上がったというのが今回のニュースであり、彼女とともにこの911のカスタムを手掛けたパートナーが”空冷ポルシェのレストモッド(現代的再解釈)で世界中のコレクターを魅了する”アメリカの「ガンサーワークス(Gunther Werks / ギュンターワークス)」。
ここでは860馬力という強烈なスペック、そして親子の情熱が詰まった超限定モデル「Gunther Werks Brundle Edition Turbo」の全貌に迫ってみましょう。
Image:Gunther Werks
この記事の要約
- アメリカのカスタムメーカー「ガンサーワークス(Gunther Werks)」が、元F1ドライバーでモータースポーツ界のレジェンドであるマーティン・ブランドル氏に捧ぐ世界限定5台の特別仕様車「Brundle Edition Turbo」を発表
- 自動車デザイナーである娘のチャーリー・ブランドル氏がデザインを手がけ、父のレース用ヘルメットからインスピレーションを得たツートンパールペイントやオリジナルの刺繍・エンボス加工が施される
- 空冷世代の993型ポルシェ911をベースとし、最高出力860馬力を誇る4.0L 水平対向6気筒ツインターボエンジンと6速マニュアルトランスミッションを搭載した究極のモンスターマシン
Image:Gunther Werks
ガンサーワークス Brundle Edition Turboの概要
今回発表された「Brundle Edition Turbo(ブランドルエディション ターボ)」は、ガンサーワークスが展開する993型ポルシェ911ベースの「Turbo」プログラムを極限までカスタムした世界限定5台のスペシャルエディション。
自動車デザイナーとしてマクラーレンやアストンマーティン、ジャガー・ランドローバー等で活躍してきたチャーリー氏自らがデザインを担当したことが大きなトピックであり、父マーティン氏が現役時代に使用していたレーシングヘルメットから着想を得た、専用の2トーン・パール塗装がその外観上の特徴となっています。
Image:Gunther Werks
ざっと内外装を見てみると、リアに輝く「PORSCHE」風のスクリプトバッジが「BRUNDLE」へと変更されているほか、鍛造マグネシウムホイール、ドアシル、カーボンバケットシートのヘッドレストに至るまで、ブランドル家のイニシャルやシグネチャーが随所へと、そして惜しみなく奢られているようですね。
特徴・スペック・デザイン
ガンサーワークスが得意とする過激なパフォーマンス、そして唯一無二のビスポークデザインが融合した圧巻のスペックは以下の通りとなっていて・・・。
Image:Gunther Werks
- 860馬力を叩き出す空冷ツインターボ:リヤに搭載されるのはRothsport Racingとの共同開発による4.0L 水平対向6気筒ツインターボエンジン。ベースモデルの850馬力をさらに上回る860馬力(最大トルク827 Nm / 610 lb-ft)を発揮する
- 後輪駆動+6速マニュアルトランスミッション:860馬力というハイパワーでありながら、駆動方式はリア駆動(RWD)を採用し、6速マニュアルトランスミッションを駆使して自ら変速を行うことに。ドライバーの腕前が試される純粋なアナログ体験が追求されている
- レース技術を凝縮した足回りとエアロダイナミクス:ダブルウィッシュボーン式の専用サスペンションに、ブレンボ製CCMRカーボンセラミックブレーキ、巨大なダウンフォースを生み出す調整式リアウィングを装備。さらにマーティン氏本人が「Sport」および「Track」のシャーシセットアップ(ダンパー減衰力等の適合)を担当している
- コックピットに刻まれた「名言」とサイン入りヘルメット:ダッシュボードには、マーティン氏が好んで使う格言「The most important bit of the car is the nut holding the steering wheel(クルマの中で最も重要なパーツは、ハンドルを握るナット=ドライバー自身だ)」というウィットに富んだ刺繍が刻まれる。また、購入者5名にはマーティン氏の直筆サインが入った同色のBell製HP77ヘルメットが寄贈される
Image:Gunther Werks
| 項目 | Gunther Werks Brundle Edition Turbo 主要諸元 |
| ベース車両 | ポルシェ 911 Turbo(993型)レストモッド |
| 生産台数 | 世界限定 5 台 |
| エンジン | 4.0L 空冷 水平対向6気筒 ツインターボ |
| 最高出力 | 860 hp |
| 最大トルク | 827 Nm |
| トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション |
| 駆動方式 | 後輪駆動(RWD) |
| ブレーキ | ブレンボ製 CCMR カーボンセラミックブレーキ |
Image:Gunther Werks
競合比較・市場での位置付け
クラシックポルシェのレストモッド市場はシンガー・ビークル・デザイン(Singer Vehicle Design)が火をつけ、そこから世界的な過熱を見せているというのが現在の状況ではありますが、その中でガンサーワークスは、NA(自然吸気)を中心としたエレガントな仕上がりを得意とするシンガーに対し、「カーボンボディによる徹底的な軽量化」と「圧倒的なハイパワー(ターボ化)」というモータースポーツ直系のスパルタンな路線で独自の位置を確立しています(そしてベース車として使用するのはシンガーの964に対し、ガンサーワークスでは993である)。
さらに今回の「Brundle Edition」は、単なる外観のドレスアップにとどまらず、ル・マン勝者であるプロドライバー自身が走行性能(シャーシセットアップ)の熟成に関わっている点が他の限定カスタムカー、あるいはレストモッド車両とは一線を画す大きな強みとなっているというわけですね。
Image:Gunther Werks
補足情報
今回のスペシャルエディションの背景には、ポルシェに対するマーティン・ブランドル氏の「本音」、それを覆そうとするガンサーワークスの挑戦という面白いエピソードが存在しているといい・・・。
- 「ポルシェは好きだが、愛してはいない」:かつてメディアのインタビューで「ポルシェ911は好きだが、心から愛してはいない」と語り、フェラーリF355やアストンマーティンのV12モデルに深い愛着を示していたブランドル氏。ポルシェを熟知する彼を本気にさせるため、娘のチャーリー氏とガンサーワークスは「ドライバーの感性を揺さぶる最高のエンジンとマニュアル・トランスミッション、そして自ら調教した足回り」を用意することに
- 価格と正式初公開のタイミング:車両価格は公表されていませんが、ガンサーワークスの通常モデルが1億円を軽々と超える(ミリオンダラー級)ことを考えると、さらにプレミアムな価格帯になることはもう確実。なお、実車は2026年10月29日〜11月1日に開催される「Concours at Wynn Las Vegas」にて世界初公開される予定
Image:Gunther Werks
結論
モータースポーツの伝統、娘から父への深い敬意、そして現代最高峰のエンジニアリングが見事に融合した「Gunther Werks Brundle Edition Turbo」。
わずか5台のみが生み出されるこの860馬力のモンスターポルシェは、単なるコレクターズアイテムを超え、走りを愛するドライバーとレーシングレジェンドの魂を体現した”究極のアナログ・マスターピース”へと昇華した存在だとも捉えることができそうです。
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参照:Gunther Werks



















