| 何よりも109年前のクルマが普通に走っていることのほうが驚きである |
このモデルTの時代からだと、自動車は格段の進歩を遂げたものである
さて、フォードはおよそ116年前に「モデルT」の導入によって自動車業界に「大量生産」という新しい風を吹き込んでいますが、そのモデルTの生産が終了したのは1927年。
そして今回、1915年式という「109年前の」モデルTに乗ってフォードディーラーを訪れ、オイル交換を行うという動画が公開されています。
1915年式のフォード・モデルTにとっては「ディーラーに行くまで」が困難な試練である
今回動画を公開したユーチューバー、TFLクラシックスは「オイル交換を行ってくれる」ディーラーをなんとか探し、そしてこの作業を引く受けてくれるのはコロラド州ブライトンのフォード ディーラー。
普通の車であれば「45分」で到着する距離ですが、これはあくまでも「現代のクルマ」を走らせた場合の所要時間であり、モデルTの速度を考慮すれば、遥かに多くの時間がかかる「長旅」です。
しかし彼らは時速27マイルから33マイルくらいの速度(約43km/h~53km/h)でなんとか走ってフォードディーラーに向かいますが、さすがにこのクルマで高速道路に乗るのは危険なので、高速道路を走行せねばならない区間だけはトレーラーにクルマを積み込んで走ったのだそう(一般道を走行している様子を見ても、渋滞の原因を作ってしまっている場面がある)。
109年前のフォード・モデルTがようやくディーラーに辿り着く
そして無事に走りきり、ようやくフォードのディーラーへと到着。
さすがにフォードディーラーもモデルTを見るのははじめてのようで、受付けスタッフも苦笑いを浮かべています。
その後はサービススタッフと打ち合わせ。
エンジンそのものは非常にシンプルですが、(動画を見る限り)普通に走っていることにも驚かされます。
その後はリフトに載せて車体を持ち上げ(車輪がプラットフォームの内側ギリギリ)・・・。
ドレーンプラグからオイルを抜くことに。
ちなみにエンジンオイルとトランスミッションオイルは共通で、見ての通りオイルは真っ黒(エンジンの精度などが現代の基準とは異なり、汚れやすいのだと思われる)。
オイルパンやプラグがレトロ極まりないといった印象ですが、109年前の製造とは思えないほどの状態だと思います。
その後は(現代のフォードに使用される普通の)オイルを注入して作業終了。※オイル交換自体は現代のクルマに比較して遥かに簡単
そして作業時には現代のクルマ同様、紙製のシートなどで養生を行っているのがなんともシュール。
109年前のフォードをオイル交換のためディーラーに持ち込む動画はこちら
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