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今度は中東。ベントレーに「真珠テーマ」のベンテイガを5台も同時注文したオーナーが現る

2019/03/24

その名も「ベントレー・ベンテイガ・パール・オブ・ガルフ・バイ・マリナー」

ベントレーが中東市場向けにベンテイガのスペシャルエディション「パール・オブ・ガルフ・バイ・マリナー(Pearl of the Gulf by Mulliner)を5台のみ生産した、と発表。

これは文字通り中東の真珠産業への歴史へのオマージュとなり、内外装は「パール」をイメージした仕様を持っていますが、驚くべきはベントレーが設定した限定モデルではなく、中東のオーナーがベントレーに(5台も)注文したものだそう。

内外装は「パール」をイメージ

インテリアは真珠貝をイメージしたカラーコンビネーションを持ち、オフホワイトとネイビーとの組み合わせ。

ダッシュボードには真珠貝を使用した(真珠採取用)帆船のインレイが施されていることがわかります。

スカッフプレートには「1 of 5」の文字。
ちなみにフロアマットはラムウールを使用していてモッフモフ。

センターコンソールにはベントレーのカスタム部門「マリナー」の文字。
「マリナー(MULLINER)はもともとイギリスのコーチビルダーであったものをベントレーが買収し、今ではベントレーのパーソナリゼーション部門として機能しています。

ちなみにこの「MULLINER」の文字がある部分はオーナーの指紋のみで開閉できる「金庫」で、クルマを預けるときなどの貴重品入れとして使用するそう。

ダッシュボードのクロックにはダイヤモンド入り。
製造はおなじみブライトリングですね。

ピラーにも「MULLINER」の文字。
その下にはゴールドのラインが入っています。

なお、中東は今だと「超リッチ」なイメージがあるものの、かつては真珠の採取が主な産業。
しかしその後日本が真珠の養殖に成功すると真珠産業も廃れて危機を迎えるものの、直後の世界的なモータリゼーションによって石油の需要が高まり、急激に繁栄し現在に至ることに。

こういった経緯は以前に訪問したドバイ博物館に展示物とともに記載してあったわけですが、今やお金が有り余っているイメージのドバイも、かつては非常に貧しかったということですね。

http://stereotomy2.com/2017/03/10/post-25724/

そして、ドバイの人々はその頃のことを覚えていて、だからこそ石油で得たお金(正確に言うと近隣の国が石油で得たお金をドバイに投資させている。ドバイからは石油が殆ど出ない)を投資し、「流通」「貿易」「商業」という石油に頼らない収入源を得ようとしていて、このあたりは過去の教訓が現代にも生きていると言って良さそう。※石油が不要になったら、真珠を失ったときと同じように収入源を絶たれることになる

ちなみにかつてドバイの収入源(真珠)を奪ったのは日本の真珠産業ですが、今ではドバイへの投資元として最大の「アブダビ」が産出する天然資源の「もっとも大きな輸出先が日本」であり、ドバイと日本とはなにかと縁が深いのもまた興味深い偶然でもあります。

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