| ポルシェはスター・ウォーズ専用に宇宙船をデザインしたがBMWの場合はエンジン「そのまま」でも映画に出れそう |
BMWが新型バイク「R18」に搭載する1800ccという巨大な2気筒エンジン、「ビッグボクサー」を公開。
つまりは「1気筒あたり900cc」という常識はずれの排気量を持つことになり、おそらくこれは量産エンジン史上「最大」クラス(試作品だと1気筒あたり2,000cc~3,000ccという意味不明なものがある)。
なお、自動車用だとポルシェ944S2に積まれていた3リッター4気筒の「1気筒あたり750cc」が量産エンジン史上最大だと言われていて、それを考えても、この「1気筒900cc」がいかにずば抜けているかがわかります。
ちなみにガソリンエンジンは、そのサイズや冷却効率、摩擦抵抗などを考慮すると「1気筒あたり400~600ccが一番効率的」と言われ、実際にほとんどのエンジンがその範囲に収まっているようですね。
この適正排気量については、厳密な理論があるわけではなく、ただ「1気筒あたりの排気量が小さいと、得られるパワーに比して各作動部が発する抵抗の比率が高くなって効率が悪い」「1気筒あたりの排気量が大きいと、振動が大きくなったり冷却(温度管理)が難しくなる」という”一般論”。
この範囲を超えるエンジンだとスバルのEJ25(1気筒あたり625cc)、ポルシェの4リッター・フラットシックス(666cc)がありますが、こういったエンジンが存在する理由は「スペース的制約があって、気筒数を増やせないが、パワーを上げる必要があり、となると排気量を増やすしかない」というもの。
話をBMWにもどすと、このエンジンのは91馬力を発生しますが、バイク用としては比較的低めの3,000回転で最大トルクとなる158Nmを発生し、2,000回転~4,000回転においてピークトルクに近い150Nmを発生。
つまりは相当にトルクフルで乗りやすいということになり、一旦走り出し、2~3速に入れておけば、ほとんどのシーンをカバーできるのかもしれません。
BMWによると「とてつもないパワー」そして「究極のスムーズさ」をその特徴として掲げているものの、おそらく振動は「相当なもの」。
自分の両足の間で1,800ccがドコドコと炸裂していると考えるとちょっと怖くなりますが、相当な刺激があるのも間違いなさそう。
「ビッグボクサー」はそのルックスも話題に
そして排気量以上に話題なのが、このビッグボクサーのルックスが「スター・ウォーズに出てくる宇宙船のようだ」ということ。
たしかにパッと見てもエンジンと言うよりはなんらかのオブジェのようで、サイバーパンクっぽい雰囲気も(このエンジンを載せているデスクがさらにそう感じさせる。正直、このエンジン単体は純粋に置物としても欲しい)。
ただ、「最新鋭」というよりはちょっとレトロな印象も受けますね。
ちなみにBMWがMINI用に開発した4気筒ターボエンジンについて、下の方にはグリーヴァス将軍の顔みたいなものが付いていると(ぼくの中で)話題になったことがあり、BMWとスター・ウォーズとは切っても切れないな、と感じることも。
ちなみにこのエンジンを搭載するR18はこんなバイク(これはまだコンセプト段階)。
バイク自体もレトロで、BMWのルーツに立ち返ったものだとされていますね。