![BMWが新コンセプトカー「ヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンス」を予告。キドニーグリルが横に伸びて「グリル内にヘッドライトを格納」](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2025/02/BMW-Vision-Experience.jpg)
Image:BMW
| BMWは現代のノイエクラッセになみなみならぬ期待をかけている |
願わくば初代ノイエクラッセのようにBMWの未来を再定義するクルマとなってほしいものである
さて、BMWが最新コンセプトカー「ヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンス(Vision Driving Experience)」の発表を予告。
今回公開されたのはフロントそしてリアの発光エレメントですが、キドニーグリルのルーバー、そしてテールランプの発光グラフィックが「ナナメ」になっていることがわかります。
ちなみにこの「ナナメ」はここ1−2年のBMWが好んで用いるデザインでもありますね。
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ヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンスでは「ヘッドライトがキドニーグリル内に格納」される
そしてもう一つここで注目すべきは「ヘッドライトがキドニーグリル内に格納されている」こと。
BMWはキドニーグリルにつき「今後いろいろな形に変化する」とは述べていたものの、これはなかなかに斬新な手法です。
ただ、このヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンスは「ノイエクラッセ」の一角を成すクルマの予告だと思われ、そして「ノイエクラッセ」である」ということを考慮するならば、この「グリル内に格納されたヘッドライト」にも納得ができ、というのも「初代」ノイエクラッセでは「中央」「その横(外側)」に2組のキドニーグリルを持っていて、外側のキドニーグリルにヘッドライトが”収納”されているため。
Image:BMW
よって「最新の」ノイエクラッセが「キドニーグリル内にヘッドライトを収めていても」不思議はなく、むしろ当然のことであるようにも思えます。
ちなみにこの「ノイエクラッセ」とは「新しいクラス」という意味のドイツ語で、最初に使用されたのは1960年代のBMWの広告において。
当時のBMWは(イセッタのような)小型車、もしくは501/502/503のような大型セダンしかラインアップを持たず、それらの中間を埋める新しいクラスとして投入された「1500」シリーズがズバリ「ノイエクラッセ」というわけですね(現代の5シリーズに相当する位置づけ)。
ただ、この「ノイエクラッセ」とはBMWが正式に与えた車名やシリーズ名ではなく、後付けにて考案されて広告に使用された名称だといい、しかしこれが大きな反響を呼んだため、1500シリーズ全般を指して「ノイエクラッセ」と呼ぶようになったと言われます。
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かくしてBMWはこのノイエクラッセを大量生産することに決め、「大きなリスクを踏んで」設備投資や大量雇用を行い工場を拡張することになりますが、このときの決断がなければ今のBMWはないだろうとも言われていて、BMWにとって大きな転機を迎えるきっかけとなり、現代へと続く成功の礎を築いたのがこの「初代ノイエクラッセ」。
そして現代のノイエクラッセもまた「BMWの社運を賭けた」存在だと捉えてよく、この意味でもまた初代ノイエクラッセとの関連性を感じさせますね。
ちなみにヴィジョン・ドライビング・エクスペリエンスのテールランプにおいては初代ノイエクラッセとの共通点を見いだせず、しかしこういったデザインを持つのは「フロントのデザインとリアのデザインをシンクロさせた」結果なのかもしれません。
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参照:bmwgroup(Instagram)