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【動画】あの「最初のポルシェ」、タイプ64をクリス・ハリスが試乗。VW時代と356とをつなぐ”ミッシングリンク”はこういったクルマだ

2019/08/16

| クリス・ハリス以上にこのクルマを理解できる人物はそうそういない |

今年5月にその存在が報じられた「最古のポルシェ」、タイプ64をクリス・ハリスがドライブ。
なお、このポルシェ「タイプ64」は8月15日に競売にかけられますが(予想落札価格は22億円以上と言われる)、その直前のプロモーションだとも言えそうです。

この「タイプ64」は別名「ベルリンローマ速度記録車」とも呼ばれ、ポルシェが1938-1939年にかけて3台のみ製造したもの(そのため、空力を最適化すべくUFOのようなシルエット、ディティールを持っている)。

ベースとなったのはフォルクスワーゲン・タイプ1(KdFワーゲン)つまり「ビートル」。
タイプ1そのものは、1933年にポルシェ創業者、フェルディナント・ポルシェがヒトラーと協力して作り上げたクルマで、ヒトラーは(国力誇示のため)さらなる高性能車の製造をフェルディナント・ポルシェに指示し、出来上がったのがこのポルシェ”タイプ64”。

現代のポルシェは、この「タイプ64」を認めたがらない

ポルシェ社は1931年の創業ですが、ポルシェが公式に認めている歴史として、「最初の”市販車”は1948年の356」。
もちろん、このタイプ64は市販車ではないものの、ポルシェとしてはこのクルマに公的に触れることはなく、その理由は不明。

ポルシェ創業者、フェルディナント・ポルシェが第二次世界大戦終了後に「(ナチスに協力した)戦犯」として囚われていたという事実に触れたくないこと、(過ぎ去ったこととはいえ)ナチスとの関わりを指摘されたくないということが関係していると思われますが、かなり不思議な事実でもありますね。

そして、このタイプ64はフェルディナント・ポルシェとその息子がしばらく「自家用車」として乗っていたという記録が残っていて、ある意味では「もっともポルシェらしいポルシェ」。
フェルディナント・ポルシェの息子、フェリー・ポルシェは自身がこのクルマを自分のものとするにあたり、「PORSCHE」ロゴを車体に追加していますが、こういった事例を鑑みても、このタイプ64は誰がなんと言おうと「ポルシェ創業者一族が認めたポルシェ」でもあり、フォルクスワーゲンと356とをつなぐ”ミッシングリンク”である、とも言えそう。

よって、ポルシェを愛するものであれば誰もが欲しいと考えるであろう、そして何より自身の手でステアリングホイールを握りたいであろうクルマがこのタイプ64だと思われますが、このクルマをドライブするのにクリス・ハリス以上の適任者はいないかもしれませんね。

なお、エンジンは1リッター水平対向4気筒、最高速は141km/hとのこと。

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