| あの頃の情熱が蘇る |
高級車やコンセプトカーの発表が多いという印象のペブルビーチですが、なんと「実物大ラジコンカー」が登場。
これは1979年にタミヤが発売した1/10サイズのR/Cカー、「ワーゲンオフローダー(バハ・ビートル)」を実物大にて製作したもので、なんと実物大プロポ(送信機)とを同時に展示しています。※海外では”Sand Scorcher”という名称。何度か復刻もされている
実は日本でも展示されたことがある
ぼくの記憶によると2010年頃にドイツのBUG BOXというビートル専門カスタムショップが作ったものとされ、実際に日本のホビーショーに展示されていたと思いますが、その際は送信機はなかったはずで、よって(ぼくの記憶が正しければ)その後にこの送信機を製作した、ということに。
なお、当時タミヤが発売していたR/Cカーがこちらで、いかに再現度が高いか、いかにこの実物大のクルマに情熱が注がれているのかがわかりますね。
実際にぼくも所有していましたが、サスペンション構造が実車さながらであったことを記憶しています。
参考までにぼくは小学生~高校生あたりにはラジコンカーに没頭していて、クルマの構造、例えばサスペンションやドライブトレーン、重量配分など多くのことをこれらの製造やカスタム通じて学ぶことに。
エレクトリックモーター、エンジン両方に手を付けていますが、ダンパーの硬さやデフのイニシャル、燃料の配合など色々試しており、かつ相当な改造、パーツの自作を行っていたことを昨日のように思い出しますが、そういった時期があったからこそ、今の自分があるとも考えています。
とくに足回りのセッティングには時間を費やし、固めると跳ねてちゃんと走れないことや、ストロークしないと接地しないこと、スプリングとダンパーとの間には密接な関わりがある、ということはここで学んだようなもの(よって、ぼくは実車でも足回りが気になって仕方がない)。
なお、ラジコンカーについてはF1やレーシングカーよりも「オフローダー」のほうがお気に入りで(セッティングの幅広いから)、タミヤだとこのワーゲン・オフローダーのほかにはランボルギーニ・チーター、ジープ・ウィリス、スバル・ブラットを購入してカスタムした記憶があります(スバル・ブラットは異常に速かった)。
こんなのも作ってみた
最近だとタミヤではありませんが、出来合いのラジコンカーを購入してきて「ランボルギーニ・ウラカン・ロードウォリアー」を作ったことも(基本的にこういった形状のクルマが好きなんだろうと思う。そのため、一時期”ウラカン・サファリ”が発売というウワサが出たときは心躍った)。
ちなみにテールパイプは4連仕様。
ときどきこれを走らせて猫さんと「追いかけっこ(猫のほうが追ってくる。怖がるので猫をこちらから追うことはない)」することがありますが、ぼくは「何か作ってないと」もしくは「何か改造してないと」落ち着かない性分なのかもしれません。
もう一つ参考までに、ぼくの愛読書として「田宮模型の仕事」というものが。
これは技術的なものよりも、タミヤ創業者とその関係者たちの情熱を描いた「物語」。
プラモ好きが高じてイタリアへ渡り、現地カロッツェリアで実車を製造してしまった元社員や、そのクルマの外装を見ただけでタミヤが忠実に「構造までモデル化」したため、自動車メーカー側では「誰だ設計図をタミヤに渡したのは」という騒ぎになった、というエピソードが印象的です。
今回、この「バハ・ビートル」を見て色々な思い出が走馬灯のように駆け巡ることになりましたが、子供の頃にぼくと一緒にラジコンカーに熱中していた連中もいつのまにか結婚していいパパになってしまい、もうあの頃のような話ができる人間が誰もいなくなってしまったのは寂しいところ。
ぼくだけがずっと同じ場所にとどまっているということなのかもしれず(どうしても子どもを持つ気にはなれない)、しかし死ぬまでこういった情熱は失いたくない、とも考えています。
VIA:Motor1