| ランボルギーニのダウンサイジングターボは「全体にない」 |
ランボルギーニの技術部門責任者、マウリッツォ・レッジャーニ氏が「シリンダー数を減らすようなことはしない。いかなる圧力があろうとも徹底して戦う」とメディアにコメント。
ランボルギーニはライバルがどんどんターボエンジン&小排気量(ときには少シリンダー)化する現状においても「V12」「自然吸気エンジン」を守り抜くとこれまでも発言しており、今回もそれを再確認させられた、という形となっています。
スポーツモデルは自然吸気エンジンを堅持
加えて同氏は「いかなるクルマにも使命がある。そしてその使命に従って正しいエンジンを選択すべきだ」と述べています。
ランボルギーニはそのSUV「ウルス」においてターボエンジンを採用していますが、それはウルスの使命にとって正しい判断を行ったもので、スーパースポーツにおいては自然吸気エンジンこそが正しい判断である、と主張。
さらに「将来、排ガス規制を(今のエンジンでは)クリアできなくなるが、その解決策として正しいのはハイブリッドとの組み合わせだと確信している」とのこと。
ただし同時にハイブリッドは「重量」面で課題が残るとしており、ランボルギーニはバッテリーセルを積むかわりに「ボディパネルをバッテリーにする」ことを本気で考えている様子。
なお「ボディ表面をバッテリーに」というのはランボルギーニが発表したコンセプトカー「テルツォ・ミッレニオ」で採用されたもので、クルマにどうしても必要なパーツをバッテリー化すれば重量増加も最小限で済むじゃない、という考え方ですね(これについては実際にMIT=マサチューセッツ工科大学とともに研究を行っている)。※ひとつのパーツに2つ以上の役割を持たせればそのぶん軽量化が実現できる
2024-2025年頃にはバッテリー問題が解決?
実際のところ同じグループに属するポルシェも最近まで「911のハイブリッド化」には抵抗しており、その理由は「重量増加」。
重量が増加すればそのぶん運動性能がスポイルされてピュアスポーツカーとしての価値を失ってしまうのがその理由ですが、なんらかの理由で最近になり「次期911をハイブリッド化する」と明言。
ディーゼル問題に揺れ、エレクトリック化こそがブランドの生き残る道であり、そしてブランドのコアである911をエレクトリック化することで「ポルシェ=エレクトリック」というイメージを作り上げようとする狙いがあるのかもしれませんが、次期911のモデルライフ後半に「911PHEVが登場」とされ、となるとつまり発売は2024-2025年頃。
その頃になると「重量」問題が解決される見込みがあるということも考えられ、これ(軽量バッテリー)については現在フォルクスワーゲングループあげて取り組んでいる課題なのかもしれませんね。
V10モデルも「自然吸気、V10継続」
今回マウリッツォ・レッジャーニ氏は「V12は絶対にNA継続でシリンダー数も減らさない」と断言していますが、気になるのが「V10モデル」。
じゃあこっちはV12と違ってターボ化やダウンサイジングがあるの?と考えるものの、同氏は「安心していい。次期V10モデルも自然吸気V10エンジンを採用する。なぜならば我々はランボルギーニであり、V8やV6の使用はランボルギーニのDNAに反する」とのこと。
ちなみにランボルギーニはその全高の低さでも有名。
アヴェンタドール、ウラカンともに全高1200ミリを大きく切っており、これはフェラーリのV8/V12モデルに比べると7センチほども「低い」数字。
フェラーリは北米市場の要望に合わせて360モデナから全高が高くなった(大柄な米国人にあわせて室内高を稼ぐため)と言われますが、ランボルギーニは同様の要望に対しても断固拒否。
それは「全高の高いランボルギーニはランボルギーニではない」からで、このあたりランボルギーニのデザイナー、そして開発陣は「何がランボルギーニをランボルギーニたらしめているのか」を全社共通の認識として持っており、「ブレない」ところは非常に頼もしい、と思います。※本当にずっと前の発言からまったくブレてない
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